クライアント型SOAの設計方法と開発方法
2005年10月3日(月)
はじめに
前回ではクライアント型SOAの概念について説明しました。読者の方々から多くのご評価とコメントをいただき、大変ありがたく感じています。またその反響の大きさから、「クライアント型SOA」への期待を改めて認識すると共に、この新しい手法を効果的なソリューションとして様々な方に使っていただきたく、今後もクライアント型SOAの啓蒙活動に尽力いたします。
今回は実践編として、「クライアント型SOAの設計方法と開発方法」の事例を中心に話を進めていきます。すでに通常のSOAの知識・経験がある方はSOAと「クライアント型SOA」を比較しながら本連載を読み進めて下さい。
またSOAに関して深い知識がない方でも、「クライアント型SOA」はサーバとクライアントというシステムを業務に当て込んでいくシステムの形ですので、自身の基幹システムの設計・構築シーンと比較しながら読み進めていただければ、「クライアント型SOA」の特徴と適用ケースがわかるかと思います。
クライアント型SOAを実現する「IdbA」
まずは、クライアント型SOAを実現する「IdbA」について簡単に触れてみます。IdbAはクライアント側とサーバ側のアプリケーションを厳密かつ容易にコンポーネント化(カプセレーション)ができます。これによって、C/Sシステムの表現力・操作性とWeb系システムの運用の容易性、そしてRimless Computingならではの情報と機能を融合した柔軟性のあるシステムを構築することができます(図1)。
IdbAの特長は表1の通りです。
- Javaクラスで実装されたオートコンポーネントの実行環境
- オートコンポーネントはIdbA上で相互に接続・情報連携が可能
- オートコンポーネントを送受信することによって情報・機能を送受信することが可能
また、IdbAはクライアント型SOAの実装を効率化すべく、表2の機能強化をはかっています。
- SOAPクライアント
- 接続先のサーバとSOAPでやり取りできるように、SOAPの作成と読み取りができるようになります
- 簡易版BPML
- ビジネスプロセスのモデル化を極力簡易に行うべく、テンプレートでの作成が可能/コンポーネントの簡易作成機能/コンポーネントのつながりの視覚化を実現する簡易版BPMLの機能が使えるようになります
- DataMappingツール
- 異なったシステム間でのデータの整合性を保つべく、データ変換を行います
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