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オフショア開発向けUML適用ガイドライン

2008年5月29日(木)
正田 塁

ガイドライン Ver.2.0の概要紹介

 最初に、本ガイドラインの位置付けを説明しておきましょう。開発対象システムは、業務アプリケーションのカスタム開発を対象としています。開発工程としては詳細設計から実装・単体テストを中心にその前後の基本設計・結合テストまでの範囲をカバーしています。これは、オフショア開発の典型的な領域でのガイドラインを優先的に作成しようと考えたためです。もちろんそれ以外の領域でも適用可能な部分はあります。

 また本ガイドラインでは、開発方法論、プロジェクト管理、オフショア開発一般の取り決めごとには触れていません。それらはすでに準備されていることを前提としており、それらに付加して利用することで効果的な開発ができることを目指しています。

 さて、本ガイドラインのエッセンスであるUML適用ノウハウについては、図2を見てください。全部で22ポイントのノウハウを列挙しています。中には、直接UMLに関係しないノウハウも含まれていますが、UML導入の下地を作るという意味では大事なポイントです。

 ポイント1~3は開発作業開始前のノウハウ、ポイント4~9は分析工程でのノウハウ、ポイント10~16は設計工程でのノウハウ、ポイント17~22は実装工程でのノウハウとなっています。22のポイントに加えて、前提とするモデリングスキルレベルとオフショア側への情報提供を目的として日本のシステム開発の特徴についても触れています。

作業開始前~設計時のノウハウ

 今回は紙面の都合上、いくつか代表的なノウハウをピックアップしてご紹介したいと思います。ガイドラインはUMTPのWebサイト(http://www.umtp-japan.org/modules/activity2/index.php?id=10)よりダウンロード可能となる予定ですので、ご興味のある方はぜひガイドライン本体を読んでみてください(2008年5月現在はVer.1.0を公開中)。

 最初に取り上げるのは「ポイント02 利用するUML図の確定」です。UMLは難しそう、敷居が高いという声をよく耳にします。確かにUMLには多くの図の種類があり、それらすべてを使いこなすようになるには、相応の訓練が必要です。

 しかしすべての図を駆使するようなケースはまれで、プロジェクトの状況に合わせて利用する図を取捨選択すれば良いのです。逆説的ですが「ポイント03 必ずUMLである必要はない」のです。すべてをUMLで作成することにこだわり、ドキュメント地獄に陥らないように留意すべきです。最初は、日本側とオフショア側作業分担をアクティビティ図で明確にするといった導入しやすい部分から試してみると良いでしょう。

 「ポイント06 分析モデルで業務を理解」することで業務中のシステム化の鍵となる概念を、「ポイント11 アーキテクチャモデル」を作成することでシステム化の基本方針を視覚的に理解できます。モデル作成者(主に日本側担当者)はUMLを描くための知識と経験が必要ですが、分厚い文章の仕様書よりも的を射た情報を効率的に伝えることができます。

 次ページでは、実装工程でのノウハウとガイドラインの効果と今後の予定についてお話します。

株式会社オージス総研
1992年 株式会社オージス総研入社。入社後は汎用機のプログラマを経て、分散オブジェクトの研究開発、オブジェクト指向関連製品の技術サポート、製品コンサルに従事。最近ではインド、中国でのUML、BPMツールのオフショア開発プロジェクトのPMを経験する。UMLモデリング推進協議会(UMTP)オフショアソフトウェア開発部会メンバー。

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