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新しい市場に立ち向かうスタートアップ企業が覚えておくべき11の事

2015年6月8日(月)
ReadWrite Japan

顧客と相対することはあらゆる企業家にとってチャレンジであるが、これまでのビジネスモデルが成功している場合でも、新しい顧客ベースをターゲットとすることは全てを一からやり直すようなものだ。

時間や労力を省くために、Young Entrepreneur Council(YEC)の企業家たちに、彼らが新しい顧客ベースに取り組む際にもっとも優先することは何かについて答えてもらった。彼らの回答は以下のとおりだ。

顧客からのフィードバック

今のビジネスモデルを広げるにあたって、新しい顧客ベースからの話を聞くことは必要不可欠だ。これまで当たり前の事だと思っていた事が、違う分野では通用しないことがある。

頭の数日なり数ヶ月の間、あらゆる問いを投げかけフィードバックを得ることは重要だ。フィードバックを分析する事は、現実とのギャップや思わぬ落とし穴に陥る可能性を減らし、素早い対策につながる。

B2BであれB2Cであれ、エンドユーザーに目を向けないことは、これまで注いできた時間や資金などをどぶに捨ててる様な失敗につながる。

キム・カウペZinePak

潜在的なパートナーシップ

新しい顧客ベースに手を出す前にリサーチを行う。まずこれまでのパートナーや関係者の中で、その新しい顧客ベースでの経験があるものはいないか当たりをつけ、ランチに誘う。彼らの経験からいい事であれ悪いことであれ、何かを得ようというわけだ。

これは戦略を立てるにあたって私の最大の学習ツールになっている。そうする中でこれまでのと新規の顧客ベースの橋渡しが出来そうであれば、そのときに改めて話を明らかにするのだ。

顧客はこういった偶然を喜ぶだろうと思うし、銘柄についてより親近感を覚えることだろう。あなたの既存の製品について顧客が信頼しているのであれば、彼らは口コミでそれを広げてくれるはずだ。

ロブ・フルトンExponential Black

レビューサイトのリサーチ

マーケットのリサーチは適切に行わなければならない。Amazonやほかのサイトで自分の製品のカテゴリーで既に市場に出回っているものについて、顧客がそれらについて何を言っており、どのような問題を抱えているのか、何が好まれているのかをチェックすることだ。

また彼らが実際にそれを買ったのかどうかについても確認することだ。AmazonやYelpのレビューはこういったマーケットリサーチに適している。

ケビン・ヘンリックソンAcompli:現在のiOS/Android版Outlook)

競合他社について

競合他社および市場のサイズをしっかり把握するべきだ。競合他社がどれほどの力を持っているのか、よい点や、悪い点、自分と他社とで差別化できる点とは何か、そして市場はどれほどの大きさなのかを理解しておくことは肝心なことだ。自分が今のマーケットリーダーよりずっと大きく成長するなどと考えていてはいけない。

ルーク・スカーマンNiche.com

現在の顧客

現在抱えている顧客は既にあなたのブランドについて信頼をもっている。変革の中で彼らからの信頼を失うような事をしてはいけない。会社が大きくなる中でも、もともとのビジネスモデルが置いてけぼりになるような事はしないことだ。

ジェイナ・クックEVENTup

ブランドの再定義

新しい顧客ベースを獲得するために既存のビジネスモデルを拡張するに当たって、彼らによりよいメッセージを伝える為にブランドの再構築するためのアイデアにはオープンでいることだ。アイデンティティやブランド感を替えることは企業にとっては挑戦になるかもしれないが、新しい市場で成功するために時として必要なことだ。

既存のブランドに変更が必要かを見定める過程で、新しくターゲットとなる顧客との面談をするのを忘れないことだ。そうすれば彼らのニーズや好みについて全体的な理解が得られる。この事は成功していく上で重要な決断を誤らないために役立つ

ドリーン・ブロックPoshly

ニーズの再定義

新しい顧客ベースのリサーチは、現在の顧客の場合よりも時間をかけて行わなければいけない。人はよく新しいターゲットのマーケティングは簡単なものだと考えがちだが、初めての市場におけるリサーチは膨大な労力がかかることを忘れている。

ビジネスを立ち上げたときにはじめて行ったマーケティングの事を思い起こしてほしい。既にある程度はブランドの認知度があることだろうから、あの頃ほどの時間はかからないだろうが、それでもニーズの定義を一からやり直さなければならないことに変わりはない。

クマール・アロラAroridex

異なる分野からの視点

マーケットリサーチのアプローチの典型的なものとは、その分野の顧客のトレンドを読み、既存の顧客に次は何がほしいかを聞くというものだ。しかし型に嵌まってしまうのではなく、ほかの分野や企業について資料を読んだり接触したりすることで視点を広げるのも一つだ。新しい顧客ベースに焦点を絞る上で、彼らの経験から学び、解を導き出すのだ。

フィラス・キッタネーAmerisleep

徹底的なマーケット分析

感覚に頼るのではなく、徹底的なマーケット分析とデータ収集によって市場に本当にニーズがあるのかどうかを判断しなければならない。

マーケット分析によって向き合わなければならない問題が明らかになることもあり、製品やキャンペーンを適切なものにすることも可能になる。この分析によって競合者が何者であり、彼らが顧客のニーズに完璧にこたえられていないのは何故かということも特定できるようになる。これらから得られる情報はあなたのビジネスを他社から差別化するのにも役立つ。

ジョット・シングRTS Labs

戦略的なメッセージ発信

新しい商品がこれまでのものとどう関わるのかについてのメッセージを発信する場合は、その目的をはっきりさせなければいけない。その商品がこれまでのものとまったく別個のものなのか、それともこれまでの製品とあわせて利用されるものなのかにより、メッセージの意図を明確にすることだ。

新製品の投入により、あなたは成長戦略やイノベーションを起こす力をもって既存の顧客を喜ばせるチャンスを得ることになるが、やり方を間違えればそのアプローチは支離滅裂なものであると見抜かれる事になる。

ザック・ロビンズLeadnomics

販売およびサービスにおける挑戦

営業部隊や顧客サービスチームを動かす上での問題を甘く見ないことだ。製品の販売や顧客層への対応のために、わざわざ人を雇ってトレーニングを受けさせるわけだが、もしこれまでのやり方を変えるのであれば少し考えたほうがいい。新しい顧客ベースにアピールするために売り込み方や製品のアピール方法、価格を変更する際には、それらに適合するようスタッフの雇用やトレーニングについても見直さなければならない。

ベン・ルーベンシュタインYodle

編集者注:この記事はYECの設立者でゲストライターのScott Gerberによって執筆されました。

Scott Gerber
[原文]

※本記事はReadWrite Japanからの転載です。転載元はこちらをご覧ください。

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