PR

動画映像だけを受け取ってしまったら?

2008年11月13日(木)
栗原 寛

多様化する映像のフォーマット形式

 前回(http://www.thinkit.co.jp/article/153/1/)では、いろいろなファイル形式やコーデックで、多様なフォーマットがあることを紹介しました。

 今、放送業界/映像業界とも20011年7月24日の地上波アナログ放送終了に向けてデジタルHD(HD:High Definition ハイビジョン)が進んでいます。映像業界の映像フォーマット形式も、今までのNTSC映像信号(SD)からデジタル化/ハイビジョン化に伴いフォーマットが乱立しています。まず、15年ぐらい前からの映像フォーマットをまとめました(図2)。

 なぜ、このような紹介するかと言うと、例えば、企業PRビデオの動画配信だと、「昔、制作した企業PRビデオが完パケD2で映像プロダクションに残っているけど、その中の映像を使いたい!どうすればいい?」とか、「今度の撮影、PIP(Person in Presentation)でコンテンツの画面サイズが500×300、ブルーバック撮影だから画質を低くしたくないので、ハイビジョンで撮影する?XDCAMで撮影する?DVCPRO HDで撮影する?」と、このような会話が打ち合わせで発生します。

 放送業界・映像業界特有の映像フォーマット形式を突然、打ち合わせなどで言われても対応できるようにまとめました(図2)。

 完パケD2なら映像プロダクションでD2→DVに変換してもらってPCでビデオ編集することが考えられますし、PIPならIEEE1394などでPCにバックアップのためのキャプチャーなども考えられます。

映像データの受け渡しは?

 先ほど説明したフォーマットは、すべて覚える必要はありませんが、ある程度認識していないとトラブルが発生します。

 例えば、クライアント企業のホームページ上で、商品の製造過程を動画で説明するとします。

 クライアントの担当者が、最近購入したフルHDビデオカメラで工場の製造過程を撮影してきました。その撮影データを、32GB SDHCカードで渡されたとします。テープではなくデータで受け取れて良かったと思われるかもしれませんが、これが「データを受け取ってすぐ編集」とは簡単にいかないのです。撮影画像サイズは、フルHD(1920×1080)で、クライアント担当者が撮影したビデオ素材ですから、使える映像だけ若干ビデオ編集しなければなりません。

 これでどんな問題が発生するかというと、例えば、下記の4つが挙げられます。

 1つ目は、「32GB SDカードが読めない」です。カードリーダー/ライターで32GB SDHCカードに対応してきたのはごく最近です。初歩的な問題ですが、皆さんこれで苦労されています。

 2つ目は、「編集ソフトがAVCHDに対応していない」です。例として、Adobe Premiere Pro CS3/Premiere Elements 4などはソフト単体としてAVCHD形式をサポートしていません。現時点では、サードパーティーのソフトウエアやプラグインを利用することで、AVCHD形式のビデオを使用することになっています。

 3つ目は、「データが重過ぎる」です。フルHD(1920×1080)だとCore 2 DuoのCPUでも、そのまま編集することは大変です。何らかの別フォーマットに変換して、プロキシファイルを編集する手法を考えなければなりません。

 4つ目は、「画像処理のエフェクトや書き出し、さらにはエンコードも処理の待ち時間が多くなる」です。画面サイズが、今までのSD(720×480)の縦横2倍以上、面積(データ量)が4倍以上になってデータが重いのですから、処理が遅くなるのも当然です。すべての作業が今まで以上に長時間処理となるため、余裕を持ったスケジュール体制にしないと納期に間に合わなくなります。

 以上のようなハードルがいくつも存在するということです。民生用カメラで撮影しても、このような状態ですから業務としての動画制作はどれくらいのリスクがあるのだろうと、戸惑われた方も多いかもしれません。

 そこで、次にWebにアップする動画によって、どのような動画制作ワークフローが考えられるか紹介します。

株式会社アトミックPV
ビデオ制作会社でビデオエンジニア・ビデオカメラマン・ディレクター・ビデオ企画制作マーケティングに従事した後、フリーとして独立。2001年にWebストリーミングコンテンツ制作業務を開始。2003年有限会社アトミックPV設立。2008年株式会社アトミックPVに移行。動画配信を活用したビデオ制作、ビデオ・ストリーミング動画配信コンサルティング業務などを手がけ、現在では売上高数千万円~連結十兆円規模の企業様まで幅広くビデオ制作・動画配信のお手伝いをしています。http://www.atomic-pv.jp/

Think IT会員サービス無料登録受付中

Think ITでは、より付加価値の高いコンテンツを会員サービスとして提供しています。会員登録を済ませてThink ITのWebサイトにログインすることでさまざまな限定特典を入手できるようになります。

Think IT会員サービスの概要とメリットをチェック

他にもこの記事が読まれています