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印象に残る“人の褒め方”

2017年3月28日(火)
大倉 利晴(おおくら・としはる)三好 康之(みよし・やすゆき)

はじめに

あなたは、自分のことを“褒め上手だな”と思いますか?

え? あまり他人のことを褒めてない? 恥ずかしいから? いやいや、それはダメですよ! 誰だって褒められると嬉しいし、幸せな気分になれますから、きちんと評価してしっかりと褒めるように心掛けないとね。特に部下や後輩、自分の子供たちには、時に厳しく言うことも必要かもしれませんが、ぜひ褒め上手を目指しましょう。“よいしょ”は人間関係の潤滑油です。ちょっとこそばゆいかもしれませんが、人を笑顔にすることは間違いありませんからね。

「笑っていいとも!」での出来事

そんな“褒め言葉”に敏感な私にも、忘れられない想い出があります。それは、皆さんもお馴染みのテレビ番組「笑っていいとも!」での出来事です。

この番組の構成を担当していた私は、夏休み特別企画のコーナーとして「年齢当てコンテスト」という企画を考えました。今でもたまに他の番組で目にすることもありますが、実はあの企画、私が考えたんです(笑)!

この企画がどうやって誕生したかと言うと、あれは笑っていいとも!の生放送終了後、新宿東口の歩道を歩いていた時でした。前から歩いてくる人を見て、ふと思ったんです。

「あの人40歳くらいに見えるけど、本当は60歳を過ぎていたらびっくりだなあ」と。そして、すぐに思いました。「そうだ、これだ!」と。

そんなこんなで企画は進み、いよいよ放送当日を迎えました。スタジオアルタには大勢の出場候補者が集まり、午前中にオーディションをして数人の出場者を決定しました。お昼からの生放送では、次々と登場する人の見かけと実年齢の余りの違いに、出演者も観客も「えーっ! えーっ!」と驚きの連発。お陰様で大盛り上がりとなりました。

番組の後、スタッフの皆さんからも「大倉ちゃん、面白かったよ」「大倉さん、大爆笑でしたね」など、たくさん嬉しいお言葉をいただきました。でも、プロデューサーのYさんだけは違いました。

Yさんは私よりもずっと年上の名プロデューサーです。私が放送作家になりたての頃から数々のバラエティー番組で大変お世話になった人で、笑っていいとも!でもトップの方でした。だから当然、褒められると思っていたのですが、褒められることもなければ、感想すら言ってくれませんでした。

でも、その代り「大倉さん、年齢当てコンテスト、来週からレギュラーコーナーですね」と、にっこり微笑みながらおっしゃったのです。

こうして夏休み特別企画の「年齢当てコンテスト」は翌週からレギュラーの人気コーナーになりました。

いや~、これは本当に嬉しかった! この企画が評価されたのも、レギュラーになったのもそうですが、何よりも尊敬するYプロデューサーからいただいたこの言葉が嬉しかったですね。その時の光景は今でも忘れられません。

番組制作に限らず、どんな仕事でも何か成功した時や頑張った時に誉めてもらえると嬉しいと思いますが、ストレートに誉めるのではなく、このようにさりげなく、ひとひねりした声かけはリーダーに求められる大切なコンピテンシー、能力のひとつだと思います。

ちなみに、Yプロデューサーは私のことを「大倉さん」と呼んでいました。私よりもずっと年上で、しかも番組のトップの方が「さん付け」で呼んでくれていたのです。やはり、人の上に立つ方は褒め方も人の呼び方も“粋”なんですよね。Yプロデューサーからは多くのことを学びました。そして、私はその教えを実践してきました。仕事で初めてお会いした方は、年上年下男女を問わず「○○さん」とお呼びし、コミュニケーションの第一歩にしています。

でも、勘違いしないでください。私は「大倉さん」と呼ばれたいわけではありませんからね。たまに「大倉先生」なんて呼ばれることもありますが、先生でもありませんから。私は、年上の人から「大倉ちゃん」と呼ばれるのが一番好きなんです。気が付けば、ずーっとお付き合いしているプロデューサーや芸能人の皆さんからは、いつでも「大倉ちゃん」と呼ばれています。皆さんも、私よりも年上だったら、ぜひとも親しみを込めて「大倉ちゃん」と呼んでください(笑)。

【解説】ビジネススキルとしての“雑談力”(三好)

いい話でしたね。さすが大倉さんです。今回は、褒め上手になる必要性についても、ひとひねりした褒め方の効果も、特に解説はいらないですよね。

強いてあげるなら1点だけ。プロジェクトマネージャや上司の立場として考えたら、Yプロデューサーのように部下から「この人に褒められたい!」と思われるぐらい尊敬される立派な人物になる必要がありますよね。そういう人から丁寧に「さん付け」で呼ばれるからモチベーションも上がるのです。

そして、その上である程度部下の処遇を決められる“発言力”を持つことも必要になります。何の権限もないのに、「良かったよ。来週からレギュラーになるかもね!」なんて言ったところで、「お前が言うな!」と思われるだけですから。

著者
大倉 利晴(おおくら・としはる)
フリーの放送作家。過去に萩本欽一氏に師事していた経歴を持つ大御所。テレビ・ラジオの企画構成をはじめ、ラジオのパーソナリティ、テレビ出演、講演、作詞などを行っている。主な構成番組は「欽ちゃんのどこまでやるの」「オレたちひょうきん族」「笑っていいとも」「クイズ100人に聞きました」他多数。他に「M-1グランプリ」の予備審査員なども務める。
著者
三好 康之(みよし・やすゆき)
株式会社エムズネット代表

IT 関連企業又は、企業の情報処理部門専門コンサルタント。加えて、大手SE 向けの資格取得講座や階層教育を担当。高度情報処理技術者試験対策講座では驚異の合格率を誇る。情報処理全区分制覇他資格多数。『情報処理教科書プロジェクトマネージャ』(翔泳社)など著書も多数。全国の優秀なITエンジニアを参画するプロフェッショナル集団、ITのプロ46代表も務める。
e-mail:miyoshi@msnet.jp
URL:www.msnet.jp

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