SalesforceとOracle、中国勢のAIプラットフォーム

2018年1月12日(金)
梅田 弘之(うめだ ひろゆき)

はじめに

これまでに紹介してきたAIプラットフォームは、主にBtoC向けのサービスが主体でした。これに対して、ちょっと出遅れた感があるSalesforceとOracleはBtoB向けのAIサービスで巻き返しを図っています。実際、人工知能は、ここにきてエンタープライズ向けの取り組みが増えており、ビジネスに活用するためのAIを考える上でもこの両者がどのようなサービスを提供しているのか興味があります。

もう1つ注目すべきは中国です。中国は国策として人工知能(中国語では人工智能)に力を入れており、大量に人とお金を注いでいます。

第1部の締めくくりは、エンタープライズ向けAIとしてSalesforceのサービスを中心に説明し、中国AIとしてネット・SNS関連大手である百度、阿里巴巴、テンセントの技術・サービスを紹介します。

Salesforce

SalesforceもAIに関しては少し出遅れましたが、2014年にRelateIQ、2015年にMinHash、2016年2月にApache PredictionIO、4月にMetaMind、8月にBeyondCoreを買収して追撃体制に入り、同年9月にSalesforce EinsteinというAIプラットフォームをリリースしました。Einesteinという名前は、かの有名なアルバート・アインシュタイン氏にちなんで付けられており、彼の名言「天才は複雑なことをシンプルにする」を目指すAIだと紹介されています。

クラウドビジネスにおいて、IaasやPaasをメインにしているクラウドベンダーが多い中、Salesforceはあくまでも企業向けのSaasを中心にビジネスを展開してきました。その傾向はAIでも同様で、見る、聞く、話すという要素的なAIではなく、ビジネスアプリケーション中心のAIです。

AppleのAIがiOSでの利用をターゲットにしているように、Einsteinはマーケティング、セールス、サービス、小売、IoTなどのクラウドCRMの利用に特化しています。どのようなサービスを展開しているか、表1にざっとまとめました。

表1:SalesforceとOracleのAI

Salesforce Oracle
クラウドサービス IoT Cloud Oracle CX Cloud
機械学習サービス IoT Cloud Einstein Oracle Adaptive Intelligence Apps for CX
機械学習エンジン Apache PredictionIO
マーケティング
ソーシャル
Marketing Cloud Einstein
・Recommendations(レコメンド)
・Engagement Scoring(顧客セグメント化)
・Einstein Journey Insights(カスタマージャーニー分析)
・Einstein Vision for Social(ソーシャル情報分析)
Oracle Marketing Cloud
Oracle Social Cloud
セールス Sales Cloud Einstein
・Einstein Lead Scoring(リードの優先順位付け)
・Einstein Opportunity Insights(クロージング見込判断)
・Einstein Account Insights(顧客動向ウォッチ)
・Einstein Activity Capture(営業活動の収集)
・Einstein Automated Contacts(営業活動の分析とCRMデータ化)
Oracle Sales Cloud
コミュニケーション・サービス Community Cloud Einstein
・Einstein Recommendations(レコメンデーション)
・Einstein Feed Insights(フィード分析)
・Einstein Feed Search(フィード検知)
Einstein Experts(エキスパーツ)
Oracle Service Cloud
コマース Commerce Cloud Einstein
・Einstein Commerce Insights(購買分析)
・Einstein Product Recommendation(商品レコメンド)
・Einstein Predictive Sort(検索・閲覧分析)
Oracle Commerce Cloud
分析 instein Analytics
・Einstein Discovery(データ分析)
Oracle Analytics Cloud
見積支援 Salesforce CPQ Oracle CPQ Cloud
プラットフォーム MyEinstein
・Einstein Prediction Builder(予測)
・Einstein Vision(画像認識)
Einstein Language(テキスト分析)
Oracle Management Cloud
エージェント・Bot Einstein Bots Oracle intelligent bots
ライブラリ(フレームワーク) PredictionIO

クラウドサービス

(1)機械学習プラットフォーム
Salesforceは2015年にIoT Cloudを発表しました。そして2016年2月に機械学習フレームワークPredictionIOを買収し、これを搭載した機械学習プラットフォームがIoT Cloud Einsteinです。これによりIoT Cloud上でユーザーが自身の持つIoTデータを利用して人工知能を使ったサービスを利用できるようになりました。

