【プロジェクト管理ソフト】進ちょくと収支の管理が中心、用途に応じて選ぶ

2011年3月1日(火)
Think IT編集部

ワークフローで人や組織にまたがった仕事の流れを記述・実行

(3)プロジェクト管理では、タスクの進ちょくと並行して、作業の流れや仕事の流れを記述・実行するワークフローが重要になる。プロジェクトの遂行にはワークフローが絡んでくるため、ほとんどのプロジェクト管理ソフトでワークフローを定義・実行できる。

業務プロセスのワークフロー機能に注力したBPM(業務プロセス管理)ソフトの代表が、BP Logixである。ワークフロー画面とタイムライン(ガントチャート)画面で、業務の流れを管理する。

ワークフロー画面 タイムライン画面

図5: プロジェクトのワークフローを管理(BP Logix)

図5: プロジェクトのタイムラインを管理(BP Logix)

図5: プロジェクトのワークフローとタイムラインを管理(BP Logix)(クリックで拡大)

BP Logixは、業務プロセスのワークフロー管理とタスクの進ちょく管理を兼ね備える。「あるタスクを始める前に完了させておくことは何か」(依存性)と、「タスクの遂行にかかる時間はどれくらいか」(時間)を管理する。ワークフローだけのBPMとは違って、時間の概念を持つ。

進ちょく管理のタイムラインをベースにしつつ、pBPM(Predictive BPM)と呼ぶ、依存関係の影響をもとに将来遅れる可能性があるタスクを事前に把握する機能などを提供する。また、レポート機能では、タスクの実行時間など各種の監視データをもとに、業務を可視化する。

同ソフトをITサービス事業のプロジェクト管理で使うケースでは、タイムラインがベースとなる。プロジェクト・メンバーは、ログイン時画面に表示されるToDoリストを利用することで、作業の漏れを無くすことができる。管理者は、タスクの進ちょく状況を把握しながら、メンバーに対してタスクを割り当てる運用ができる。

「いかに導入するか」が重要

プロジェクト管理ソフトでは、いかに導入するかという視点も重要になる。導入が始まれば運用するのが「当たり前」になるが、そもそも運用を始めるまでが大変だからだ。まずは簡単な部分から着手し、1年ほどかけて機能を広げていくやり方などが有効である。

MA-EYESの場合は、パッケージ・ソフトの基盤がソフトウエア開発コンポーネントであり、ベンダーによるカスタマイズ開発が前提となる。開発期間は通常6カ月未満、スモール・スタート時は2~3カ月で立ち上がる。GUIは、Eclipse RCP(Rich Client Platform)版に加えて、GWT(Google Web Toolkit)とExt GWTベースのAjax版を用意している。

BP Logixは、現場レベルで業務を改善するEUC(エンド・ユーザー・コンピューティング)を指向したソフトである。ITの専門家でなくても使えることを追求し、導入支援サービスなしで、マニュアルを読むだけで使えるようになるとしている。

例えば、BPMN(Business Process Modeling Notation)など、標準ではあるが難易度が高い記述手法を用いることなく、アイコン同士を線でつないでプロパティを設定するだけでワークフローを定義できる。また、Web型のアプリケーションでありながら、Microsoft Wordにプラグインを導入したデザイナを使って、データ入力画面も簡単に作成できる。

  • 修正履歴: 製品名の「BP Logix Process Director 2.0」は「BP Logix」の誤りです。お詫びして訂正します。本文と表、図のキャプションは修正済みです。(2011/03/02)

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