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「ヘルプ」により約2,000時間分の労働力を確保!―店舗ビジネスのシフト管理を最適化するポイントとは?

2017年11月13日(月)
ReadWrite Japan

少子高齢化などの影響を受け、慢性的な人手不足に陥っている日本。売り手市場が続く採用の現場では正社員だけでなく、非正規社員の採用も厳しい状況にある。
特に、飲食や小売りなどの店舗ビジネスを手掛ける企業にとって、アルバイト・パート労働力の確保は大きな課題となっている。しかし一方で、多店舗展開している企業では、同じ時間帯に、ある店舗では人手が足りていないが、隣の店舗では人手が余っていたというように、店舗によって保有する労働力に差があるケースも多い。
そのような現状を踏まえると、法人やエリア単位で保有している労働力を全体最適に配置するための「シフト管理」が極めて重要な役割を担っている。しかし実情として、法人やエリア単位で労働力の過不足を確認し、店舗間でのこまめな連携や各スタッフへの頻繁なヘルプ勤務の依頼は手間のかかる作業であるため、最適な調整が行えていない企業も多いのではないだろうか。

そこで本記事では、スタッフの最適配置を支援するシフト管理システム「シフオプ」を提供している、株式会社リクルートジョブズの染谷健太郎氏にインタビューを敢行。労働力を最適に配置するためのシフト管理におけるポイントなどについて伺った。

店舗ビジネスにおけるシフト管理の重要性

― まずは「シフオプ」の概要についてお教えいただけますか?

染谷健太郎氏(以下、染谷):「シフオプ」は、飲食や小売をはじめとした、いわゆる店舗ビジネスのスタッフ最適配置を支援するシフト管理システムです。アルバイトやパートを含む複数のスタッフで店舗を運営している場合、スタッフの勤務シフトの管理が必要になってきます。多くの店舗では、LINE、メール、電話、申請用紙などでスタッフの希望する出勤日・時間帯を収集し、店長が紙やExcelに転記した上で、各スタッフの希望を調整しながらシフトを作成する、という流れが一般的です。
また、確定したシフトを各スタッフへ周知する際にも、店舗のバックヤードにシフト表を掲示したり、メールやLINEで送信したりと、各作業に手間のかかる要素が多く含まれています。また、シフトは様々な要因で随時変更が加わるものなので、たびたび手直しが必要で、その度に最新の状況をスタッフに共有しようとするとより大変になります。また、スタッフにとっても、店舗に行かなければシフトが確認できないなど、様々な不都合が生じていました。
このような状況が、シフト管理システムを利用することによって改善されます。スタッフはPC/スマートフォン等からオンラインで時間や場所を問わずシフトの提出・確認が可能となり、スタッフから提出されたシフトはシフト作成画面に自動的に反映されるので、店長のシフト作成の手間も大幅に削減されます。つまり、店長とスタッフの双方に大きなメリットがあるのです。

シフト管理の工夫により約2,000時間分の労働力確保を実現

― 人手不足や、人手不足が故の残業問題に悩む企業の導入も多いと伺いましたが、シフト管理がその解決に結びつくイメージがありませんでした。具体的にはどのような活用をされているのでしょうか?

染谷:我々が人手不足の新たな対抗策となると考えているのが、既存スタッフの稼働時間を増やす手段です。特に多店舗展開をしている企業では、人手が不足している店舗に対して別の店舗からスタッフを派遣するヘルプ勤務の促進を通じて既存スタッフの稼働時間を増やすことが労働力確保において、これからより重要になってくると考えています。
しかし、実際には、店長同士での調整の手間やスタッフとの調整の手間から、ヘルプ勤務を上手く活用できていない企業が多いと考えています。人手不足に陥っている店舗が、近隣の系列店舗にヘルプを要請できなければ、所属している店長や社員がフォローするしかなく、その分だけ負担が集中してしまいます。場合によっては、この状況が続くと残業の問題に発展します。そのような状況への対抗策として多くの企業で「シフオプ」の「ヘルプ機能」がよく活用されています。「ヘルプ機能」を使えばヘルプの依頼を画面から簡単に送ることができ、必要なやりとりも全てWEB上で完結することができます。
また、「シフオプ」は複数店舗間でシフト情報を共有も可能なので、他の店舗の状況の確認も簡単です。このような機能を活用し、ヘルプの調整に手間がかからなくなると、既存スタッフの稼働時間向上も労働力確保の新たな選択肢となり、これを実現することで各店舗の業務をより円滑に回せるようになるわけです。

▲シフオプを活用することでヘルプ活用にかかる調整がスムーズに

また、店長だけでなく、本部やSVが各店舗のシフトの状況をリアルタイムで確認できるのもポイントですね。実際の人員配置を見ながら店長に人員配置に関する具体的なアドバイスできるので、本部やSVが、より店長の支援をしやすくなります。

― 実際にどれくらいの効果が出ているのでしょうか?

染谷:コンビニエンスストアを11店舗展開しているお客さまは、「シフオプ」のヘルプ機能を積極的に活用されており、月200件ほどのヘルプ勤務が行われていて、それによって約2,000時間分の労働力確保を実現しています。さらに、これによって社員の残業時間も従来の3分の1にまで減少しているようです。

さらに重要な“ヘルプがしたくなる”環境整備

― 人手不足や残業問題に対してヘルプの活用は非常に有効ということですが、実際に各店舗でヘルプ勤務を促進するためにはどのような点に気を付けるべきでしょうか?