(2)機械学習フレームワーク
PredictionIOはApacheライセンスで公開されているオープンソースの機械学習フレームワークです。データを収集・格納するサーバー(Event Server)と集めたデータで学習を行い、作成された学習モデルを使ってAI利用を可能とするエンジン(Engine)で構成されます。

PredictionIOは、Apach kafka(メッセージ系データの分散処理基盤)、Apache Spark(分散コンピューティングのフレームワーク)、Apache storm(ストリーミングデータの分散処理基盤)などのオープンソースのApachフレームワーク上で動作します。Apache Sparkは、オープンソースのクラスタコンピューティングフレームワークで分散処理を行う基盤です。MySQLやPostreSQL、HBaseなどフリーのデータベースに対応しています。

マーケティングクラウド…Marketing Cloud Einstein

(1)レコメンデーション(Recommendation)
Einstein Recommendationsは、One to Oneマーケティングのためのレコメンドエンジンです。AIを使って個々の顧客行動を分析し、その顧客に合った内容のコンテンツやメッセージをいろいろなチャネルを通して発信します。

(2)成約見込スコアリング(Engagement Scoring)
メールやWebサイトの情報を元に、なぜ、顧客がクリックしたり購入したかを分析して顧客をセグメント化し、どのようなマーケティングを行うのが効果的か支援します。

(3)カスタマージャーニー(Customer Jurney Analysis)
顧客がどのようにして商品やブランドを知り、興味が沸き、どこから接点を持って購入に至ったかという購買に至るまでの各プロセスを分析することを、マーケティング用語では旅に例えてCustomer Jurneyと呼びます。

Einstein Journey Insightsは、AIを使ってSalesforce DMPで管理されているこのようなデータを分析して顧客をカテゴライズし、キャンペーンやメールマーケティングの内容に最適な対象者を抽出できるようにします。

<<メモ>>DMP

Salesforceは2016年にDMP(Data Management Platform)の企業Kruxを買収し、これをSalesforce DMPとしてリリースしています。DMPとはネット上のデータを一元管理・分析するプラットフォームのことです。

(4)ソーシャル情報分析(Social Data Analysis)
Salesforceには、Social Studioというサービスがあります。これは、ソーシャルネットワーク上のやり取りをモニタリングして自社製品や自社ブランド、競合製品、業界動向に関する情報を抽出したり、ソーシャルメディアを整理したり、ソーシャル広告の効果を高める支援を行うものです。

Einstein Vision for Socialは、このSocial Studioで取得したソーシャルネットワーク情報から画像分類やロゴ認識、性格・感情分析などにより、製品の評判を得たりすることができます。また、スパム情報を除去したりする機能も付加しています。

セールスクラウド…Sales Cloud Einstein

(1)リードの優先付(Lead Scoring)
Einstein Lead Scoringは、過去の履歴データを学習し、リード(案件)の優先順位付けを行ってくれるサービスです。

(2)クロージング見込判断(Opportunity Insights)
Einstein Opportunity InsightsのInsightsは「洞察力」のような意味です。顧客の感情、競合他社の関与状況、プロスペクトの進捗状況などをベースに案件がクローズできそうかを把握します。

(3)顧客動向ウォッチ(Account Insights)
Einstein Account Insightsは、顧客の最新ニュース、M&A状況、成長率などを把握して、顧客アカウントの最新状況をウォッチします。

(4)営業活動の収集(Activity Capture)
Einstein Activity Captureは、電子メールやカレンダー情報をSalesforceに接続して、営業活動記録の生産性を向上します。

(5)営業活動の分析とCRMデータ化支援(Automated Contacts)
Einstein Automated Contactsは、電子メールとカレンダーイベントを分析して、コンタクト情報をCRMに追加することを提案します。

コミュニティクラウド…Community Cloud Einstein

カスタマーサービスを支援するコミュニティ系のサービスもいくつかリリースされています。

(1)レコメンデーション(Recommendations)
Einstein Recommendationsは、カスタマーサポートが顧客をサポートしやすくするために、質問内容に関連する専門情報やソーシャル情報から見つけ出した興味やニーズ、行動に基づいたレコメンドを自動的に提供します。

