ESPでファイルサーバーを徹底活用
DB化されたようにExcelを活用
さらに、Excel文書からXML形式のインデックスを作成することにより、形式が異なるExcel文書でも一括で検索したり、表を統合したりすることが可能になります。すべてのExcel文書がXMLに変換されることで、形式が異なっていても任意の項目を検索条件にして、検索することができます。
例えば、同じ部品に対する文書であれば、部品コードなどを条件にして関連する文書をすべて検索したり、結果一覧から元のExcel文書を参照することも可能です。また、複数の検索結果を新たな表として1つの表にまとめることもできます。
先に紹介した大手製造業の例では、Excel文書構造化・検索ツールにより、関連する過去のExcel文書を漏れなく検索し、整合性をとることができるようになりました。これにより、修正もれを防ぎ、重大な不具合に起因する大損害を未然に防ぐことが可能になりました。一方、大手部品製造会社では、過去の実験結果の有無を確実に確認できるようになり、再実験のためのコストと時間を大幅に削減することもできました。
検索技術のまとめ
ファイルサーバーに蓄積された大量の文書をうまく活用できないと、例えば過去にトラブルが文書で報告されていても、その文書を活用することができないために、より大きなトラブルに発展してしまう可能性があります。また、あるべき文書が見つからないために、同じ文書を再作成してしまうというムダも発生してしまうでしょう。
さらに、必要とする文書がファイルサーバーに保存されていない場合でも、その文書がないという確証を得ることができないためにムダに文書を探し続けなければなりません。このようにムダに文書を作成したり、ムダに文書を探し続けたりすることは、ビジネスチャンスの喪失やコストの増大につながるために、無視できないものなのです。
この連載では、検索技術によるファイルサーバーの活用方法について紹介してきました。簡単にまとめると、「キーワード検索だけで本当に必要なビジネス文書を探せますか?」ということが最大のテーマでした。
インターネット検索では、幅広い情報の中から「参考になる情報」を見つけ出せればよいだけのため、キーワード検索でも何らかの情報は見つかります。しかし、企業内検索では偏ったテーマの中から迅速に「正解」を見つけることが求められるため、キーワード検索だけでなく、高度な日本語処理や概念検索、構造検索などといった、日本語にきちんと対応した「かしこい検索技術」を効果的に組み合わせることが必要です。
この「かしこい検索技術」を有効に活用することで、企業内に散在するファイルサーバーから必要な情報を迅速に見つけ出し、有効活用することが可能になるのです。
さて4回にわたり、検索によるファイルサーバーの活用方法について紹介してきましたがいかがだったでしょうか。単なる企業内検索ではなく、ビジネスにおける各ファンクションに特化した検索の仕組みを利用することで、情報を徹底活用することができるようになります。CBESではファイルサーバーの見える化はもちろん、リレーショナルデータベースやLotus Notesなど、企業システムで利用されているあらゆる情報リソースを「見える化」し、徹底活用できる仕組みを提供しています。この連載を通じて、少しでも検索技術に興味を持っていただけたら幸いです。