従業員を愛せば生産性は上がる(2)
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才能を伸ばそう
ミレニアル世代は職をコロコロ変えることで良く知られている。60%は転職のチャンスに積極的で、21%はこの一年で転職したという。前の世代と比較すると3倍の数字だ。2025年までには彼らが米国の労働力の75%を担うという統計からいって、組織は彼らを留める動きを早急にとるか、さもなければ会社の危機がやってくるかもしれない。
ミレニアル世代とジェネレーションZは100歳くらいまで生きるだろうと予想されている。60-70歳になっても働いているだろうということだ。Schwartz氏によれば、平均的な労働者が特定の仕事についている年数は4年間までで、習得したスキルが時代遅れになるまでの期間は5年間程だという。誰もが常に一つの仕事につき、何かを学び続けることになるのだ。組織が雇用した初期段階から継続的に社員にトレーニングを施すことで、より若くフットワークが軽い、デジタル時代に適応した若いリーダーを育て、留めるチャンスが生まれるということになる。
PepsiCo社は「厳しい経験」を積ませることを行なっている。新しい知識を育てるように、強制的に新製品を開発させる状況に追い込むことで、こうした経験からどのようなキャリアの段階にあっても自分でやっていけるだけの力を身につけさせることがその狙いだ。
魅力的であれ
Deloitte社が発表した2017年の世界人材トレンドレポートによると、組織は急速な技術革新がもたらす、職の技能の要求に大きな変遷について行くための人材獲得に慌てふためいているような状況にあるとのことだ。今日では最良の人材を獲得するために企業は従来のやり方ではなく、新しくなる技術や可能性に対応して行く必要がある。
今や優れた人材を雇用するためにはデジタルな雇用ブランドの確立は必須である。サービス業向け人材紹介プラットフォームを提供するIndustry社などの企業は、ともすれば紙の履歴書やコミュニティ広告など、転職率が72%といった状況においては適切とは言えない古典的な方法を使っている全部門にはデジタル的な手法を取り入れている。例えばブランドイメージを紹介するために写真や動画を使えるようにすることで、レストランが求職者にお固くなく、柔軟な受け入れ態勢を伝えるビデオを投稿したり、求職者が自身の創造性や人間性を伝えたりすることができる。
ほかにもIBM Watsonなどのコグニティブシステムを使って従業員の入社以降の評価やSNSから集められる情報を整理し、求職者の将来的なパフォーマンスの予測や求人マーケティングの最適化、採用までの時間短縮に役立てている。
前を向いて進め
かつてはコンプライアンスに関する機能のみのものだと見られていたが、CB Insightによれば2016年だけで404件の取引や22億ドルの投資額を集めるようになり、人材に関する考え方も変わったことも受け、人材管理は企業が第4次産業革命と、その訪れが招く競争の激化を生き抜くための助けとしての、戦略的機能も有するようになっている。
MATAN BORDO
[原文4]