(2)フィード分析(Feed Insights)
Feedとは、ブログやニュースなどのコンテンツ概要を配信用に加工した文書のことで、代表的なフォーマットとしてRSSやAtomがあります。Einstein Feed Insightsは、Activity feed(人の活動状況を外部サイトで表示すること)の中から重要な投稿やホットな会話を見つけ、その個人に関心あるコンテンツを届けて顧客を維持します。

(3)フィード検索(Feed Search)
Einstein Feed Searchは、成約に関連ありそうなシグナルで検索を行い、トップランクの検索結果を取得します。

(4)エキスパーツ(Experts)
コミュニティのメンバーが、あるトピックスにおける質問に対する解答を導き出せる専門家(エキスパーツ)を探し出すのを支援します。

分析…Einstein Analytics

(1)データ分析(Einstein Discovery)
仮説と検証による分析により、数百万のデータの中から価値ある関連性を見つけ出します。

コマースクラウド…Commerce Cloud Einstein

(1)購買分析(Commerce Insights)
Einstein Commerce Insightsは、サイトに訪れた、クリックした、カートに入れた、など顧客の購買に至るまでの行動や購買履歴情報を管理・分析して顧客の購買動向や好みをつかみ、キャンペーンやイベント、メールなどのマーケティングに活かします。

(2)商品レコメンド(Product Recommendations)
Einstein Product Recommendationsは、PCやスマホで購買した情報を元に、顧客に合った商品をレコメンドします。

(3)検索・閲覧分析(Predictive Sort)
Einstein Predictive Sortは、顧客が検索したキーワードや閲覧したカテゴリーをベースに顧客の関心をパーソナライズし、顧客が(たぶん)欲しいと思う商品を提案します。

Oracle

クラウドで出遅れた感のあるOracleは、AIでも出遅れてしまった感がありますが、Salesforce Einsteinとほぼ同時期の2016年9月にOracle Adaptive IntelligenceというAIプラットフォームを出しました。IBMがAIをArtficial Intelligence(人工知能)ではなく、Augmented Intelligence(拡張知能)と別の呼び方をしたように、OracleもAIをAdaptive Intelligence(適応知能)と呼ぶことにしたようです。

Oracleは、表1のようにSalesforceを意識してビジネス向けのサービスにAIを付け加える方針ですが、どの程度まで実用レベルに到達しているかは不明です。

(1)クラウドAIサービス

Oracleは、Oracle CX Cloudというクラウドアプリケーションを展開しています。CXとは、Customer eXperience(顧客の体験)の略で、SalesforceやAPTTUSを意識した次のようなサービスをSaaSで提供しています。

マーケティング:Oracle Marketing Cloud
セールス:Oracle Sales Cloud
ソーシャル:Oracle Social Cloud
サービス:Oracle Service Cloud
コマース:Oracle Commerce Cloud
見積支援:Oracle CPQ Cloud

OracleのAIサービスの第1弾は「Oracle Adaptive Intelligence Apps for CX」で、ここに挙げたCX関連のサービスをそれぞれAIで強化するという位置付けになっています。

<<メモ>>CPQとATTUS

CPQはまだ日本ではあまり馴染みのない3文字略語ですが、Configure Price Quoteの略です。Configureは見積作成支援、Priceは値引きや承認など価格決定支援、そしてQuoteは見積書や契約書の作成・管理の機能です。

APTTUSという会社がその分野で有名なのですが、Salesforceも「Saleceforce CPQ」というサービスを出しています。

(2)今後のOracleの展開

Oracle Adaptive Intelligenceでは、下記のような既存のサービスにもAIを導入する方針を掲げています。ビジネス領域におけるAI活用は難しいテーマですが、米国でも大手やベンチャーがさまざまなAIを使ったサービスを謳っています。本連載のメインテーマでもあるので、今後どのような利用方法が出てくるのか注目しています。

・Oracle Adaptive Intelligence Apps for CX(セールス&マーケティング、サービス、EC)
・Oracle Adaptive Intelligence Apps for ERP(基幹業務システム)
・Oracle Adaptive Intelligence Apps for HCM(採用支援、人事管理)
・Oracle Adaptive Intelligence Apps for SCM(サプライチェーン、需要予測など)

