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ATSは現場の武器となりえるか?採用領域から見るITと業務効率化の可能性

2016年3月16日(水)
ReadWrite Japan

PepperやパーソナルアシスタントSiriの誕生といった、AI技術の進歩や今年が「元年」と呼ばれるVR技術など、IT技術は加速し続けている。

急激な進化を遂げているIT技術であるが、実際にシステムを使用する側は、それをどこまで理解し、使いこなせているのか。

例えば、今後4-5月にピークを迎えるアルバイト・パート採用にスポットを当てて、現場のユーザーが実際にどのような働き方をし、その中でどのようにシステムを活用できているのかを見ていく。

厚生労働省発表のパートタイムの有効求人倍率(※1)は2015年平均で1.52倍であり、アルバイトの人手不足はかなり深刻さを増している。アルバイトの賃金を上げるだけでは到底、人は集まらないのが現状だ。

上記のような採用難が続く中、実際に人手が必要なお店の店長の現状はみなさんご存じだろうか?知人の某アパレル小売業店長の一日を聞いたところ、想像以上に多忙である。

朝は、お店を開けることから一日が始まり、接客、清掃チェック、在庫資材管理、シフトの調整、スタッフの育成など、ありとあらゆる業務があり、あっという間に一日が終わる。

そんな中、1日の中で採用にさける時間は、面接で最大30分、採用状況の確認のみであれば、5分未満である。

このように、採用は最優先課題ではあるものの、そこにさける時間は極めて少ないのが、店長の現状である。このような現状を打破するためにも、最近では、採用業務を支援するツールの導入が広がり始めている。

ATS(※2)と呼ばれる採用プロセスを管理するためのシステムは、求人応募者の情報を管理するデータベース機能を核に、「選考ワークフローの効率化」と「選考スピードのアップ」を実現している。

アメリカではすでにいくつものシステムがリリースされている。
Greenhouseは候補者の獲得や採用プロセスを部門横断で一括管理できる統合的なツールを提供するサービスである。

これまでの調達額は6013万ドルで、直近ラウンドでは2015年8月に3500万ドルの大型調達に成功している。

一方日本では、まだその認知度は大きくないものの、2010年から先駆けてスタートした「HITO-Manager」や導入者数NO.1の「リクオプ」、2月に新機能をリリースした「ジョブオプ」などの採用管理システムがリリースされており、盛り上がりを見せている。

今回スポットを当てた領域以外でも、開発者にとってユーザーの現状理解は必要な要素にはなっているだろう。

自分がユーザーとして業務を行うとしたらシステムやツールはどうあって欲しいか、どうなっていたら使いやすいかという観点を持ち続けることが重要である。

現場の声を聞き、現状をキャッチアップしていくことは、今後も開発における重要な要素であり続けるだろう。

※1有効求人倍率…有効求職者数に対する有効求人数の比率。有効求人(求職) とは、新規求人(求職) と前月から繰り越された求人(求職) を合計したもの。
※2Applicant Tracking System(採用申込み者追跡システム)…企業の採用業務における、求人票の作成から応募フォーム、応募者管理などを一元化するシステム。

ReadWriteJapan編集部
[原文]

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