SEOのためのURLの書き方
ユーザーと検索エンジンの両方にわかりやすいURLを
Webサイトが大きくなればなるほど、URLを修正するのが大変になります。今回は、GoogleのSEOスターターガイド(http://googlewebmastercentral.blogspot.com/2008/11/googles-seo-starter-guide.html)を元に、Webサイト内部のURLの決め方について紹介します。
Webサイトのページがディレクトリによって整理され、ファイルの名前でコンテンツの内容が推測しやすければ、ユーザーと検索エンジンの両方にメリットがあります。
ユーザーは現在見ているページがサイト内でどういった位置づけなのかがわかりやすくなり、URLを削って目的のページを探すことができるようになります。短くて整理されていたURLの方がブログなどにリンクをはりやすく、しかも検索エンジンがすべてのページをクロールしやすくなります。
認識できないワードしか入っていない極端に長いURLはわかりづらく、覚えるのも難しいです。さらに、長いURLだと外部のサイトでリンクをはられたときに、仕様によって改行によってリンクが動作しなくなることがあります。URLがたくさんのパラメータを持っているときはユーザーがパラメータの一部を省いてしまい、リンクが正常に動作しないという状況もありえます。URLから、何をコンテンツとしているページなのかが推測できることが望ましいでしょう。
URL決定の前に心がけること
URLをアンカーテキストとして使って自分のWebサイトからリンクをはった場合、そのURLが関連したワードを含んでいれば、IDやパラメータで書かれたURLよりも、ユーザーや検索エンジンにより多くの情報を与えることができます。
タイトルタグやメタディスクリプションタグと同じように、URLはタイトルとスニペットの下に検索結果の一部として表示されます。タイトルやスニペットと同じように、クエリに含まれているワードは太字で表示されますので、ユーザーが探している情報をURLの中に盛り込んでおけば、より目に留まるようになり、クリックされる率が高まります。
Amazon(http://www.amazon.co.jp/)やWikipedia(http://ja.wikipedia.org/)などは、URLに日本語を盛り込んでいて、クエリに関連しているURLの一部が太字になって表示されています。また、SEOの観点からも、URLの中にキーワードを埋め込んでおくことは若干ではありますが効果があるようです(筆者が複数のサイトを作って実験した結果、違いがあることがわかりました)。
以上のようなことから、ファイル名は番号などで管理するのではなく、推測しやすいようにできるだけ関連したキーワードを盛り込むことをおすすめします。なお、Googleはディレクトリ階層やパラメータが多いURLだとしても、リンクでそのページにたどれるようになっていればクロールしてくれます。ただし、最初の設計の段階でわかりやすいURLが作れるのであればそれにこしたことはないです。
また、SEOの観点から1つのページにアクセスするためのURLは1つに統一することをおすすめします。
http://example.com/
http://www.example.com/
http://www.example.com/index.html
上記のように複数の形式でアクセスできる状態だと、それぞれにリンクをはられたときにリンクの効果が分散してしまいます。301リダイレクトを使って統一すると良いでしょう。リダイレクトの方法については、「301 リダイレクト (完全に移動) の実装 - ウェブマスター向けヘルプ センター(http://www.google.co.jp/support/webmasters/bin/answer.py?answer=93633&topic=15261)」を参照ください。
ほかにも、パラメータのあり/なしで表示されるコンテンツがまったく同じ場合もできるだけ1つのURLに統一するようにしましょう。
検索エンジンのロボットだけリダイレクトする手法も一部のWebサイトで使われています。例えば、アフィリエイトでリンクをはってもらう時に、通常はユーザーごとのIDがURLについているのでリンクの効果が分散してしまいます。検索エンジンのロボットだけ1つのURLにリダイレクトさせることで、アフィリエイトサイトからのリンクの効果を最大限に活用することができるようになります。
「スパムではないか?」思われた方は、「アフィリエイトリンクの転送先をユーザーとクローラで変更するのはクローキングスパム? | Web担当者Forum(http://web-tan.forum.impressrd.jp/e/2008/11/17/4081)」に詳しく紹介されていますので、参照ください。
結論として、Webサイトを作る段階で検討して、ユーザーにも検索エンジンにもわかりやすいURLにすることを心がけ、すでにWebサイトを運営されている方は、301リダイレクトを適切に使うことで過去のリンクの価値を引き継ぐことを忘れないようにしましょう。
【参考文献】
「Search Engine Optimization Starter Guide」(http://www.google.com/webmasters/docs/search-engine-optimization-starter-guide.pdf)(アクセス:2008/11)
「Google と相性の良い URL の作成 - Webマスター向けヘルプ センター」(http://www.google.co.jp/support/webmasters/bin/answer.py?answer=76329)(アクセス:2008/12)