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台風!? 食生活!? 婚活!? ADWCでアレコレ分析してみました! 「Autonomous選手権 ~オープンデータ分析編~」レポート

2018年11月20日(火)
高橋 正和

オラクルのAutonomous Data Warehouse Cloud(ADWC)を使ってどこまで遊べるのか!? 国や地方公共団体が保有オープンデータをさまざまな角度から分析し、そのアイデアを競う「Autonomous選手権 ~オープンデータ分析編~」が11月1日、日本オラクル本社・オラクル青山センターで開催された。

イベントの開催に先立ち、司会を務める日本オラクルの永久 舞氏がイベント内容を紹介。「選手権を見届けていただける見学者の皆さんも、ぜひ楽しんでいってください!」と呼びかけた。

日本オラクル株式会社 アライアンス統括 Innovation Alliance推進本部 Cloud Native推進室 アライアンスコンサルタント 永久 舞氏

「マツコの知らない世界」は
家庭の食卓にどれだけ影響?―株式会社Zeal

トップバッターで登壇したのは、「○○○も知らない食の世界」というテーマで発表した株式会社Zealの池 守垠(ジ・スウン)氏。TV番組「マツコの知らない世界」の影響力は大きいが、実際にどれほど日本の食生活を支配しているのか? というものだ。そこで、番組で紹介された3つの食品(チャーハン、鍋、ケーキ)が話題になる様子や実際に食べられた様子を分析した。

株式会社Zeal 池 守垠(ジ・スウン)氏

元にしたデータは、Oracle Social Relationship Managementのソーシャルリスニングで取得したSNSのデータと「食MAP」のデータ。これをそれぞれ、Oracle Analytics Cloudで可視化して分析した。

分析のシステム構成

まず、ソーシャルデータで見ると、チャーハンと鍋では放送日にピークが来ているが、ケーキではだいぶ後にピークが来ている。実はこのピークはクリスマスイブだった。

ソーシャルデータから。チャーハンと鍋は影響があったが、ケーキはクリスマスが強い

さらに、各食品と一緒に登場した頻出ワードを見ると、チャーハンや鍋料理では「マツコ」「世界」が大きいが、ケーキではやはり「クリスマス」が大きかった。

チャーハンと一緒に登場した頻出ワードのタグクラウド。「マツコ」「世界」が大きい

ケーキと一緒に登場した頻出ワードのタグクラウド。「クリスマス」が大きい

一方で、実際に家庭の食卓に出されたメニューを食MAPのデータで見ると、チャーハンはわずかに上昇したが偶然といえる程度で、また鍋は正月の影響が、ケーキはクリスマスの影響が大きかったことから、池氏は「番組で紹介された食品を家庭で食べることにはつながっていないことがわかる」と結論づけた。

食MAPで見た家庭の食卓。番組の影響は少ない

SNSと食MAPの傾向まとめ

データから見る、現代的婚活パーティ事情
―株式会社オープンストリーム

続いて登壇したのは、「こんなパーティ流行るかも? ~オミカレから見る婚活パーティ情勢~」というテーマで発表した株式会社オープンストリームの高橋裕也氏だ。婚活パーティ情報サイト「オミカレ」のデータから、婚活パーティのトレンドを年齢やパーティの金額、地域などで分析し、ユーモアとペーソスを交えて語った。

株式会社オープンストリーム 高橋裕也氏

発表では、Analytics Cloudの画面で実際にグラフを見ながら進行。男女別のパーティ参加者年齢を見ると、ピークは女性が29~35才、男性が35~45才で、「ピークでは女性が多いが39才以降は男性が多い」という分析結果となった。

男女別の参加者年齢。青線が女性、緑線が女性

都道府県で見ると、平均金額は女性では鹿児島県、男性では山形県が多い。宮城県以外の東北5県は開催件数が少なく平均金額が高いと、東北出身の高橋氏はちょっと困ったように語った。

