増大するリッチシニア層と医療用ウェアラブルの密接な関係
医療用ウェアラブル市場は、慢性疼痛や糖尿病を緩和する技術に費やすためのお金に余裕のある高齢者の需要により、2023年までに16%の成長を見せると考えられている。
MedGadgetレポートによると、医療用ウェアラブル市場は、2014年の27.3億ドルから2023年には107億ドルに成長すると報じており、2015〜2023年の間は年間あたり16.4%成長するという。
世界中で高齢者の割合は増大しており、これらの層が慢性疼痛や糖尿病を管理するためのウェアラブル市場の成長が見込まれているのだ。また、多くの国で富が高齢者に集中していることから、医療用ウェアラブルは中期的に裕福な高齢者層の恩恵をこうむるだろう。
医療用ウェアラブルはより使いやすく、健康状態を管理するため世界中の高齢者たちに受け入れられるようになるだろう。だが、短期的な話をすると、高いコストや保険の適用対象外であることから、医療用ウェアラブルが高齢者に浸透するには超えなければならない壁があるのも確かだ。
ちなみに、医療用ウェアラブル市場での主要なプレイヤーといえば、Fitbit,Koninklijke Philips,Polar Electro,OMRON,Cleveland Medical Devices、それにMedtronicが挙げられる。
医療用メディカル市場を支配している北米
北米では、健康とフィットネスに対する意識が高まり、その分野で革新的なコネクテッドデバイスが活用されてきたことにより、2014年に医療用ウェアラブル市場を支配した。フィットネスやスポーツ分野においては、今後も北米だけでなく世界中の医療用ウェラブルを占め続けるであろう。
だが、それより先になると、アジア太平洋地域が医療用ウェアラブル市場を牽引する立場になるだろう。というのも、インドおよび中国での糖尿病患者の数は非常に多く、彼らが健康状態を管理するための技術に目を向けると推測されるためだ。中産階級の一人当たりの収入増も、彼らがより高価なテクノロジーに手を出す追い風となるだろう。
それに加え、病院や健康管理センターも診断や治療目的で、神経状態やバイタルサイン、胎児のモニタリングなどの目的でウェアラブルデバイスを活用するようになる。将来の医療用ウェアラブルは、今のものより場所を取らず多機能になるであろうことから、着実に現在使われている医療用機器に取って代わるものになるだろう。
(ReadWrite Japan編集部)
ReadWrite Japan編集部
[原文]
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