RHEL7やOpenStackなど最新技術が集結するRed Hat Summit 2014 現地レポート(後編)

2014年5月22日(木)
古賀 政純

前回に続き、サンフランシスコで開催されたRed Hat Summit 2014の現地レポートをお届けします。今回はHadoop関連技術の最新情報と、3つのハンズオン・ラボ演習(OpenStack、Red Hat Storage、RHEL7)について紹介していきます。

Hadoop関連技術

Red Hat社のCEOジム・ホワイトハースト氏の基調講演でも、Hadoopについて触れられていました。ビッグデータのコアプロジェクトとして位置付けられるHadoopが、Red Hat社のストレージ基盤ソフトウェアやOpenStackで稼働することが紹介されました。Red Hat社CTOのブライアン・スティーブンス氏の基調講演では、Red Hat StorageがHadoopのようなビッグデータにおける分析基盤にも利用できる点が紹介されました。

さらに、OpenStackへのHadoopの配備の簡素化を目指すSaharaプロジェクトを手掛けるRed Hat社でビッグデータを手掛けるスティーブ・ワット氏へのインタビュー動画も紹介されました。Saharaについては、Red Hat社の展示ブースにてデモが行われていました。ブレークアウト・セッションでは、GlusterFS上でのHadoopのインストールや設定を行うApache Ambariの紹介も行われました。さらに、ビッグデータ分析基盤のHadoopの利用を視野に入れたRed Hat Storageのロードマップも紹介されました。

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(左)Hadoopが稼働するRed Hatストレージ基盤やOpenStackについて語るRed Hat社CEOジム・ホワイトハースト氏の基調講演の様子/(右)OpenStack環境でHadoopの配備を行うSaharaのデモ。OpenStackのダッシュボードでHadoopのジョブの状態を管理するデモが行われていた

Apache Ambariの内容を含んだプレゼン資料は、Red Hat Summit 2014のWebサイトの以下のURLから入手可能です。
参考:CUSTOMER APPLICATIONS OF HADOOP ON RED HAT STORAGE(PDF)

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(左)Red Hat StorageにおけるHadoopプラグインの対応予定。Hortonworks版Hadoop(通称HDP) 2.1やリアルタイム処理を行うStormへの対応を見据えたロードマップが示された/(右)Hadoop分析基盤におけるRed Hat Storage利用のメリット

ハンズオン・ラボ演習(OpenStack関連)

以下では、Red Hat Summitの最大の目玉ともいえる「実機を使ったハンズオン・ラボ演習」のポイントを述べます。

OpenStack関連では、基本的な設定・管理手法として以下の内容について参加者が実機で取り組みました。

  • 認証サービスの設定
  • ゲストOSイメージ環境の作成
  • マルチテナントの設定
  • サーバーノードの設定
  • CLI/GUIでの管理
  • ブロック・ストレージの設定
  • 浮動IPアドレスの設定

特に、OpenStack Keystoneによる認証機構の設定においては、さらに別のハンズオン・ラボ演習が設けられており、認証に必要なMySQLデータベースの初期化方法、公開鍵基盤の設定、ログの確認方法、管理者アカウントの作成方法などが説明されましたOpenStackでは認証機構の理解が必須であるため、複数のハンズオンを受講することで、より理解を深めることができるようになっていました。

OpenStack Cinderによるブロック・ストレージ環境構築のハンズオン・ラボ演習では、以下の内容について演習に取り組みました。

  • Cinderの基本設定
  • Cinderサービスの起動方法
  • Red Hat Storageとの連携
  • Red Hat Storage上にボリューム作成
  • ボリュームの確認

OpenStack Swiftによるオブジェクト・ストレージ環境構築のハンズオン・ラボ演習では、主に以下の内容について演習に取り組みました。

  • Red Hat Storageの設定
  • イメージファイルを作成
  • ボリュームの作成
  • Red Hat Storage上にSwiftを設定

ブロック・ストレージCinderの時と同様にRed hat Storageとの連携を意識した実習になっていました。このように、IaaS基盤については、RHELOSPのインストールや基本機能を知るというだけでなく、Red Hat Storageとの連携という「クラウドにおけるソフトウェア定義インフラの在り方」を体感できる非常に貴重なハンズオン・ラボ演習となっていました。

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(左)OpenStackのハンズオン・ラボ演習の様子/(右)OpenStackのハンズオン・ラボ・テキスト
日本ヒューレット・パッカード株式会社 プリセールス統括本部 ソリューションセンター OSS・Linux担当 シニアITスペシャリスト

兵庫県伊丹市出身。1996年頃からオープンソースに携わる。2000年よりUNIXサーバーのSE及びスーパーコンピューターの並列計算プログラミング講師を担当。科学技術計算サーバーのSI経験も持つ。2005年、大手製造業向けLinuxサーバー提案で日本HP社長賞受賞。2006年、米国HPからLinux技術の伝道師に与えられる「OpenSource and Linux Ambassador Hall of Fame」を2年連続受賞。日本HPプリセールスMVPを4度受賞。現在は、Linux、FreeBSD、Hadoop等のOSSを駆使したスケールアウト型サーバー基盤のプリセールスSE、技術検証、技術文書執筆を担当。日本HPのオープンソース・Linuxテクノロジーエバンジェリストとして講演活動も行っている。Red Hat Certified Engineer、Red Hat Certified Virtualization Administrator、Novell Certified Linux Professional、EXIN Cloud Computing Foundation Certificate、HP Accredited Systems Engineer Cloud Architect、Red Hat Certified System Administrator in Red Hat OpenStack、Cloudera Certified Administrator for Apache Hadoop認定技術者。HP公式ブログ執筆者。趣味はレーシングカートとビリヤード

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