都道府県ごとの開催件数と平均金額

「どこまでならお金を出せるか」については、ボリュームゾーンの年齢までは一気に上がり意欲を感じさせる一方で、その後の下がり具合が男性はゆるやかなことを指摘。高橋氏は「切ない気持ちにさせられる」とコメント。

どこまでならお金を出せるか。男性(左)と女性(右)はグラフの単位が違う

また、どのようなパーティかをパーティのタイトルから形態素解析した単語で分析した結果も出された。高橋氏は「男性」「女性」といった言葉は若い年代では多いが年代が上がる減ってくること、お見合いのような1対1を意味する「個室」は年代が上がると大きく上がること、年齢とともに「婚活」は下がって「恋愛」が上がることなどの傾向をグラフやタグクラウドで示した。

パーティのタイトルに表れる単語(グラフ)

パーティのタイトルに表れる単語(タグクラウド)

「高年収」「若い」「独身者」が多い狙い目の区は?
―株式会社アトミテック

3番手に登壇したのは、「土地統計調査データ×『**』」というテーマで発表した株式会社アトミテックの大森信哉氏だ。日本の統計が閲覧できる政府統計ポータルサイト「e-Stat」から得た土地統計調査のデータを元に、東京23区の住人の年齢や年収で分析。この発表でも、その場でAnalytics Cloudを使用して進行した。

株式会社アトミテック 大森信哉氏

年収1千万円以上が一番多いのは港区の27%で、続いて千代田区24%、中央区21%と続く。年収700万円以上、500万円以上等のグラフと並べて表示し、選択した区が各年収域でどれくらいに割合なのかを自動で表示する機能もデモされた。

区ごとの年収

単独世帯割合が多いのは新宿区の60.9%。これらと25~35才の割合を掛け合わせてみると、千代田区や中央区は年収が高く若者の割合もけっこう多いという。

単独世帯割合と25~35才の割合を掛け合わせた結果

大森氏は発表の最後に、今回の検証について「仕事はインフラエンジニアなのにデータ分析に挑戦してみて、楽しいこと難しいこと両方を体験できた(笑)」と報告した。

訪日外国人は日本の何に関心があるのか?
―株式会社システムエグゼ

4番手に登壇したのは、「諸外国からみた日本の文化」というテーマで発表した株式会社システムエグゼの冬木忠博氏と渡部 光氏。総務省「平成28年版情報通信白書」と一般社団法人 日本貿易会「日本貿易の現状(2009年版~2018年版)」のデータを元に、外国人から見た日本観光への関心ごとや魅力などを国別に分析した。

株式会社システムエグゼ 冬木忠博氏

株式会社システムエグゼ 渡部 光氏

訪日経験者数で見ると、韓国、中国、アメリカからが多く、その関心ごとはアメリカ人では20~30代が「自然」、40代を超えると「食文化」が高くなる傾向があるという。

国別の訪日件数

アメリカ人の年代別・分野別関心。折れ線は訪日経験

また、中国人ではどの世代でも自然への関心が飛び抜けて高い一方で、ドイツ人では自然のほか神社や寺、食への関心が高く、インドで人は年代が上がるごとに自然への関心が全体的に高くなるが、訪日経験は右肩下がりになる。韓国人では、どの世代でも特に食への関心が高いという結果だ。

中国人の年代別・分野別関心

ドイツ人の年代別・分野別関心

インド人の年代別・分野別関心

韓国人の年代別・分野別関心

さて、それでは、訪日経験が多い国と、その国と日本との貿易額を比較してみるとどうなるのだろうか。これもアメリカ、中国、韓国が多い結果になり、渡部氏は「両者には相関があるのではないか」と結論付けた。

日本対諸外国の輸出額(色が濃いほど多い)

日本対諸外国の輸入額(色が濃いほど多い)

台風が吹けば求人が増える!?
―株式会社フェイスポート

最後に登壇したのは、「Autonomous Databaseで台風について調べてみました」というテーマで発表した株式会社フェイスポートの岡田希望氏。「ゴールがわかると面白くない」ということで、バタフライ効果や“風が吹けば桶屋が儲かる”的な発見を目指して手当たり次第にデータを放り込んでみたという。