なお、2017年10月にサンフランシスコで開催された「Oracle Open World 2017」において、Oracleは次バージョンOracle 18cにAIを適用して自律型データベースとする発表を行いました。Facebookが自社SNS、AppleがiPhoneの顧客をターゲットとしているように、Oracleがクラウドサービスとは別にドル箱のRDBMSにAIを役立てようとするのは当然のことなのでしょう。

中国のAI

中国では、検索エンジントップの百度(バイドゥ)、天猫・淘宝网などのECトップのAlibaba(アリババ)、微信(Wechat)というSNSでトップの騰訊(テンセント)の3社が、さまざまなネットビジネスでしのぎを削っています。

3つの事業を世界に当てはめれば、検索エンジンはGoogle、ECはAmazon、SNSはFacebookということになります。これらの米国企業がAI分野に注力しているのと同じように、中国の3社もAIビジネスに本気で取り組んでいます。

中国政府もAIを国家戦略に位置付けて強力にサポートしており、AIに関する研究論文の数がアメリカを抜いたというレポートも出ています。中国は”ビッグデータを有するものがAIを制する”とも言われるAIの特性にもマッチしているので、アメリカに追いつくかもしれないという可能性を感じさせられます。3社の取り組みは、日本企業がAI事業を推進する上でも参考になりそうなのでざっと紹介します。

百度(バイドゥ)

”中国のGoogle”とも言われる検索エンジン大手の百度は、AIの分野でもGoogleを意識した多角的な展開を行っています。百度は検索エンジン以外でも、デリバリーサービス百度糯米や旅行サイト携程網(CTrip)などのネット事業を展開しており、個々の事業で集まったビッグデータをAIに利用できる環境があります。

実は中国でのネットビジネスでAlibabaやテンセントに少し押され気味なのですが、その分3社の中では最もAI事業に先行投資しています。2014年にはシリコンバレーに研究所を作り、既に1300人の技術者を投入してAI研究・事業化を推進しています。中国の大学がAI人材育成に非常に熱心なので、AI技術者はますます増えるものと思われます。

2017年7月には、GPU大手のNVIDIAと包括的な提携を行いました。

・NVIDIAのGPUを百度クラウドに採用
・NVIDIAのGPU向けにPaddlePaddleを最適化する
・百度クラウドに採用NVIDIAのDRIVE PXプラットフォームを百度の自動運転車研究に採用
・百度のAIエージェントDuerOSをNVIDIA SHIELD TVに組み込んで中国市場に拡販

このようにNVIDIAが中国市場を開拓するために利用されている感もありますが、GPUを武器に急激に発展を遂げるNVIDIAと組んで、中国のAIビジネスでトップの座を勝ち取ろうという姿勢が見てとれます。

百度と阿里巴巴の展開している主なAIサービスを表2にまとめました。1つ1つのサービス自体は、これまでに見てきたGoogleやMicrosoftと同じようなものですが、英語ではなく中国語を主体として取り組んでいる点で、少なくとも中国語圏では優位性があります。このほかにも自動運転車プラットフォーム「Apollo」やAR(Augmented Reality)プラットフォーム「DuSee」なども発表していてAIに関する本気度を感じます。

表2:百度と阿里巴巴のAI関連サービス

百度(Baidu) 阿里巴巴(Alibaba)
クラウドサービス 百度雲 阿里雲
機械学習サービス
機械学習エンジン 百度深度学習 人工智能ET
画像/動画分析 Image Technology
・顔認証
・画像レビュー
・画像解析
・文字識別(OCR)
・画像検索
・動画内容分析
・動画検索
・動画比較
・動画内容レビュー
・顔認証
・画像解析
・印刷文字識別(OCR)
音声認識 音声認識
音声合成
音声認識
音声合成
機械翻訳 翻訳
自然言語処理 Natural Language
・自然言語処理技術
・言語理解と応答技
人機対話
ナレッジ 知識マップ
構造化データ抽出
検索
エージェント・Bot DuerOS 店小蜜
ライブラリ(フレームワーク) PaddlePaddle PAI

(1)PaddlePaddle(フレームワーク)
2016年9月にオープンソースのディープラーニングフレームワークPaddlePaddleを発表し、これを搭載して検索ランキングやターゲット広告、画像検索、機械翻訳などのAI利用を進めています。

