Flashのウィンドウ内座標を取得する!
ではPrototype.jsを使い、FlashのあるHTML要素の位置の取得していきます。本記事では、これから作成する「バナーのある位置を取得する関数」を「getBannerY()」と名付けました。
バナーのあるHTML要素は、
と定義されているので、次のようなコードで取得することが可能です。
var banner = $('skyscraper_banner_left');
このHTML要素のページ内での左上からの位置を取得するには、Positionクラスの「cumulativeOffset」というメソッドを呼び出します。これは「指定HTML要素の左端からのピクセル位置、上端からのピクセル位置」をまとめた配列を返すメソッドです。
var cumulative = Position.cumulativeOffset( banner );
次に、Positionクラスの「realOffset」というメソッドでウィンドウをスクロールさせたときのスクロール量を取得します。このメソッドが返す値は、「指定HTML要素の横方向のピクセルスクロール量、縦方向のピクセルスクロール量」となります。
var real = Position.realOffset( banner );
realOffsetの縦方向のピクセルスクロール量は、上端にあるとき0となり、下方向にスクロールさせると増加していきますので、「bannerのブラウザウィンドウ内での相対Y座標(ピクセル)」は次のようになります。
( cumulative[1] - real[1] )
以上をまとめたコードを、図2-1に示します。
Flashバナーの完成
FlashはExternalInterfaceクラスを使ってJavaScriptと情報のやりとりを行えます。ExternalInterfaceクラスを使うと、JavaScriptで定義した関数を呼び出したり、JavaScriptからFlashの関数を呼び出すことが可能です。今回もこの機能を使い、前項で作成したJavaScriptの関数を呼び出すことにします。
ExternalInterfaceの使い方は非常に簡単で、swfが貼り付けられているHTMLでJavaScript関数が使えるように読み込まれているという状態にして、Flash側では以下のようなコードを書くだけです。
import flash.external.ExternalInterface;// ライブラリ読み込み.
var offsetY:Number = ExternalInterface.call( “getBannerY” );// JavaScript関数からバナーのY座標を読み込みます.
このようにして設定した変数offsetYを、液面のマスクとして用いるムービークリップインスタンスの座標に代入すると、スクロールに合わせてマスクが移動します。
また、今回は使用しませんが、ExternalInterfaceには、Flash側の関数をJavaScriptから呼び出して使うことができる「addCallback」というメソッドも用意されています。このメソッドを図2-2に図示しておきます。ExternalInterfaceなどのような外部のJavaScriptを用いれば、Flashバナーの表現力はさらに広がると思います。その表現力は、まだまだ未知数であると言えるのではないでしょうか。