API gatewayのGlooとAmbassadorがそれぞれ最新バージョンをリリース
Datawireが手がけるAmbassador
次にDatawireが開発を行うAmbassador 0.50について紹介しよう。AmbassadorはGlooと同じくEnvoyを使ったAPI gatewayで、2018年10月に0.50のEarly Release版が紹介されたが、今回のRC(Release Candidate)版はその安定化されたバージョンということになる。
新しく搭載された機能についてはリリースを紹介するブログ記事からわかるように、Envoy v2の機能や新しいテストツールなどである。
オープンソースソフトウェアとしてのAmbassadorに対して有償版のソフトウェアが、Ambassador Edge Stackだ。有償版もCommunity版とEnterprise版にわかれており、搭載される機能も異なる。詳細は以下のページを参照されたい。
参考:Ambassadorのエディションの違い:The Ambassador Edge Stack
有償版にはユーザーの利用状況の詳細を取得するための機能が実装されており、これによってどの機能がどのくらい利用されているのかを分析できるという。
これはSaaS(Software as a Service)で機能をサービスとして提供しているベンダーには当たり前の機能だが、オンプレミスで実装するAPI gatewayでも実装されているのは正しい方向だろう。また設定でオフにできるという部分も評価したい。
0.50RC版の詳細は以下のブログ記事を参照して欲しい。
参考:Ambassador 0.50 RCのリリース:Ambassador 0.50 Release Candidate 1
Kongが手がけるAPI EditorであるInsomnia Designer
最後に、Kongが発表したInsomnia Designerについて簡単に紹介する。これはKongが買収したInsomniaのツール、Insomnia CoreをベースにしたWindowsアプリケーションのAPI Editorとなる。アナウンスされたのは4月29日、InsomniaをKongが買収したのが10月であるが、まだInsomnia自体のサイトも残っており、詳細な説明はInsomniaのサイトを参照されたい。
参考:発表記事:Introducing Insomnia Designer: An Open Source Collaborative Editor for API Design
またInsomnia Designerにも、Ambassador Edge Stackと同様にKongのサーバーに分析データを送る機能が実装されていることが明らかにされている。
モダンなエディターらしく、行った編集がどう実行されるのかをプレビューする機能も付いている。例に使用されているSwaggerの使用例がPetstoreというECサイトのデモで、図らずもSoloのChristian Posta氏が行ったデモの例と酷似しているのは興味深い。
試用する場合は以下からダウンロード可能だ。
Insomnia Designer Windows版のダウンロードサイト:https://insomnia.rest/download/
今回はAPI gatewayに関する製品アップデートを3件紹介した。これら以外にも多くプロジェクトやプロダクトが競い合っているAPI gatewayには、今後も要注目だろう。
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