PaddleはParallel Distributed Deep Learning(平行分散ディープラーニング)という名前から取ったものです。2つ繰り返しているのは繰り返すとかわいらしいからでしょうか(上野のパンダもシャンシャンになりましたね)。

GoogleやMicrosoftなどがクラウドサービスを主体に展開しているのに対し、大事なデータをクラウドに預けたがらない傾向の強い中国市場を意識して、クラスタ(相互接続されたコンピュータ群)で稼働するように設計されています。日本でも自社データを使ったAIモデルを作成する際にクラウドにデータを預けるのを嫌う企業が多いので、そういうケースではPaddlePaddleも一つの選択肢かも知れません。

阿里巴巴(Alibaba)

アリババは、”中国のAmazon”とも言われる中国ECを牽引してきた企業です。CtoCサイト「淘宝網」とBtoCサイト「天猫(Tmall)」で80%程度のシェアを持ち、電子決済サービス「支付宝」もトップシェアを維持しています。ネットに強い特性を生かしてクラウドビジネスにも早くから取り組み、阿里雲というクラウドサービスを展開しています。

阿里巴巴のAIへの取り組みは早く、2015年8月にはDT PAI(Platform of Artificial Intelligence)というAIプラットフォームを発表しています。

阿里雲は、AWS同様にさまざまな有料サービスを提供しており、その中でPAIというAIプラットフォームをベータ版(公測中)でリリースしています。PAIはPlatform of Artificial Intelligenceの略です。

騰訊(テンセント)

テンセントは、”中国版LINE”のQQや微信(Wechat)などのSNS分野で圧倒的シェアを持っています。これらのサービスで得たユーザーをベースにゲームの収益は世界トップになっています。

SNSやゲーム以外にもさまざまなネットビジネスを多角展開しています。電子決済サービスで独壇場だったAlibabaの支付宝(Alipay)に対して微信支付(WeChat Pay)という決済サービスが肉薄し、ECでもAlibabaの天猫(Tmall)に対抗する京東商白(JD.com)が売上を伸ばしています。また、配車アプリ「滴滴出行」やシェア自転車「Mobike」などの新興企業にも出資しています。

テンセントは、2017年6月に「智能雲」というAIプラットフォームを発表しています。智能雲では、下記のようなAI応用サービスが発表されており、同じコミュニケーションアプリのFacebookのM、LINEのClovaよりも広範囲のAIサービス化を目指しているように思われます。

・マンマシン対話
・スマートカスタマーサービス
・スマート裁判所
・天眼システム
・カスタマーサービス品質検査
・スマート検索
・世論サービス
・スマート推薦
・スマート会場
・ライブ配信の審査
・顔認証
・OCR/MR(光学文字認識/複合現実)

これまで各社のAIプラットフォームを紹介してきましたが、今回で終わりです。これまでの説明で画像認識や自然言語理解などAIの要素技術について理解できたと思いますので、次回からはいよいよビジネスにAIを活用している状況について事例を参照しながら説明していきます。

著者
梅田 弘之(うめだ ひろゆき)
株式会社システムインテグレータ

東芝、SCSKを経て1995年に株式会社システムインテグレータを設立し、現在、代表取締役社長。2006年東証マザーズ、2014年東証第一部、2019年東証スタンダード上場。

前職で日本最初のERP「ProActive」を作った後に独立し、日本初のECパッケージ「SI Web Shopping」や開発支援ツール「SI Object Browser」を開発。日本初のWebベースのERP「GRANDIT」をコンソーシアム方式で開発し、統合型プロジェクト管理システム「SI Object Browser PM」など、独創的なアイデアの製品を次々とリリース。

主な著書に「Oracle8入門」シリーズや「SQL Server7.0徹底入門」、「実践SQL」などのRDBMS系、「グラス片手にデータベース設計入門」シリーズや「パッケージから学ぶ4大分野の業務知識」などの業務知識系、「実践!プロジェクト管理入門」シリーズ、「統合型プロジェクト管理のススメ」などのプロジェクト管理系、最近ではThink ITの連載をまとめた「これからのSIerの話をしよう」「エンジニアなら知っておきたいAIのキホン」「エンジニアなら知っておきたい システム設計とドキュメント」を刊行。

「日本のITの近代化」と「日本のITを世界に」の2つのテーマをライフワークに掲げている。

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