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「これからの自分のキャリアと人生、どうしていく?」WITI Leaders Panel vol.5 レポート

2019年6月27日(木)
於 ありさ(おき ありさ)

6月1日(土)、東京・アライドアーキテクツ株式会社にて、WITI Japan(代表:村上佳代)主催の「自分のキャリアと人生を考える 『LINE上級執行役員に聞く、人生の切り拓き方』」が開催されました。

WITI Japanは、2016年に発足したIT、テクノロジー、デジタルの領域で仕事をする女性たちのエンパワーメントをする団体です。米国ロサンゼルスで1989年に発足したWoman In Technology Internationalが母体となります。興味のある方は、ぜひWITI JapanのFacebookページを参照してください。

今回で5回目となった「WITI Leaders Panel」の一環として行われた本イベント。キーノートパネルや参加者同士のテーブルディスカッションなどを通して、女性たちがこれからの生き方を見つめなおす機会となりました。

今回は、イベント当日の模様をレポートします。

LINE株式会社 上級執行役員 稲垣 あゆみさん

キーノートパネル:稲垣あゆみさん
「走り続けたら30歳」とにかく、その瞬間を駆け抜けた

第1部では、私たちのコミュニケーションツールとして欠かせない「LINE」を展開するLINE社で、2016年当時、最年少の執行役員に就任した稲垣 あゆみさんによるキーノートパネルが開催。学生起業家として知られる新居日南恵さんがファシリテーターを務め、稲垣さんのこれまでのキャリアを振り返りました。

  • 稲垣:高校の時は勉強ばかり、大学の時はやりたいと思ったことを全部やりましたね。
  • 新居:大学時代は7個インターンをしていたとお伺いしました。各インターンを経験する中で、自分にとって価値観を変えられた経験ややり遂げた経験はありますか?


  • 株式会社manma 代表取締役 新居 日南恵さん

  • 稲垣:そうですね。まだ立ち上がったばかりの楽天でインターンをしたり、中田英寿さんが主宰するプロジェクトでカフェを立ち上げるなど、いろいろやりました。いろんな企業やプロジェクトで働く中で、それまでぼんやりと描いていただけの「働く」という経験が明確になった印象がありますね。
  • 新居:稲垣さんがキャリアを考える上で、どのように「次はこれをやってみよう」と決断するのでしょうか?
  • 稲垣:経験の中で感じた疑問や課題感を解決するという軸で決断してきた気がします。大学1年生の時は、インターン先で働く中で組織に興味を持ちました。三田祭(慶応義塾大学三田キャンパスで開催される学園祭)でいかに多くの儲けを出すか、本格的に事業計画を立てて戦略的に行うプロジェクトを20名くらいの学生たちでやった時に、最終的に本番までやり切ったメンバーは半分くらいだったんです。このときの経験を経て、組織のマネジメントを勉強したいと思うようになりましたね。
    一方、大学3年生のときは、1・2年生のときに課外活動を頑張っていた分勉強に本腰を入れました。そのとき初めて政治の授業を受けて「政治って、これまで接点がなかったな」と思い、政治系のインターンを探したんです。そうしたら、知り合いが党のマーケティング・PRのアルバイトを紹介してくれました。
  • 新居:そんな多彩な経験を経て、ファーストキャリアはどのように決めたのでしょうか?
  • 稲垣:韓国へ行ったときにmixi以上におもしろいSNSがあったり、オルタナティブスクールの学生がみんなパソコンをいじっていたりするのを見て、「進んでいるな」と感じたのが原点ですね。それまで、「アジアの中でも日本は最先端を行っている」と思っていたのは、幻想だと気づかされたんです。それで、アジア×ITという軸で仕事を探して就職したのですが、自分の行きたい部署に入れず3日で辞めてしまいました(笑)。
  • 新居:そうなんですね(笑)!辞めた後は、どうされたんでしょうか?




