andLinuxとは?
andLinuxの特徴
andLinuxとは、コアとしてcoLinux、XサーバとしてXming(http://www.straightrunning.com/XmingNotes/)、サウンドサーバとしてPulseAudio(http://www.pulseaudio.org/)をベースとした、Windows上で動作する完全なUbuntu Linux(http://www.ubuntu.com/)システムです(ただし、入出力など一部機能はWindowsに依存しています)。したがって、Ubuntu Linuxで動作するアプリケーションは基本的にそのままandLinux上でも動作するはずです。なお、記事執筆時点(2008年8月現在)のandLinuxの最新安定版はβ1です。
andLinuxはもともと、Dynamismという会社が販売していたGP2XというハンドヘルドPC用に開発されていましたが、今や普通のWindows PC上で利用する人の方がずっと多くなりました。
andLinuxの特徴としては、何といってもWindowsと一体化したUbuntu Linux環境を得ることができることです。Linuxの各Xアプリケーションが、X(XFCE(http://www.xfce.org/)やKDE(http://www.kde.org/))のデスクトップではなく、いわゆるルートレスモードでWindowsのデスクトップ上で直接動作します。LinuxとWindowsアプリケーション間でカット&ペーストも可能です。
動作環境は、以下の通りです。
・OS:Windows 2000/XP/2003/Vista(現在は32bit版のみ)
・メモリ:最小128MB(192MB以上推奨)
・ディスク:2.5GB(XFCE版)/4.5GB(KDE版)
メモリはWindows自体が動作する分も当然ながら別途必要です。特にVistaの場合は1GB以上あった方が無難だと思います。また、インストールされるディスクイメージが2GB以上のため、ファイルシステムはNTFSである必要がありますが、上記のOSをわざわざFAT(32)で利用している人はほとんどいないと思いますので、この点はあまり心配いらないでしょう。
ほかには、apt-getなどでアプリケーションを追加インストールするのに十分なネットワーク環境や、言うまでもないことですが、少々のLinux/UNIXに関する知識があれば、より有効活用しやすいでしょう。
coLinuxとの違い
では、andLinuxはベースとなっているcoLinuxと何が違うのでしょうか。
簡単に言うと、coLinuxはWindows上で動作するようにパッチを当てたLinux kernelのことです。しかし、kernelだけではもちろん何もできませんから、通常は何らかのLinuxディストリビューションとセットで利用します。
基本的にはどんなLinuxディストリビューションでも動くはずですが、coLinuxを実際に動かすためには、あらかじめcoLinux版として用意されているディストリビューションを利用するか、あるいはそのディストリビューションのcoLinux版を自力で作成しなければなりません。自力で作成するためには、コンソールでのコマンド操作やcoLinuxのXML設定ファイルの編集など、それなりのスキルが必要となります。
andLinuxは、前述したように、UbuntuのcoLinux版と言っても良いかもしれません。うまくパッケージングされているので、Windowsで一般的なインストーラを起動するだけでXも含めた完全なUbuntu環境が簡単にインストールできます。
次ページでは、Windows上でLinux環境を構築する各種方法とandLinuxとの違いについて説明します。