連載 :
クラウド時代の正しいシステム運用システム運用における、5つの大間違いとは(3)
2014年2月28日(金)
間違い3:ツールの導入や、障害対応のアウトソースで運用体制は万全
某大手家電量販店を運営しているC社は、開発ベンダーD社の勧めに従い、売上管理システムとそれを監視するシステムを2年かけて構築し、6か月前に利用を開始した。しかし、利用開始直後から毎日さまざまな障害が発生し、その都度D社の担当者が無償で障害復旧を行っていた。納入からしばらく経過すると、D社のサポートが受けられなくなるとのことであった。このためC社では急遽D社に対して、実際に行っていた障害復旧手順をまとめて納入するよう伝え、併せて納入される障害復旧手順に基づいて運用してくれる業者を探した。
業者はすぐに見つかり、すぐに契約したものの、当初思っていたような手順書通りの素早い対応をしてくれない。結局、構築した売上管理システムはお蔵入りとなり、いまだに古い売上管理システムを使い続けている。
このC社のように、
- 監視ツールを導入し、ツールが検知した障害のそれぞれに対応した手順書を用意する。
- 監視ツールが障害を検知したときに、手順書ベースの対応を行う業者へアウトソースすることで、システムの安定稼働を維持する。
という体制が多く見受けられる。この体制を採用することで、運用フェーズにおけるコストダウンと、それに伴う開発費用の回収は可能かもしれない。しかし、この体制では、運用フェーズそのものの目的である、システムの安定運用や維持管理は到底望めない。
このような体制には、4つの問題がある。それは、
- 手順書の管理ができない
- 手順書外の障害に対応できない
- 監視ツールの管理ができない
- システムの問題改善ができない
である。
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