ESPでファイルサーバーを徹底活用
見える化でファイルサーバーを徹底活用
第3回は、より高い精度でファイルサーバーに蓄積された情報を検索し、有効活用するためのエンタープライズサーチプラットホーム(ESP)の機能について紹介しました。例として、ジャストシステムのConceptBase Enterprise Search(CBES)に搭載しているファイルサーバー検索のための基礎技術について解説しました。
最終回となる今回は、ファイルサーバー検索にESPを活用することで、何ができるようになるのか、業務がどう改善されるのかを具体的に紹介します。
現在、企業で利用されているファイルサーバーは、アクセス権限さえあれば、誰でも簡単にフォルダを作成し、ドラッグ&ドロップ操作で文書を保存できる身近な情報共有手段として広く活用されています。
しかし容易に利用できるために、フォルダやそこに保存される文書は日々増え続け、ただの保管場所になってしまっているファイルサーバーも少なくありません。そのために、必要な情報がどこにあるのか誰も把握できなくなってしまうこともあるでしょう。
こうしたファイルサーバーの問題を解決する施策として、文書管理システムなどの仕組みを導入している企業もあります。しかし、そもそも文書管理システムは、文書の作成から保存、そして廃棄までのライフサイクルを管理する仕組みであり、保管されている文書を効率的に検索したり、活用したりするための仕組みは基本的には搭載されていません。
IT化が促進される以前のオフィスでは、紙の資料がファイリングされ、指定の場所に保管されていたので、決められた保管場所になければその文書は存在せず、文書があればすぐに見つけることができました。しかしファイルサーバーでは、きちんとしたルールが確立されていなかったり、ある程度は確立されていてもそれが守られていないことが多いために、フォルダや文書が散在し、業務に必要な文書がなかなか見つからないという状況に陥るのです。
つまり、紙の資料を指定の場所で管理していたときと同様に、どこに何があるのか、誰もが一目で分かる、利用者が納得できる仕組みをファイルサーバー上に実現すればよいことになります。そこで「検索」という技術を最大限に活用することで、既存のファイルサーバーを「見える化」するというコンセプトが有効になるのです。
3クリックでファイルサーバーを見える化
例えばジャストシステムでは、「3クリックで5コンテンツに絞り込める」をコンセプトに「ファイルサーバー見える化ツール」を提供しています。これは、CBESのオプション機能です。
欲しい文書がどのフォルダに保存されているかがある程度見当がつく場合、フォルダをクリックすれば、その中に保存されている文書と内容のサマリーが一覧で表示され、必要な文書を確実かつ容易に見つけることが可能です。サブフォルダ内の文書を上位フォルダから一覧で見通せるため、Windows Explorerのようにサブフォルダを1つずつ開いて探す必要はありません。
また、フォルダをクリックした時点で、フォルダ機能の下に表示されている「見える化ビュー」に、「更新日」「拡張子」「キーワード」などで文書が分類されているため、文書数が多い場合には目的とするカテゴリをクリックするだけで、さらに文書を絞り込むことが可能です。
もちろんキーワードや自然文の入力により全文検索を行うこともできます。さらに文書内の構造を指定した構造化検索や、あらかじめ設定しておいたキーワードによって内容の自動分類ができるなど、目的に応じて自由に検索方式を組み合わせ、より素早く、的確にファイルサーバーから必要な文書を見つけ出すことを可能にします。
この「ファイルサーバー見える化ツール」では、フォルダのツリー構造やファイル一覧を表示する際にインデックスを利用しているので、文書がネットワーク上のどこにあっても高速なアクセス、表示が可能です。