最後のフェーズ、テストをこなせ!
システム開発の現場で、スムーズな進行を支えるために重要な開発ドキュメント。しかし「開発」の忙しさに押され、何とはなしに後回しにしてはいないだろうか。本連載「開発☆ドキュン」では、この開発ドキュメント作成をサポートする妖精さんと共に、基本から学んでいく物語である!
「ついに最終回です〜」
泣いているのは、開発ドキュメントの新米妖精A奈ちゃん。頭では開発ドキュメントの役割をわかっているものの、今回はじめて現場に足を運んだために、学んだことを思い出せない状態だ。
「前回で終わりだと思っていたのは誰かしら?」
…と突っ込んでいるのは、やさしげな表情の中にもチクっと一刺しを忘れない、指導担当の先輩妖精B乃ちゃん。A奈ちゃんも独り立ちするとこうなるのだろうか。
「第4回:詳細設計はどうするドキュか?」のラストで、A奈はとんでもないものを盗んで、いや、とんでもないミスを犯していた。それは詳細設計がすめば、開発ドキュメントの作成は終了だという勘違いを、B乃の前で披露してしまったのだ。
「たしかに詳細設計がすめば開発はスタートするわ。でもそれで私たちのお仕事が終了だと思ったら、大間違いね。そんなことをいっていると…」
「(がくがくぶるぶる)」
「きちんとテストフェーズをクリアするためのドキュメントも作らないとね」
最終回となる今回は、B乃ちゃんのせりふどおり、テスト用のドキュメント、そしてマニュアル作りまでの工程をおさらいしていく。
図1:テストをせずに納品とテスト後に納品
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)
第5話「テストももちろん忘れずに」
「さて、テストのことを忘れていたA奈ちゃん。テスト用のドキュメントではどういう視点が必要か、ちゃんとおさらいしてみましょう」
「うぅ。これまでに仕様書や確認書を書いてあるんですから、それが実装されているかチェックすればいいんですよね」
「そうね」
「それじゃ、それらのドキュメントの内容があればテスト用のドキュメントって必要ないんじゃないですか?」
「(※ためいき※)」
「違うんですか〜?」
「本当に、今までのドキュメントでテストを行えるなら問題ないわよ。でも以前のドキュメントのどこに『チェックしました』という項目があるのかしら」
「確かに…」
「それにテストフェーズでは、これまで開発部分に携わっていない人が参加して行われる場合も多いわよね。その人たちに対して、どのようにテストを進めていくかという点も、ドキュメント化しておく必要があるわ」
「はい! わかりました!」
「(ほんとにわかったのかしら)」
「テストに関連した項目をまとめるのが、テストフェーズに必要なドキュメントということですね!」
「ほんとに簡単にまとめると、そういうことになるわ。次のページから、必要な内容についてもうちょっと詳しくみていきましょう」
「は〜い!」 次のページ