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回帰試験、英語では何ていう?

2008年7月12日(土)
石川 俊行

PostgreSQLのふるさとはUCB

 英語を読みながらPostgreSQLの機能や仕組み、表現方法を知る本連載、今回はPostgreSQLの源流を探りながら、キーとなる技術について解説します。今回取り上げる原文は「History」(http://www.postgresql.org/about/history)です。前回に続きデータベースの基本項目を押さえていきましょう。

 Given its powerful and advanced features, you may wonder how such a valuable piece of software came to be both free and open source. As with many other key open source projects, the answer starts at the University of California at Berkeley (UCB).

 まずは訳してみましょう。

 「強力かつ先進的な機能により、このような貴重なソフトウェアがフリーでオープンソースとなったかを不思議に思うかもしれません。ほかの多くの重要なオープンソースプロジェクトのように、その答えはカリフォルニア大学バークレー校(UCB)から始まります」

 "Given ..."は「...のような理由」を表します。"a (valuable) piece of software"は「(貴重な)1本のソフトウェア」で、ソフトウェアは"a piece of"と表現することがわかります。

 UCBは、PostgreSQLの以外でも、BSD UNIX、メールサーバーのSendmail、DNSサーバーのBIND(Berkeley Internet Name Domain package)などをはじめとして数多くのインターネット関連、およびフリーソフトウェアの開発に深く関わってきている大学です。

地図検索に強いPostgreSQL

 PostgreSQL, originally called Postgres, was created at UCB by a computer science professor named Michael Stonebraker, who went on to become the CTO of Informix Corporation. Stonebraker started Postgres in 1986 as a followup project to its predecessor, Ingres, now owned by Computer Associates.

 こちらもまずは訳を確認してみましょう。

 「もとはPostgresと呼ばれていたPostgreSQLはUCBでコンピュータサイエンスのマイケル・ストーンブレーカ教授により世に出されました。教授はその後InformixのCTOになっています。ストーンブレーカは先行プロジェクトであったIngresを引き継ぐ形で1986年にPostgresプロジェクトを開始しました。Ingresは現在Computer Associatesが所有しています」

 "create"は「創造する、開発する」を砕いて「世に出す」としました。"computer science"は現在でいう「情報工学(IT)」ですが、当時はどうであったか(計算機科学と言っても今ではピンとこないでしょう)。従ってそのままのカタカナ表記にしています。

 The name Postgres thus plays off of its successor (as in "after Ingres"). Ingres, developed from 1977 to 1985, had been an exercise in creating a database system according to classic RDBMS theory.

 「このような経過からPostgresという名前はIngresの後継であることを表明したものです。1977から1985にわたって開発されたIngresは古典的RDBMS理論に基づいたデータベースシステムを開発する研究でした」

 "thus"「このような経過から」、そして"exercise"は「研究」です。"Post-"は「以降の」「後継の」を意味します。例えば、"post-Gulf"というと「湾岸戦争後」となります。"Ingres"は、"INteractive Graphics REtrieval System"の略で、直訳すると「対話型画像情報検索システム」となるように、地理情報を管理するデータベースを研究することでした。それは完全に研究用テストベッドでしたが、このような歴史的理由で現在でも地図検索におけるデータベースシステムでは一歩先んじています。興味のある読者は「PostGIS」もしくは「GIS」で検索してください。

 Postgres, developed between 1986-1994, was a project meant to break new ground in database concepts such as exploration of "object relational" technologies.

 「1986から1994まで開発が続いたPostgresは、『オブジェクトによる関係』というテクノロジーを探求するデータベース概念で、新規領域に風穴をあける重要なプロジェクトでした」

 "mean(文中では過去分詞のmeant)"は通常「~を意味する」ですが、この場合「重要性を持つ」という意味で使っています。"She means well towords me."「彼女は私に好意を抱いている」のように使います。

NPO法人日本PostgresSQLユーザ会
昭和21年、東京都生まれ。小樽商科大学数理経済学専攻。PostgreSQLオフィシャルマニュアル和訳プロジェクトに深くかかわる。日本PostgreSQLユーザ会・組織運営担当理事。「ものつくり大学」データベース講座・非常勤講師。http://www.postgresql.jp/

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