  • 稲垣:韓国でゲーム会社をやっていた知り合いが新しい会社を立ち上げると聞いたので、その手伝いをしました。あとは自分の興味の範囲で、アジアの情報をブログで発信していたら、「よかったら、アジアのテクノロジー事情を発信してくれませんか?」という依頼が来たりして…。週末に中国語の勉強をしながら、Baiduが中国から日本に進出してくるタイミングを見計らっていましたね。そこで2年働いて、そのあとは今も在籍しているLINE社の前身となるネイバージャパン(後のNHN Japan)に移りました。こうやって話すと、なんだか予定調和に聞こえるかもしれませんが、全部計画的に…というわけではありませんでしたよ。正直、本当に流行るのかもわかりませんでしたし、不安なことだらけでしたね。LINEが普及して、やっと確信へと変わりました。
  • 新居:33歳のとき、そのLINE社で2016年当時、同社として最年少の執行役員に就任したわけですが、なぜ抜擢されたのでしょう?
  • 稲垣:それは、私も知りたいくらいですよ(笑)。27歳のときにLINEで働き始めて、LINEがヒットした影響で社外の色々なアワードをもらったのが30歳のころ。走り続けていたらそこまで来ていましたね。本当に何の役職もない一社員だったので、最初はピンと来ませんでしたが、みんなを引っ張っているというよりも、みんなの真ん中にいるのが好きなタイプだということ、戦略的にのし上がっていくタイプではないというところを上司たちからおもしろがられていたのは覚えています。
  • 新居:それも戦略的ではなかったのですね。本日、会場には20代の方が多く来ておりますが、稲垣さんは20代のころの時間を、どういう風に使おうと思っていましたか?
  • 稲垣:“キャリア”と聞くと「5年後、10年後、あなたはどうなっていたいか」という話になりがちですが、私自身は「5年後の自分が今の私を見たときにどう思うか」を考えてきました。5年後の自分が今の私を見て「よくやった」といえるか、思えるかが大切だなと。キャリアを選択していくうえで、やりたいことと収入のどちらを優先させるべきか悩むこともあると思います。そのときに「5年後の自分が、どちらを選んだら喜ぶか、納得できるか」をぜひ皆さんも考えてみてください。

原体験とこれからのキャリアを見つめ直す
5つのテーマによるテーブルディスカッションと交流会

キーノート後に行われた第2部では、参加者同士によるテーブルディスカッションを開催。参加者は、自分の興味に沿って以下の5つのテーマ・グループに分かれて意見交換し、その内容をグループ毎に発表しました。

■「テクノロジー時代の働き方」グループ

「テクノロジーを生かして、人が人として生きていけたら良いのでは」という答えに辿りついたようです。しかし、そもそも人間らしく、自分らしくとはいったいなんなのでしょうか。最近、「らしさ」という言葉が先行しすぎており、個性のない自分にコンプレックスを感じてしまう方も多いので、まずは自己分析することが必要なのではないかと感じました。

■「自分らしいリーダーシップ」グループ

話し合いの中で「リーダーとリーダーシップは違うのではないか」という意見が出たとのこと。たしかに、リーダーシップがあるなと感じる人全員がリーダーをしているわけではないし、リーダー像も多様化している印象があるので納得しました。また、リーダーシップとは「聞く耳を持つことだ」との意見も。日々の中で誰しもが身に着けるべき力は「傾聴力」なのかなと改めて考えさせられました。

■「令和時代のキャリアの作り方」グループ

まず令和時代は「選択肢が増えたからこそ正解のない時代である」と冒頭で定義。だからこそ、私たちは自分たちのライフワークを考える上で、これまでの原体験やスキルを棚卸する必要があるのではないでしょうかと会場に投げかけていた。ここ数年、副業解禁の動きも強まり、誰もがアンテナの感度を高く持つことが大事になっている今日この頃。その一方で、「アンテナってどうやってはるべきなのか」との悩み相談を受けることも多く、まずはそこの感度を磨かなければならないなと感じました。

■「若者の挑戦に必要なもの」グループ

「経済的自立という囚われをなくしたうえで、学生も社会人も人脈を広げたら良いのでは」と発表。しかし、ただ単に人脈を広げたら挑戦できるのかと言われたら、筆者はNOだと考えます。自分に芯がない状態で軸を広げてもぶれてしまいかねないし、挑戦すること自体が目的となってしまい、その先のビジョンがない若者が多すぎるからです。そのため、まずは自分という人間をよく知ること、単なるイエスマンにならないことが必要だと感じました。

■「自分らしい働き方」グループ

「自分らしい」というだけあって、さまざまな答えが出てきてしまい、うまく言語にまとめることはできなかったとのこと。これは大変本質的な意見だと感じました。「らしさ」と言われると漠然としてしまいかねないという人は、まずは心地の良い働き方を見つける努力をすれば良いのではないでしょうか。

* * *

そのあと、会場ではネットワーキング交歓会を開催。参加者同士で、気軽に会話や交流を楽しみながら、テーブルディスカッションで話しきれなかったキャリアについての話に花を咲かせていました。

「自分らしいキャリア」と言われると、「自分らしさ」の意味や、近い将来の自分を考えがち。でも、あくまでも大切なのは今であり、今を頑張れない人は将来も頑張れるはずがないと考えてきた筆者。本イベントでの稲垣さんの言葉や、各班の発表を聞いて、改めてまずは目の前のことにしっかりと向き合いたいと考えさせられました。

著者
於 ありさ(おき ありさ)
ライター/発信者
1991年生まれ。青森県出身。金融機関、編集プロダクションでの経験を経て、フリーランスのライター/発信者として活躍中。「働く」と「好き」(美容・エンタメ)を中心に、インタビュー記事を中心とした取材記事から、コラム記事まで幅広く執筆している。一部、広報(SNSの運用)のお仕事も。
執筆実績:https://note.mu/colorfulnote/m/m63338b550eda
Twitter:@okiarichan27

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