指標化するユーザビリティ 1

ユーザビリティはWebサイトの重要な要素

ユーザビリティはWebサイトの重要な要素

 それでは、「Webサイトのユーザビリティがなぜ重要なのか」について、具体的なポイントを示した簡単なサンプルを元に説明していきます。

 図2をご覧ください。2つのWebサイトが並んでいますが、2つは全く同じ構成要素でできています。

 2つのWebサイトの構成要素は、「ロゴ」「メインビジュアル」「グローバルナビ」「バナーエリア」「お知らせ」「申し込みボタン」の6つになります。

 その2つの違いは、「メインビジュアル(ロゴの入った画像部分)の大きさが違う」「グローバルナビの掲載位置が違う」「バナーにまとまりがない」「申し込みボタンがボタンのようなデザインをしていない」の4つになります。

 比べてみてどうでしょう。どちらが使いやすいと感じるでしょうか。一見して違いはわかりづらいかもしれませんが、2つの違いにはもちろんユーザビリティの違いがあります。それぞれの違うポイントで、ユーザビリティの懸念事項を4つ洗い出して見ました。

 1つ目は、「メインビジュアルの大きさが違う」です。左側の例では、メインビジュアルの大きさが画面の半分を占めています。これでは、ナビゲーションを表示するために、画面スクロールを行わなければなりません。

 2つ目は、「グローバルナビの位置が違う」です。左側の例では、グローバルナビゲーションが下の位置にあるため、メインのコンテンツに遷移するために画面スクロールを行わなければなりません。また、サイト内のコンテンツが一見してわかりにくくなっています。

 3つ目は、「バナーのまとまりがない」です。左側の例では、画面の右側にバナーが複数ただ並んでいるだけで、グルーピングされていないため、それぞれがキャンペーンのバナーであるのか、公式サイトへのリンクであるのかがわかりにくくなっています。

 4つ目は、「ボタンなのにボタンのようなデザインをしていない」です。左側の例では、申し込みボタンが右側のボタンのような「押せる」ように見える形状をしていません。

ユーザビリティはなぜ重要?

 図2の通り、Webサイトのユーザビリティがどのようなものか、簡単に理解いただけたと思います。

 それでは、なぜ「使い勝手をよくする」、ユーザビリティの向上が大切なのでしょうか。もちろん使いやすい方が良いに決まっているという、ただそれだけではその重要性があまり認識しづらいのではないでしょうか。図2の左側の「ユーザビリティが悪いサイト」を参考に、ユーザの動きを想定してみましょう。

 あなたのWebサイトの目標が、ユーザに申し込みをしていただくことだと仮定します。ユーザはあなたのWebサイトを見て、ぜひ申し込みをしたいと感じました。この時点で、ユーザの目標はあなたのサイトの目標と合致し、申し込みとなります。しかし、申し込みボタンがわかりづらく、どこを探しても見あたりません。

 この状態ではユーザがWebサイトを使用中にほかのWebサイトへ逃げたり、ブラウザを閉じたりといった「離脱」をしてしまう可能性があります。「ユーザが離脱=申し込みの機会損失」となる可能性が否定できません。

 各担当者の皆さんは、あなたのWebサイトに何を求めているでしょうか。お問い合わせ、申し込みでしょうか。それとも会社をもっと知ってもらいたいという情報配信でしょうか。

 「ユーザビリティが悪いサイト」では、ユーザが「離脱」に至る可能性が十分あります。ユーザに「離脱」されてしまったら、せっかく来たユーザの目標達成ができないことはおろか、Webサイト自体の目標達成を阻害する要因にもなります。

 このようなことから、Webサイトにとって、ユーザビリティはとても重要な要素だと位置づけられるのです。

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