クラウドの活用事例
1 IceWallクラウドデモセンターの概要
これまでの2回では、認証データベースへのHBase/Hadoopの適用、クラウドとの認証連携について説明してきました。
最終回となる今回は、クラウドの活用事例としてIceWallクラウドデモセンターの取り組みについてご紹介します。
1.1 IceWallクラウドデモセンターの目的と概要
IceWallクラウドデモセンターは、IAM(Identity and Access Management)の主要件である、シングルサインオン(SSO)やID管理(IDM)などの機能を、パブリッククラウド環境に構築したものです。利用者がプライベートクラウドもしくはパブリッククラウドを構築する際のベストプラクティスとなることを目指しています。
また、デモ環境として、IceWall製品やソリューションの紹介だけでなく、さまざまなISVが提供するセキュリティソリューションとの連携を検証したり、新しいソリューションを試して立ち上げる際にも積極的に利用しています。
図1:IceWallクラウドデモセンターの概念図(クリックで拡大) |
IceWallクラウドデモセンターが提供するシナリオを大きく分類すると以下のようになります。
- ユースケースを問わず、シンプルに製品をご紹介するためのシナリオ(シンプルなデモ)
- イントラネット向けのシナリオ
- BtoBサイト向けのシナリオ
- BtoCサイト向けのシナリオ
- ファイルサーバーソリューションをご紹介するシナリオ
本稿の後半では、これらのシナリオの中からイントラネット向けのシナリオについて詳細を説明します。
1.2 IceWallクラウドデモセンター構築の理由
従来IceWall製品のデモンストレーションは、社内のサーバーやPC上に用意した環境を使って行っていました。しかし、社内のサーバーを利用するとデモを実施する場所が自社内に限定されたり、PCを持参して客先で実施すると、一部の製品・機能しか見せることができないといった不満がありました。また、IceWall製品では、ISVとの連携や新規ソリューションの立ち上げが多いため、さまざまな環境を素早く用意する必要があります。
また近年の動向として、ISVのソリューションがSaaSサービスであることが増えている点も考慮が必要になっています。そのため、IceWall製品のデモ環境もネットワーク上の制限を受けることなくインターネットにつながることが好ましい状況となってきました。
これらの問題やニーズに対して、IceWall製品のデモ環境そのものをクラウド化することが解決策だという結論に至りました。これがIceWallクラウドデモセンターを構築した理由です。
1.3 IceWallクラウドデモセンターの特長
IceWallクラウドデモセンターは、利用者とISVの両方に対するメッセージ発信を考えて構築しています。そのため、次の2点に注力して構築しました。
- そのまま自社に取り入れたいと思ってもらえるシステムを目指す
- 柔軟に拡張・変化ができるようにする
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