モチベーション別サイトの実装

2008年8月28日(木)
茅野 智路

モチベーション別サイト構築の実装にあたって

 どんなコンテンツで、Webページにどのように掲載するのか簡単に説明してきましたが、モチベーション別サイト構築(MTO)として有効に機能させるためにはどのような機能・仕組みであるべきかを紹介します。

 一番の理想は、ユーザの動きを監視、もしくはユーザのアクションに応じたコンテンツがリアルタイムに更新表示して最適化されるのが良いでしょう。このようなレコメンドエンジンはすでに世の中に多数あります。ただここまで対応することと莫大な費用と半年以上の実装期間が必要になります。

 代表的な例として、「ユーザのアクセス状況をパケットキャプチャリングしDBにユーザの属性や行動、趣味趣向レベルを点数化し細分化するツール」「アンケートやメール配信を使ってユーザをとことん細分化し見込み客を見分けるツール」「商品に関連した情報を出すレコメンドエンジン」があります。

 これらのツールを導入できればいいのですが、ここまで費用と期間をかけられない場合が多いです。そのため、Webサイトの基本構造から今まで説明したポイントを押さえることで、最小限の投資で最大限の効果を出せるように設計することができます。図3にポイントをまとめました。

PDCAサイクルでWebサイトを運用し続ける

 Webサイトは大規模なリニューアルより、ニーズに合わせ日々更新するトライ&エラーがもっとも有効です。そのため今回お伝えした訪問するユーザ像を3ヶ月単位で見直して、ユーザにマッチした導線、コンテンツを提供し続けることで効果が現れるはずです。

 効果測定は、ツールによって様々な設定がありますが、「モチベーション毎に入り口ページからゴールページまでのシナリオ導線で離脱したパーセントと離脱ポイント」「中期、長期ターゲットのユーザのリピート率とメール等の反応率」「中期、長期ターゲットの求めるコンテンツ」を定点観測して効果測定することで、これらを計測できるツールで随意チェックすることをお勧めします。

 いかがだったでしょうか。3回にわたり、モチベーション別サイト構築(MTO)について紹介させていただきました。

 私見になりますが、Webは様々な人が作成し、あらゆるデバイス上に形を変え、進化していくものです。そのため人々の感情は大いに変化しまるで生き物のように増大し、複雑怪奇に益々なっていきます。反面これほどまで未来を予測しづらい市場は非常に楽しいものです。

 このWWWという環境は「産業革命」と同等に「情報革命」といつの日か言われることと思っています。この渦中に自身の身を投じることが世の中に少しでも役立っていると信じたいものです。

株式会社クリエイティブホープ
取締役。前職にて事業企画や新規事業開発部署を経験し新規アプリケーション事業の立ち上げ、新規広告事業の立ち上げ等に従事し。現在、株式会社クエイティブホープ取締役として活動中。写真はボランティア休暇のゴミ拾いです。http://www.creativehope.co.jp/

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