【プロジェクト管理ソフト】進ちょくと収支の管理が中心、用途に応じて選ぶ

2011年3月1日(火)
Think IT編集部

収支管理や原価計算、管理会計レポートの需要も高い

(2)進ちょく管理と並んで、プロジェクト管理に求められる機能の1つが、プロジェクトの収支や原価計算などを管理する機能である。また、経営の視点に立ってプロジェクトの状況を把握するためのレポート機能も重要になる。

例えば、SI Object Browser PMは、進ちょく管理に加え、原価計算にも重きを置いている。

プロジェクトの収支管理に強みを持つソフトが、MA-EYESである。そもそもMA-EYESは、管理会計とプロジェクト収支管理を中核に、周辺の機能を拡張して発展してきた会計ERPである。プロジェクト案件に人材リソースや資産を割り当てて、人件費・経費計算などを行う。

MA-EYESを使った典型的なプロジェクト管理のイメージは、こうだ。まず、見積書を作成する。プロジェクト名、担当部署・担当者、作業内容、納品物、見積額、見積内訳、納品予定日などを設定する。その後、承認ワークフローを経て、収支関連データを引き継ぎ、プロジェクトを作成する。

プロジェクト作成時には、受注日などプロジェクトに関する各種の日付や、売上予定金額、予算原価(人件費、経費)などを設定し、予算原価を組む。アサイン・予定工数(人月)、経費の予算原価(月ごと、費目ごと)、部門振替予定原価などを設定する。

プロジェクトの進行に合わせて、経費の計上、作業実績の入力、月次処理による会計伝票の計上などが行えるようになる。作業実績は、プロジェクト別、タスク別に、プロジェクト・メンバーが実績(何時間費やしたか)を入力していく。こうすることで、自動的に集計される。

図2: プロジェクトの収支を管理する(MA-EYES)

図2: プロジェクトの収支を管理する(MA-EYES)(クリックで拡大)

業務を「見える化」するレポート機能が重要に

MA-EYESは、管理会計ソフトとして、分析機能にも強みを持つ。プロジェクトの稼働状況の一覧や、アサインの一覧、収益性レポートなど、各種の切り口でプロジェクトを可視化・分析できる。プロジェクト一覧画面からは、売上、原価、利益率などが分かる。部門別の収支などもグラフ化できる。

図3: プロジェクトの収益性レポート(MA-EYES)

図3: プロジェクトの収益性レポート(MA-EYES)(クリックで拡大)

SI Object Browser PMもまた、業務視点に立った機能を多くそろえる。経営層や管理職にもプロジェクトを「見える化」する工夫がある。例えば、プロジェクト一覧画面では、進ちょくの遅延率、見込利益率、メンバーの負荷状況などがすぐに分かる。採算が悪化したことや、スケジュールが遅れていることなどが、簡単に分かる。

レポート機能の1つであるEVM(Earned Value Management)グラフによって、作業の遅れやコストの超過などを視覚的に把握しやすくしている。EVMグラフとは、PV(計画工数、計画上の成果)、AC(報告工数、コストの実績)、EV(進ちょく工数、成果の実績)などの指標をグラフ化したものである。

図4: EVMグラフ(SI Object Browser PM)

図4: EVMグラフ(SI Object Browser PM)(クリックで拡大)

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