東日本大震災支援緊急企画「OSSチャリティーセミナー」レポート

2011年5月14日(土)
Think IT編集部

2011年5月7日、東日本大震災支援緊急企画として、オープンソースカンファレンス事務局による「OSSチャリティーセミナー」がNTTデータ豊洲センタービルで開催された。その模様をレポートする。

連休中で雨天というコンディションにもかかわらず、会場には今回のテーマに関心を持つ多くの参加者が訪れ、セミナーが始まる午前10時には会場は満席に近い状況だった。

セミナー

オープニングセミナーでは、世界で地図作成の活動を行っているOpenStreetMapから、総副責任者の三浦広志氏が登壇。東日本大震災の際に行ったクライシスマッピングの作成と、Ushahidiを活用した復興支援プラットフォーム「sinsai.info」の誕生について解説が行われた。

現在継続中の活動と今後の展望については参加者の関心も高く、また同様に被災地支援を行っている参加者からは、頑張りすぎず息の長い活動にして欲しい、という応援のコメントも寄せられた。

他にも、IPv4アドレスの枯渇問題、商用環境で使えるZabbix 1.8の機能説明、オープンソースによるプライベートクラウド環境、分散処理基盤であるHadoopの全般的な解説、サーバー仮想化環境のためのストレージシステム入門など、現在注目される幅広い話題を中心に、各30分ずつ9つのセミナーが行われた。

セミナーは休憩を挟んで午後4時15分まで続いたが、どの参加者も疲れを見せることなく、真剣な表情で各セッションに臨んでいた。

ライトニングトーク

セミナーの終了後、今回のテーマに沿った内容でライトニングトークが行われた。タイトルとスピーカーは以下の通り。

『省エネIT勉強会のご紹介』
佐伯 健介氏(「省エネIT」勉強会)
関連リンク
『東日本大震災とFOSS4G(Free and open source software fore geospatial)』
嘉山 陽一氏(OSGeo財団日本支部)
関連リンク
『震災支援のボトルネックとしての行政組織とFaxOCRシステム』
奥村 貴史氏(WIDEプロジェクト)
関連リンク

チャリティオークション

ライトニングトークの後は、チャリティーオークションが開催された。チャリティーオークションはDebian JP Projectが本数限定生産だった傘「でびあんぶれら」とサーバーマシンを、Mozilla.japanは過去リリースの際に作成した各種Tシャツと非売品のマスコットキャラクター「フォクすけ」を出品。中でも一番人気の「フォクすけ」は1万6千円で落札された。

他にも会場ではグッズの販売や募金活動が行われた。当日集まった義援金は363,029円。今後、各地で開催されるオープンソースカンファレンスでも募金活動は継続して行われる。

震災後のITによるフォローアップは非常に重要で、まだまだ長期にわたって必要になってくるが、サポート活動を行っている側が息切れしないように、今後は決してがんばりすぎることなく、継続できる形を目指してほしい。そんな参加者のメッセージが心に残った。

【関連リンク】

オープンソースカンファレンス2011

(アクセス:2011.05)

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2004年の開設当初からOSS(オープンソースソフトウェア)に着目、近年は特にクラウドを取り巻く技術動向に注力し、ビジネスシーンでOSSを有効活用するための情報発信を続けています。クラウドネイティブ技術に特化したビジネスセミナー「CloudNative Days」や、Think ITと読者、著者の3者をつなぐコミュニティづくりのための勉強会「Think IT+α勉強会」、Web連載記事の書籍化など、Webサイトにとどまらない統合的なメディア展開に挑戦しています。

また、エンジニアの独立・起業、移住など多様化する「働き方」「学び方」「生き方」や「ITで社会課題を解決する」等をテーマに、世の中のさまざまな取り組みにも注目し、解説記事や取材記事も積極的に公開しています。

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