JBoss Data Gridを使ってみる:インストール編
インストールディレクトリ解説
JDGを起動する前に、インストールしたディレクトリ及び主要ファイルに関して簡単に解説しておきます。
JDGの主要ディレクトリは、起動時のJVMパラメータや起動用スクリプトファイルが格納されます $JDG_HOME/binディレクトリ、各種設定を集約した設定ファイルを格納する$JDG_HOME/standalone/configuration ディレクトリ等から構成されています。
詳細につきましては、表2をご確認ください。
表2 JDG主要ディレクトリ / ファイル
項目 | 概要 |
---|---|
bin | 起動スクリプト、起動設定ファイルを格納 |
standalone.conf(.bat) | シングル構成用キャッシュサーバ起動パラメータ |
standalone.sh/bat | シングル構成用キャッシュサーバ起動スクリプト |
clustered.conf(.bat) | クラスタ構成用キャッシュサーバ起動パラメータ |
clustered.sh / bat | クラスタ構成用キャッシュサーバ起動スクリプト |
jdg-cli.sh / bat | コマンドラインインターフェース起動スクリプト |
add-user.sh / bat | 管理ユーザー作成用スクリプト CLI/JConsoleでのリモートサーバ接続時に認証が必要 |
standalone | スクリプト起動時に利用する設定ファイル等を格納 |
data | 永続化データ(トランザクションログ等)を格納 |
log | ログファイル(boot.log、server.log) を格納 |
configuration | シングル/クラスタ構成の(起動時の JVM パラメータを除く)各種設定を集約した設定ファイルを格納 |
standalone.xml | シングル構成時のキャッシュサーバ設定ファイル |
clusterd.xml | クラスタ構成時のキャッシュサーバ設定ファイル |
modules | JDGモジュールベースのクラスタローディングアーキテクチャにより使用される各種モジュールを格納 |
表2の補足:
- 背景の濃い色の行がディレクトリ、薄い色の行がファイルを表しています。
- Windows環境で試される場合、binディレクトリ以下の起動スクリプト、及び、設定ファイルは拡張子が「bat」のものをご利用ください。
起動と停止
では、いよいよJDGを起動してみましょう。起動確認の実施が目的ですので、今回はスタンドアロン構成(Localモード)で起動します。
$ cd $JDG_HOME/bin $ ./standalone.sh
JDGを起動した後、コンソールで以下のようなログが出力されたら起動完了です。今回は約2.7秒で起動していることがわかります。
JBAS015874: JBoss Data Grid 6.1.0 (AS 7.1.3.Final-redhat-4) started in 2755ms - Started 104 of 143 services (39 services are passive or on-demand)
なお、JDGを停止する際は、上記の起動したターミナルにて[Ctrl + C]を押すことで停止させることができます。
動作確認
起動が完了したので、実際にJDGがキー・バリューストア(以降、KVS)として動作していることを確認してみます。動作確認は、上記で説明した、jdg-cliコマンドを利用します。なお、本機能は最新のJDG6.1から提供された機能であり、現時点ではTech Preview扱いとなっています。そのためWindows環境ではうまく動きませんのでご了承ください。
別のターミナルを開き、コマンドラインインターフェース(CLI)を起動し、キャッシュへのデータ書き込みができるかを確認します。
$ cd $JDG_HOME/bin $ ./jdg-cli.sh --connect=remoting://localhost:9999 [remoting://localhost:9999/local/default]> cache default [remoting://localhost:9999/local/default]> put test 12345 [remoting://localhost:9999/local/default]> get test 12345 [remoting://localhost:9999/local/default]> quit
上記CLIコマンドでの操作の詳細に関しては、下記「1.」~「5.」の操作内容を確認ください。
- CLI起動スクリプト格納ディレクトリ $JDG_HOME/binに移動します。
- jdg-cliコマンドを使い、Native管理I/Fがバインドされた
: に接続します(デフォルト値 …localhost …9999)。
※jdg-cli.shの起動パラメータは、jdg-cli.sh--help コマンドで確認できます。 - デフォルト構成で利用できるキャッシュdefaultに接続します。
- putコマンドで キー test に値12345 をセットします。
- getコマンドで キー test の値を取得します。KVSが正常に動作していれば、「4.」でセットした値 12345 が出力されます。
これでJDGをインストールして、簡単にKVSを構築できることが確認できたと思います。次回は、今回インストールしたJDGに対して、プログラムからデータを操作する方法を解説します。ご期待ください。