染谷:人手不足の環境下において、既存のスタッフの方にいかに稼働して頂くか。これは店舗ビジネスを展開する企業にとって重要な検討テーマだと思います。
しかし、たとえ「シフオプ」のようなツールを導入し、システム的にヘルプの依頼・派遣が容易になったとしても、活用されなければ意味がありません。そこで重要なのが、スタッフがより“ヘルプに行きたくなる”環境整備だと考えています。
こちらについては「シフオプ」導入後に、お客様が様々な工夫をされています。例えば、他店舗へヘルプに行く方は、初めて訪れる店舗でのコミュニケーションに不安を感じるものです。そこで、ヘルプで来る方に対して受け入れの場を設けて、勤務開始前に自己紹介や挨拶などを実施すると、格段にコミュニケーションしやすくなるわけです。また、ヘルプ勤務される方への具体的なインセンティブとして、追加時給制度を設けている企業も多いですね。アルバイトやパートにとって、追加時給は非常に魅力的ですから、ヘルプへの意欲も自然と向上します。
他にも、ヘルプ先の店舗で業務のやり方が違うからといって単純な作業しか任せられないと、ヘルプで派遣されたスタッフも楽しくありません。スタッフがどの店舗でも普段通りに活躍できるよう、店舗間での細かい業務内容を統一していくことも有効です。たとえば、揚げ物を揚げる、お金を管理するという同じ業務でも、店舗によって細かい業務内容の違いがあったりするもので、それがヘルプスタッフの活躍を妨げることもあるようです。
システムの活用だけでなく、こうした取り組みを通じてスタッフに「ヘルプに行って良かった!また、行きたい!」と感じてもらえるような環境にできるのがベストですね。そうなれば、自然とヘルプ勤務が促進されていきます。

― 複数店舗でシフトの情報を共有すると、店舗側では具体的にどのような変化が見られるのでしょうか?

染谷:たとえば、先ほどご紹介したコンビニエンスストアを展開しているお客さまでは、ヘルプ勤務を促進する過程で、店長が自分の店舗のシフトだけでなく他店舗のシフトも確認できるようになり、「自分の店舗と同じように近隣店舗のシフトを考える」、「他の店舗の足りない時間帯を埋めるために自分の店舗からどのようにヘルプを出すか、考える」というように、シフト管理に対する考え方自体が変わってきたそうです。
従来のように、自分の店舗だけを上手く回すためのシフト管理に集中してしまうと、他店舗へのヘルプ派遣にまったくメリットが感じられないでしょう。しかし、他店舗の状況が確認でき、広い視野で考えてもらえるような環境作りを行ったことで、企業全体における最適な人員配置を視野に入れるように考えが変化してきたようです。だからこそ、今では当たり前のようにヘルプが行き交う状況になっているのだと思います。
他のお客さまでも「シフオプ」の活用を通じて、「これまで、滅多に行っておらず、奥の手のように考えていたヘルプ勤務が日常的に活用できるようになった」という店長の声もあります。実際にヘルプで人が確保できたり、それによって自分の残業が減ったりといったメリットを実感すると徐々に店長の考えが変わってくるようです。

― こうした店舗間の情報共有は、実際に働いているスタッフにとっても重要なのでしょうか?

染谷:アルバイトやパートスタッフにも大きなメリットがあると思います。一般的にアルバイトやパートの場合、提出した希望勤務時間の平均8割ほどの勤務時間でしか働けていません。全体として、もっと働きたいのに、働けていないのです。だからこそ、既存スタッフの稼働時間を増やすことが有効なのです。希望通り働けないという不満が募れば、別の仕事を掛け持ちしたり、場合によっては退職につながるケースもあります。
しかし、店舗間をオープンにヘルプが行き交うような環境ならば、働ける先を複数持てるようになるので、自分が働きたいだけ働くことが可能になっていきます。たとえば、「この時間に自分の所属する店舗は人が一杯なので、他の店舗で働こう」、「明日の夕方に空き時間ができたから、どこか空いている店舗で働こう」という仕事の仕方も可能になっています。こうした状況は、スタッフ自身の満足度向上に繋がり、企業にとっても非常に有益です。

アルバイト・パートの人件費管理にも有効なシフト情報

―シフト管理の工夫について、ヘルプの活用以外でのメリットも出ていたりするのでしょうか?

染谷:人員の配置は売上とコストの両面で非常に重要なファクターです。足りない時間に人手を確保することは、どちらかと言えば売上確保の手段だと思いますが、お客様によってはコスト管理の改善のために「シフオプ」を導入して頂くケースもあります。特にアルバイトやパートの人件費を予定段階からマネジメントしたいと考えるお客様には、シフトデータの活用が有効です。
多くの企業ではアルバイト・パートの人件費管理の為に勤怠データを活用しているようなのですが、勤怠データは結果データなので、どうしても後手に回ってしまい、修正や改善が難しいのですが、予定データであるシフトデータを活用できると修正や改善が可能になっていきます。
そこで、いくつかのお客様では「シフオプ」を活用し、まずはシフト段階の人件費を可視化し、本部やSVなどのマネジメント側に予定人件費が共有できる環境を作っていく取り組みを実施しています。このような取り組みの結果、いくつかのお客様では実際に組織として人件費の予実管理の精度向上を実現しています。

▲シフオプ管理画面上で一括での人件費管理が可能に

― 最後に、シフオプの今後の展望についてお聞かせください。

染谷:本日お話ししたようにシフト管理システムは、シフト管理業務を楽にするだけでなく、それ以上の価値をご提供できるものだと、我々は考えております。この点について広くお伝えしていくと共に、シフト管理業務を手掛ける店長をはじめ、そこで働くスタッフがいかに使いやすくなるかを最優先に考え、今後も機能拡張やサービス改善を続けていきます。
より使いやすく進化していく予定なので、楽しみにお待ちください。

― ありがとうございました。

ReadWrite編集部
[原文4]

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