スペイン発のオープンソース統合監視ツール「Pandra FMS」(1)

統合システム運用管理システムのベース機能を搭載した「Pandora FMS」
Pandora FMSは、スペイン発のオープンソースの統合監視ツールである。2003年から開発が開始され、現在もArtica社およびコミュニティメンバーによって、日々拡張が続けられている。GNU General Public License v2にて配布されており、誰もが自由に利用することが可能だ。この開発には日本人も加わっており、日本語対応され、ドキュメントも日本語版が用意されている(図1)。

Pandora FMSは、「統合監視ツール」という表現をしているが、機能は、単純な監視のみではない。「情報収集の機能」「障害一次対応を自動的に行うための機能」、また簡単な「案件管理システム」までを搭載し、統合運用管理システムとしての機能を十分担える。
また、オープンソースに機能追加する形で、商用のエンタープライズ版と商用サポートが、開発元やパートナー企業より提供されている。さらに、日本においては、「PandoraFMS」をベースにし、ASPとして統合運用管理システムが提供されている。
このように、PandoraFMSはオープンソースであるため、統合運用管理システムを独自に構築することが可能である。それに加えて、独自にすべてを構築するのは少々大変だという場合でも、PandoraFMSをベースにした商用サポートやサービスが揃っているので、これらを活用することもできる。このように、ベースがオープンソースであるため、商用のサポートやサービスもリーズナブルな価格設定(25エージェントで252,000円~)となっている。
PandoraFMSをベースに使って実現されているASPサービス「SoNar」(ソナー)では、障害一次対応のシステム化を一歩進めた、自動音声電話による技術者への電話連絡機能が搭載されている。また、情報収集の機能を強化し、リソースの推移から変化があるポイントをシステムが発見するといった、技術者が管理対象のシステム状況を分析するときの手助けとなるような機能が備わっている。
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