Ajax開発の未来
PC以外の端末でもAjax
最近では、AjaxテクノロジはPC以外の端末でも積極的に使われています。最も普及してるハードの1つは任天堂のWii(http://www.nintendo.co.jp/wii/features/internet/index.html)でしょう。インターネットチャンネルではOperaブラウザを搭載しているので、今時のAjaxアプリケーションはほぼ問題なく動作するようです。Google MapやGmailも問題なく動きます。またWii自体がPS3やXBoxとは対照的にシンクライアント的な発想で作られているため、ブラウザを除いてもAjax的なハードウェアと言えうことができると思います。
au one ガジェット(http://www.au.kddi.com/auone_gadget/)は携帯の待ち受け画面に登録できるミニアプリケーションです。ブログやSNS、Webメールなどの最新情報を待ち受け画面に表示することができます。これもAjaxテクノロジで構成されています。エンジンはWiiと同様にOperaを使用しているようです。
また、chumby(http://www.chumby.com/)のような面白い端末が米国で発売されています(図3)。内部的にはFlash Lite 3.0を搭載した無線LANを搭載した小型のLinux端末なのですが、自由にガジェット(chumbyではwidgetと呼んでいます)を登録(http://www.chumby.com/guide)することができ、自分の好きなようにカスタマイズすることができます。Flickrから写真を表示したり、RSSを表示したり、YouTubeを表示したりとさまざまな使い方ができます。ユーザによって作成されたwidgetも多数公開されており、リアル版iGoogleといったところでしょうか。Flashベースですので、厳密にはAjaxとは言えないもしれませんが、大きな意味ではAjaxテクノロジでできていると言えます。
Webプラットホームの根幹の技術となるAjax
今まで携帯端末はCPUパワーが非力なため、PCのようなAjaxテクノロジを使うとパフォーマンス的な問題がありました。しかし現在では、iPhoneに代表されるように携帯端末の処理能力も向上し、PCと同じとまでは行きませんが、携帯端末でのAjaxはかなり現実的な技術になってきたと思われます。IntelやAMDもモバイル向けのCPU開発は大変力をいれており、今後モバイル機器でのAjaxテクノロジはトレンドとして増えていくと思いますし、取り組む価値のある面白い分野になると筆者は考えています。
このようにAjaxテクノロジはPCの垣根を越えて、Webプラットホーム全体の根幹の技術の1つになってきました。GoogleMapの登場からわずか4年でここまで広がったことは、Webの波及力は強力だと感じます。Ajaxの開発手法はより高度化され、表現もより豊かになり、対象となるデバイスも増えてきましたが、Ajaxの基本概念を忘れず、よりよいサービスの構築するためのテクノロジとして活用していきたいですね。