株式会社フェイスポート 岡田希望氏

元になるデータは、気象庁の「台風の統計資料」。1971~2017年の年ごとの発生数、接近数、上陸数から上陸率を計算し、周期トレンドを分析した。

分析に使用したのは1971~2017年の台風データ

最初に相関を調べたのは、稲の被害データだ。これには明らかな相関関係が見られ、ぴったりとなった年もあった。

稲の被害との相関

一方で米の物価には相関関係が見られず、稲の被害は価格への直接の影響が少ないことがわかった。また、台風の良い影響として干害の解消が予想されたが、これも相関関係がないことがわかった。コシヒカリ一等の割合には多少の相関関係が見られたことから、米の品質には影響があるようだ。米以外で見ると、漁獲量にも多少の相関関係が見られた。

米の物価とは相関関係が見られない

干害とも相関関係が見られない

コシヒカリ一等の割合とは多少の相関関係があった

漁獲量とも多少の相関関係が

ここから岡田氏の分析はさらに飛躍し、台風と有効求人倍率との相関も調査。2年遅れぐらいでトレンドが合っているようにも見え、岡田氏は「ある意味相関関係がある。転職希望者は台風が多く発生した2年後が狙い目かも」とユーモラスに語った。ただし、完全失業率には相関関係がないようだ。

有効求人倍率とは「ある意味相関関係」

完全失業率とは相関関係が見られない

これらから岡田氏が出した結論は2つ。まず、稲の被害が多くなり米等級にも影響するが、価格には影響しないことから、農家の負担になっていること。

そしてもう1つは、台風が多い年の2年後に有効求人倍率が上がるが、失業率には影響しないことから「再来年あたり人の取り合いが来る」ということだ。なかなか“風が吹けば桶屋が儲かる”的な結果がデータから導き出されたのではないだろうか。

分析結果から岡田氏が導き出した結論

気になる結果発表! 参加者投票の行方は!?

すべての発表が終了後、参加者による投票が行われ、優勝者が発表された。

優勝 株式会社フェイスポート

栄えある優勝には、株式会社フェイスポートが発表したの「Autonomous Databaseで台風について調べてみました」が輝いた。優勝賞品として、日本オラクル社の社員犬キャンディの大きなぬいぐるみが贈呈された。

優勝者の株式会社フェイスポート 岡田氏に永久氏から優勝賞品が贈られる

第2位 株式会社Zeal

第2位には、「○○○も知らない食の世界」を発表した株式会社Zealが受賞。第2位にも、同じ社員犬キャンディの大きなぬいぐるみが贈呈された。受賞した池氏は永久氏に「ぬいぐるみをどうしますか?」と問われ、「彼女にあげます!」と答えて場を盛り上げた。

第2位は株式会社Zealが受賞

そのほか、発表中に本イベントについて「#AutonomousChampion」のハッシュタグを付けてツイートした人には、それぞれ社員犬キャンディのハンドタオルが贈られた。

本イベントについてツイートした人にはオラクルのハンドタオルが

結果発表は懇親会中に行われた

* * *

今回、初めて開催された「Autonomous選手権 ~オープンデータ分析編~」。この日の発表は、いずれも15分程度で説明できる比較的小さなネタだ。しかし、Oracle Autonomous Data Warehouse CloudやOracle Analytic Cloudといったデータ分析プラットフォームは、そんなちょっとしたアイディアでも、試行錯誤しながら視覚化・分析して、ビジネスだけでなく盛り上がって遊べるところまで幅広く活用できる(Autonomous Data Warehouse Cloudはトライアルでも使用可能)ことがよくわかるイベントだった。

なお、Autonomous選手権の来場者アンケート結果も公開されているので、ぜひこちらも覗いてみてほしい。

フリーランスのライター&編集者。IT系の書籍編集、雑誌編集、Web媒体記者などを経てフリーに。現在、「クラウドWatch」などのWeb媒体や雑誌などに幅広く執筆している。なお、同姓同名の方も多いのでご注意。

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