アップルとグーグル、二大企業によるARの展開進む
6月最終週も数多くのVR/AR関連ニュースが報じられました。VRについてはVRヘッドセットのOculus RiftやOculus Goのビジネス向けライセンス販売が国内でも開始されたことが報じられており、今後商業施設などでの利用が進むものと推測されます。
しかし、現在最も注目が集まっているのはむしろARの方です。アップルはiOS向けARフレームワーク「ARKit」の新バージョン「ARKit 2.0」の正式リリースを控えています。現在開発者向けのベータ版を公開しており、世界中の開発者からARKit 2.0を利用した画期的なアプリのアイディアが日々寄せられているようです。
一方、Android向けのARフレームワーク「ARCore」を持つグーグルも、水面下で着々とARに関する計画を進めているようです。アップルが公式に「ARを利用した計測用メジャーアプリをリリースする」ことを発表した直後、グーグルは「Measure」と名付けられたAR計測用メジャーアプリをリリースしています。これが意図的なものかどうかは不明ですが、アップルとグーグルによるARをめぐる競争は続きそうです。
Oculus GoとRift、日本からも商用利用可能なビジネス版が購入可能に
Oculus社のPC向けハイエンドヘッドセットOculus Riftと、一体型ヘッドセットOculus Goの商用利用可能なビジネス版が日本でも発売となります。これまで米国やヨーロッパでの販売に限定されていましたが、公式ウェブサイトから注文が可能になりました。
今回日本での販売が開始されたビジネス版は、複数人での利用を想定し、交換用フェイスフォームが複数付属します。また、ビジネス向けの補償やライセンスも付いています。
価格はOculus Riftが799ドル(従来の900ドルから値下げ)、Oculus Go(64GB)が299ドル。どちらも送料、消費税(8%)は別となっている点が、一般の消費者版と異なります。
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Oculus GoとRift、日本からも商用利用可能なビジネス版が購入可能に
https://www.moguravr.com/oculus-business-edition-jp/
スマホで測る「ARメジャー」グーグルがアップルに先駆けリリース
2017年秋にアップルがAR機能「ARKit」をリリースして以来、多くのARアプリが登場したジャンルが「計測用のメジャー」です。この反響を受け、アップル自身が公式のメジャーアプリをリリースすると発表していましたが、これに先駆けてグーグルから無料アプリ「Measure」がリリースされました。
グーグルによる「Measure」は、同社のAR機能ARCoreに対応するAndroidスマートフォンで使用できます。ARCoreの空間認識機能を使い、実際の物のサイズを計測します。
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スマホで測る「ARメジャー」グーグルがアップルに先駆けリリース
https://www.moguravr.com/google-arcore-measure/
「ポケモンGO」は「本当の」ARゲームになるかもしれない
ナイアンティックによる人気のスマホゲーム「ポケモンGO」。このゲームは現実の映像にバーチャルな映像を重ねるAR技術を活用してはいますが、「本当の」ARゲームと言えるかどうかは疑問があります。
なぜなら、ポケモンたちは目の前の世界にただ重なって投影されるだけで、現実では通れないはずの机やイスが置かれている場所でも、そこに立ったり、通り抜けたりしているからです。つまりポケモンたちは、現実の世界を認識していないのです。
この課題を解決し、ポケモンたちが実際の世界を自然に駆け回るデモ映像が公開されました。公開されたデモ映像では、ポケモンたちが人々や物の合間をぬって駆け回ります。ポケモンはきちんと物や人を避けて動いており、物の後ろや人の背後では姿が見えなくなるなど、現実の世界を反映した映像として映っています。
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「ポケモンGO」は“本当の”ARゲームになるかもしれない
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将来はこれが当たり前? 11歳の開発者が作った「ARショッピング」が話題
マルチプレイやARオブジェクトの再利用など、機能の強化が発表されたアップルの最新ARプラットフォーム「ARKit2.0」。早くもその新機能を使ったアプリがWeb上で紹介され、話題になっています。
オーストラリア在住の若干11歳のiOSアプリデベロッパーYuma Soerianto氏は、ARKit2.0を使い、ゲームのパッケージなどから動画や価格を表示するデモを制作しました。
デモ動画では店頭に並ぶNintendo Switchのゲームソフトを手にし、スマートフォンをかざすと、パッケージからARでマリオ達が飛び出してきます。ゲームの動画やソフトを購入できるウェブサイトとその価格、ゲームの評価といった情報も周りに表示されています。ツイッター上では、「早く実用化してほしい!」「これが実現すれば、ショッピングがこれまでとは全く別のものになるだろう」と称賛の声が集まっています。
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将来はこれが当たり前? 11歳の開発者が作った“ARショッピング”が話題
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本記事はVR専門メディア「Mogura VR」から提供されているもので、国内外のVR関連情報をいち早く、正しく、分かりやすくお伝えします。
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