ユーザーの生産性を高めるWindows Phone
ネットワーク・セキュリティとモバイル・アプリ開発
ネットワーク・セキュリティも充実している。SSLなどの規格への対応は当然ながら、 VPNサーバーもIPSec/L2TPやPPTPをサポートし企業内ネットワークへの接続が可能となっており、 前述のSystem Center Mobile Device Managerを利用すると、モバイルVPNでセキュアに企業内ネットワークへアクセスすることもできる。
⇒ System Center Mobile Device Managerの詳細に関しては こちらを参照
年間の携帯電話紛失数は都内だけでも数万台にも及ぶといわれ、企業側にとっても、 モバイル端末の中の機密データ、個人情報の取り扱いには慎重さが求められている。 Windows Phoneであれば、標準で前述のようなセキュリティ機能を装備しており、 これにサードパーティの製品を組み合わせることで、さらにきめ細やかなニーズに対応することも可能だ。
加えて指摘したいのは、Windows Phoneのアプリケーション開発環境だ。 マイクロソフトは以前からPC向けにVisual Studioを統合開発環境として提供し、 VB/VC#/VC++といった開発言語を推奨しているが、同じツールと言語を使って、 Windows phone向けのアプリケーション開発を行うことができる。
開発者は既存の知識を有効活用してモバイル向けのアプリケーション開発ができるため、 企業内に開発者を抱え開発している企業などは、既存の人材を活用してモバイル開発を行うことが可能となる。 これはスキルの習得という点で有利なだけでなく、アプリケーションの既存の資産を有効に活用する意味でも重要となる。 マイクロソフトは.NET Frameworkという開発プラットフォームを提供し、マルチデバイス間での開発を簡易化している。
モバイル・ネットワークという特性や画面サイズまたCPUの処理能力などを考慮していく必要があるものの、 Windows Phone向けにはPC向けのFrameworkのサブセットとして.NET Compact Frameworkを提供しており、 この環境下ではコーディングのロジックも大きな変更なく(場合によってはそのまま)Windows phone向けのアプリに移植することが可能だ。
⇒ .NETについてはこちらを参照
「仕事とアソビをつなぐケータイ」
すでに企業内にてPC向けに独自業務アプリケーションを展開している企業にとっては、 業務上の連携に加え、コスト面でのメリットも見逃せないポイントだ。
詳細な企業導入事例は第3回で記述するが、アプリケーションのインストールや セキュリティポリシーを一括して管理できるサーバー製品も提供しており、企業利用もスムーズにできる環境が整っている。
企業内利用には生産性の向上や万全のセキュリティを提供し、アプリを追加すればゲームやコンテンツといったコンシューマ利用まで、 多くのユーザーに対応できる「仕事とアソビをつなぐケータイ」、それがWindows Phoneの目指すスマートフォンだ。
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