OSSで構築するNFSクラスタサーバー
スイッチオーバーさせてみる
状態を確認(sudo crm_mon -rfA1)後、sudo /etc/ha.d/switchを実行します。スイッチオーバー(手動フェイルオーバー)させることができます。NFSクライアントからマウントし、読み書きを実行しているところでスイッチオーバーさせてみると、何ごともなかったかのように処理が継続される様子を観察することができます。
/etc/ha.d/、/rescue/ディレクトリには、他にも便利なスクリプトを用意してあるので、内容を確認の上、利用してみてください。コマンド1つでシステムバックアップを取得できたりします。
冗長化NFSサーバーの詳細情報
ネットワーク周りがどうなっているか説明します。
SoftLayerのサーバーは、Public VLANとPrivate VLANに接続された状態でデプロイされます。
Public VLAN側には、グローバルIPアドレスが付与されています。直接インターネットと接続されている状態です。本稿では、このグローバルIPアドレスをプライベートIPアドレスに置き換えています。SoftLayerが10.0.0.0/8を使用しているので、これ以外のプライベートIPアドレスを自由に利用できます。ただし、ルーティングはされません。DRBDによるディスクデータのリアルタイム同期と、ハートビート(死活監視)に利用しています。
Private VLAN側には、プライベートIPアドレスが付与されています。このプライベートIPアドレスは、SoftLayer側の都合で付与されるので、どのIPアドレスが付与されるかはデプロイしてみないとわかりません。VIPも使えません。使ってしまうと、あとからデプロイしたサーバーとバッティングすることになります。
無料のPortable Private IP Addressesを発注し、割り当てられたサブネットから3つのIPアドレスを選択して、それぞれのサーバーとVIPに利用しています。このプライベートIPアドレスを利用する通信についてはルーティングがなされます。NFSクライアントは、このVIPと通信を行うように設定してください。このセグメントを、2つ目のハートビートにも利用しています。
Private VLAN側には、DNS、NTP、Ping監視といった無料で利用できるサービスや、iSCSI等のストレージサービスも用意されており、インターネット側にある操作端末から無料のSSL VPN接続経由で通信できるほか、閉域利用を想定した種々のサービスも整っていて、SoftLayerの特長となっています。セキュリティ面でSoftLayerほど安心して使える大手のクラウドは他に見当たりません。
ディスク周りについても説明します。1台目のディスクはOS領域として利用します。注文画面には出てきませんが、仮想サーバーでは、2台目のディスクがswap用に用意されています。
OSから見た3台目のディスクが、2nd Diskにあたります。2nd Disk以降をLVMで束ねて、DRBDによる共有ディスク領域としています。5th Diskまで利用可能なので、最大2TB×4台の領域を利用可能です。その気になればiSCSIも利用可能なので、8TBが上限というわけでもありません。
LVMで用意した全領域をDRBDに割り当てるのではなく、スナップショット用の領域を残しておきます。スナップショットを適宜利用すれば、データの安全性が向上します。DRBDの同期は、Primary側で書き込まれた順番どおりにSecondary側に書き込むことで、データの一貫性が保たれています。ただし、障害復旧時には、Primary側とSecondary側の差分を、書き込まれた順序は無視して同期することになり、復旧作業中についてはSecondary側のデータ一貫性が保証されない状態になってしまうので、一貫性のあるデータがPrimary側にしか存在しない時間帯ができてしまいます。スナップショットを取得してから障害復旧させれば、スナップショットが、一貫性のあるバックアップとしての役割を果たしてくれます。
障害復旧とひとくくりにして述べましたが、スタンバイ側を再起動する処理や、領域拡張等も障害復旧に当たります。障害復旧中にアクティブ機が障害を起こすと、スナップショットを取得していない場合、どこにも一貫性のある状態が保存されていないことになります。レアケースと考えられるかもしれませんが、障害は起きてほしくないときに限って発生してしまうものです。
物理サーバーにおける実装例や、プロビジョニングスクリプトの解説、補助スクリプトの解説、その他詳細情報、最新情報は以下をご参照いただければ幸いです。
<編集部より>2号機へのログイン方法について説明を補足しました(2015/2/9)
Japan SoftLayer Summit 2015 | |
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東京データセンター開設!「IBM SoftLayer」日本初の技術カンファレンス「Japan SoftLayer Summit 2015」は、Japan SoftLayer Summit 2015実行委員が主催する、「IBM SoftLayer」最大級の技術カンファレンスです。 SoftLayerに関わるコミュニティ、あるいは、企業や団体、それらに所属する個人が一堂に会し、情報発信や交流を行うことで、日本におけるSoftLayerのプレゼンスの向上、ならびに更なるエコシステムの活性化を目的とします。 また、SoftLayerに興味をもつ新しいユーザーに対しても、情報発信を行い、SoftLayerについて学ぶ事ができる場を提供します。 |
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