仮想化環境での運用監視とは?
サーバーの障害を一目で把握するIBM Systems Director
IBM Systems Directorは、IBM BladeCenterやSystem xなどx86サーバーに標準で添付される、主にサーバーを管理するシステム管理ソフトウエアです。Webインターフェースにアクセスすると、障害が発生しているシステムに、図2にあるようなマークが表示されるため、一目で障害が発生しているシステムを確認できます。
サーバーを1台用意してIBM Systems Director Serverを構築し、管理対象システムとしてAMMを登録すると、AMMが検知した障害がIBM Systems Director Serverに通知されます。
AMM、IBM Systems Directorのいずれの利用でもハードウエア障害を監視することは可能ですが、IBM BladeCenter(シャーシ)が複数台ある場合や、複数のSystem x、ストレージ装置がある環境では、IBM Systems Directorを活用することをお勧めします。
ハイパーバイザーとゲストOS/アプリケーションの監視方法
■ハイパーバイザー
各仮想化ソフトウエアには専用の管理ソフトウエアが提供されており、ハイパーバイザー監視は専用の管理ソフトウエアで行います。例えば、VMwareにはVMware vCenter Serverという統合管理ソフトウエアが提供されており、ハイパーバイザーに対して、下記の監視機能が提供されています。
・VMware ESX/ESXiの稼働状況監視
・リソースの使用状況監視、および、パフォーマンスレポート作成
・クラスタグループの状況監視(VMotion、VMware DRS、VMware HA、VMware FTの動作状況)
・ハードウエア状況監視
しかし、すべての仮想化専用の管理ソフトウエアがハードウエアの障害監視を実現できているわけではありません。前ページで記載したように、ハードウエアを監視できる専用ソフトウエア、もしくは専用ハードウエアも含めて活用する必要があります。
仮想化専用の管理ソフトウエアとハードウエア専用の管理ソフトウエアの連携については、次のページで仮想化環境の効率的監視方法として解説します。
■ゲストOS/アプリケーション
ゲストOS/アプリケーション監視については、仮想化環境であっても、物理環境と同様の仕組み(物理環境で利用している監視ソフトウエアの導入)を利用することが可能です。ただし、既存の監視ソフトウエアが仮想化環境上のゲストOS上でサポートされるかどうかの確認が重要です。
また、VMware vCenter Serverを利用し、ゲストOSの下記項目を監視することが可能です。
・ゲストOSの稼働状況
・リソースの使用状況監視、および、パフォーマンスレポート作成
リソースの使用状況監視のために監視ソフトウエアを導入した場合には、VMware vCenter Serverでも同等の機能が提供されるため、ソフトウエアの導入が不要になる場合もあります。