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IoT時代のメッシュ通信プロトコル「Thread」、初の公認モジュール発売間近?

2016年11月15日(火)
ReadWrite Japan

Google傘下のNest Labsが取り組みを推進しているホームオートメーション向けプロトコル『Thread』。このThreadは、家庭で使われるコネクテッドデバイスのために作られたメッシュネットワークプロトコルである。

これは、オープンで非常に復旧が早くスケーラブルであるという点により、あらゆる方面から人々の期待を集めている。この記事を読んで一番得することといえば、いま手に入る数少ない「Thread RFモジュール」をどうやって手に入れるか知ることができる点だろう。

これまでのメッシュプロトコルは、えらく大層なことを言うわりに出来上がりのつまらないものばかりだった。メッシュプロトコルをまともに稼働させるハードルが非常に高いことを考慮すると、ある意味“仕方ない”のかもしれない。簡単にいうと、Threadは、そういった過去の積み重ねの上に作られたものだ。だが、最初はThreadをよく知らない方々のためにその概要を話そうと思う。

まず、Threadはメッシュネットワークプロトコルである。ネットワーク内のノードがそれぞれルータやリーダー、エンドデバイスとして機能する。そして、それらが境界ルータと通信することでインターネットとやり取りする。ノードは、それぞれがネットワークの要求に応じて、独自にルータとしてふるまうかエンドデバイスとしてふるまうかを決定しなければならない。ちなみに、ここは後でじっくり読み返すところだ。完全に理解するのは楽ではないが、その時間をかけるだけの価値はある。

さて、そろそろエンジニアたちのための(説明が面倒な)技術の話に入るとする。

Threadは、その設計からして自己監視/自己回復型のネットワークである。単一障害点が存在しない。ThreadはIEEE 802.15.4に準拠し、 2.4ghz帯で稼働する。IPv6に完全対応していることから、すべてのノードは6LoWPANヘッダを使った完全なIPアドレスを有する。つまり、NATは必要ないということだ。

Threadは低消費電力技術を活用し、「sleepy nodes(スリーピーノード)」と呼ばれるものを実現している。これは、活発に使われてないノードがスリープ状態に入るものであり、ノードが起動状態にあるかネットワークに参加し直す必要がない場合、ネットワークの親デバイスは配下にあるノードをそう認識する。また、外側めがけての通信が発生しない場合、ネットワークはローカルで稼働しつづける。セキュリティは、NIST楕円を使ったディフィー・ヘルマン鍵交換の親戚のようなアルゴリズムが使われており、電力効率に優れている。

商品のマネージャや所有者にとって、Threadは重要になるだろう。というのも、Threadに完全対応しているかいないかという点はきたるIoT時代において、商品が一級品か二級品かを決める要素になるからだ。

Threadを推奨する団体はプロトコルをよりすばらしいものにするだけでなく、分裂してしまわないようにも働きかけている。ワーキンググループには、さまざまな著名ベンダーが名を連ねており、かつてβマックスに起きたことが再び起こるのではという懸念について、Threadの見通しは明るいと言えるだろう。Threadとそれを支持する強力な企業たちは、自身の製品がThreadを採用しないことで「IoT」という大きな空間から爪弾きにされないよう望んでいる。

まずはスマートホーム製品から

最初はスマートホームのコンシューマ製品から利用されるようになるだろう。だが、パイオニアたちはThreadをそういった場所だけでなく、古臭く規格が分裂している「ZigBeeプロトコル」や単一ベンダーがすべてを握っている「Z-Wave」などに取って代わるものにしようと試みている。

さて、これらはあなたにとってどのような意味をもつと言えるだろう?

ポートランドで低消費電力を専門に扱うRigadoは、半導体の大手NXPと手を組み、R41ZというThread準拠を初めて認められたモジュールを作成し、市場に出そうとしている。

付け加えていうと、このモジュールは低消費電力Bluetoothにも対応しており、コネクティビティは万全だ。

さらにRigadoは、製造に関わるリードライト読者のために現在いくつかの検証モジュールを作成中だ。検証用基盤のほか多くのサポートもついてくるが、モジュールによっては、その体験がどう改善されたかについてのフィードバックを寄せることが条件となる。β版プログラムを試してみたい人は、こちらをクリックしてフォームから申し込みをしてほしい。

提供:Rigado

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[原文4]

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