Kinectを使って、顔の動きを認識して画面に表示する

2012年10月1日(月)
薬師寺 国安

今回のサンプルは、Kinect for Windows Developer Toolkit 1.5.1に含まれる、Face Tracking Basics-WPFのC#のサンプルを参考に、少しアレンジを加えてVBに書き換えた、顔の輪郭を追跡して表示するサンプルです。

実際の動きは図1と動画を参照してください。このサンプルでは実行後、まず2mほど離れると、顔の輪郭に沿って三角形の集合体のジオメトリーが表示されます。その後1m以内ぐらいまで近づき、椅子に座ったままの状態でも顔のジオメトリーが表示されます。

顔の細かい動きを追えることから、継続的に顔の動きが必要なアプリを作る際に役に立ちそうですね。

図1:プレイヤーの顔だけを追跡して表示している

サンプル一式は、会員限定特典としてダウンロードできます。記事末尾をご確認ください。

プロジェクトの作成

VS 2010のメニューから[ファイル(F)/新規作成(N)/プロジェクト(P)]と選択します。次に、「WPF アプリケーション」を選択して、「名前(N)」に任意のプロジェクト名を指定します。ここでは「KINECT_ FaceTracking」という名前を付けています。

まず初めにコードも何も記述しない空のUserControlを作成します。

UserControlの作成

VS2010のメニューから「プロジェクト(P)/ユーザーコントロールの追加(U)」と選択し、「ユーザーコントロール(WPF)」を選択します。「名前(N)」にはFaceTrackingViewer.xamlと指定し[追加(A)]ボタンをクリックします(図2)。

図2:UserControlを追加する(クリックで拡大)

FaceTrackingViwer.xamlのコードから要素のプロパティDesignHeightとDesignWidthを削除します。また要素も削除しておいてください。このままの状態でUserControlを置いておいてください。このユーザーコントロールでは、プレイヤーの顔を認識して三角形の集合体で構成されるジオメトリーを作成します。コードは後ほど記述します。

コントロールの配置(MainWindow.xaml)

まず、このMainWindow.xamlに先ほど作成しておいたFaceTrackingViewer.xamlを取り込みます。そのためには名前空間を定義する必要があります。要素内にxmlns:local=”と記述すると値の一覧が表示されますので、KINECT_FaceTracking(KINECT_FaceTracking)を選択します(図3)。

図3:UserControlであるFaceTrackingViewer.xamlを取り込むために名前空間を定義する(クリックで拡大)

ツールボックスからデザイン画面上にImageコントロール1個配置します。配置したImageコントロールの下に、

図4:

XAMLコードはリスト1、レイアウトは図5のようなります。

リスト1  (MainWindow.xaml)

  • (1)localという名前空間を定義している。
  • (2)NameがcolorImageのImageコントロールを配置している。
  • (3)FaceTrackingViewerというUserControlを取り込んでいる。
<Window x:Class="MainWindow"
  xmlns="http://schemas.microsoft.com/winfx/2006/xaml/presentation"
  xmlns:x="http://schemas.microsoft.com/winfx/2006/xaml"
  xmlns:local="clr-namespace:KINECT_FaceTracking"  ■(1)
  Title="Face Tracking" Height="480" Width="640">
  <Grid Name="MainGrid"  Width="640" Height="480">
    <Image Name="colorImage" />  ■(2)
    <local:FaceTrackingViewer x:Name="FaceTrackingViewer1"/>  ■(3)
  </Grid>
</Window>
図5:各コントロールを配置した(クリックで拡大)

  • 顔の動きを追跡するKinectサンプル

薬師寺国安事務所

薬師寺国安事務所代表。Visual Basic プログラミングと、マイクロソフト系の技術をテーマとした、書籍や記事の執筆を行う。
1950年生まれ。事務系のサラリーマンだった40歳から趣味でプログラミングを始め、1996年より独学でActiveXに取り組む。1997年に薬師寺聖とコラボレーション・ユニット PROJECT KySS を結成。2003年よりフリーになり、PROJECT KySS の活動に本格的に参加、.NETやRIAに関する書籍や記事を多数執筆する傍ら、受託案件のプログラミングも手掛ける。Windows Phoneアプリ開発を経て、現在はWindows ストア アプリを多数公開中

Microsoft MVP for Development Platforms - Client App Dev (Oct 2003-Sep 2012)。Microsoft MVP for Development Platforms - Windows Phone Development(Oct 2012-Sep 2013)。Microsoft MVP for Development Platforms - Client Development(Oct 2013-Sep 2014)。Microsoft MVP for Development Platforms-Windows Platform Development (Oct 2014-Sep 2015)。

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