富士通研究所、通信性能をソフトウェアだけで改善する新データ転送方式を開発
2013年1月30日(水)
富士通研究所は1月29日、ファイル転送や仮想デスクトップなどの様々な通信アプリケーションの性能をソフトウェアだけで大幅に改善する新しいデータ転送方式を開発したと発表した。
今回、ストリーム配信に適したプロトコルのUDPをベースに独自に開発した効率的な再送方式を組込み、パケットロス時のデータ再送の遅延を低減する新プロトコル、UDP通信が帯域を占有する問題に対して、ネットワークの空き帯域をリアルタイムに計測し、従来のTCP通信を圧迫することなく最適な通信帯域を確保する制御技術、既存のTCPアプリケーションを変更することなく本プロトコルを適用するだけで簡単にTCPアプリケーションの高速化を実現する技術を開発し、ソフトウェアのみで実現することに成功した。
本技術により、従来は高価な専用ハードウェアを必要としていたTCPアプリケーションの高速化を、ソフトウェアをインストールするだけで簡単に実現できるとともに、モバイル端末などへも簡単に実装することが可能となるという。TCPと比較して日米間のファイル転送を30倍以上高速化でき、さらに仮想デスクトップの操作遅延を1/6以下に短縮することが可能となるため、今後普及が見込まれる国際回線や無線回線を使った様々な通信アプリケーションを快適に利用することが期待できる。
富士通研究所では、本技術を2013年度中に既存のTCPアプリケーションを変更することなく通信を高速化する通信ミドルウェアとして実用化することを目指す。
開発した技術の特長は以下の通り。
・品質の悪い通信環境においてスループットと遅延時間を改善する新プロトコル
ストリーム配信に適したプロトコルのUDPをベースに独自に開発した効率的な再送方式を組込み、パケットロス時のデータ再送の遅延を低減する新プロトコルを開発した。消失したパケットと送信中でまだ相手先に届いていないパケットを高速に識別し、無駄な再送と遅延の発生を抑止する。本プロトコルをUDP上にソフトウェアで組み込み、UDPの持つ高速性能を維持すると同時にUDPの欠点であるパケットの消失と順序の逆転を回避し、パケット送達の遅延時間を改善した。標準的なTCPと比較した場合、日米間を想定したファイル転送で30倍以上のスループットを実現し、パケット送達時間に伴う操作の遅延時間を1/6以下に短縮した。
ストリーム配信に適したプロトコルのUDPをベースに独自に開発した効率的な再送方式を組込み、パケットロス時のデータ再送の遅延を低減する新プロトコルを開発した。消失したパケットと送信中でまだ相手先に届いていないパケットを高速に識別し、無駄な再送と遅延の発生を抑止する。本プロトコルをUDP上にソフトウェアで組み込み、UDPの持つ高速性能を維持すると同時にUDPの欠点であるパケットの消失と順序の逆転を回避し、パケット送達の遅延時間を改善した。標準的なTCPと比較した場合、日米間を想定したファイル転送で30倍以上のスループットを実現し、パケット送達時間に伴う操作の遅延時間を1/6以下に短縮した。
・ネットワーク空き帯域のリアルタイム計測による通信帯域制御技術
本技術とTCP通信が混在する通信環境において、ネットワークの空き帯域をリアルタイムに計測し、他のTCP通信が占める帯域を圧迫することなく最適な通信帯域を確保する制御技術を開発した。例えば、他のTCP通信の帯域使用率が低い場合は本技術の帯域使用率を増やし、他のTCP通信の帯域使用率が高い場合は、本技術の帯域使用率を減らすよう制御を行う。
本技術とTCP通信が混在する通信環境において、ネットワークの空き帯域をリアルタイムに計測し、他のTCP通信が占める帯域を圧迫することなく最適な通信帯域を確保する制御技術を開発した。例えば、他のTCP通信の帯域使用率が低い場合は本技術の帯域使用率を増やし、他のTCP通信の帯域使用率が高い場合は、本技術の帯域使用率を減らすよう制御を行う。
・既存のTCPアプリケーションに手を加えずに高速化する技術
今回、様々なアプリケーションで標準的に利用されているTCP通信を新プロトコルに自動的に変換する機能を開発した。これにより、ファイル転送、仮想デスクトップ、ブラウジングなどの様々な既存のアプリケーションに手を加えることなく、性能を大幅に改善することが可能となる。
今回、様々なアプリケーションで標準的に利用されているTCP通信を新プロトコルに自動的に変換する機能を開発した。これにより、ファイル転送、仮想デスクトップ、ブラウジングなどの様々な既存のアプリケーションに手を加えることなく、性能を大幅に改善することが可能となる。
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