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| 人材価値の可視化による人材資本管理情報システム | ||||||||||||
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経営資産のモノ・カネに比べて、ヒトの価値を一元的な基準で判断するのは難しい。モノ・カネは価値を数値に換算できるが、ヒトの価値を数値化するのは難しい。人事情報システムに求められることは、人材価値の原状復元性である。多面的な人材の能力をデータ化することによって、人材価値を可視化することが可能になるからである。 戦略的な人材マネジメントを実行するためには、自分の会社にどのような能力を持った人材がいるのかを正しく把握しなければならない。企業内の人材価値の棚卸をしてはじめて「組織力の現状」を把握できる。人材価値の可視化とは、従業員1人1人の価値を「見える」状態にすることである。 具体的には、従業員の保有能力や教育履歴、社内外での具体的な業務経験内容、人事評価に基づいた能力開発、本人のキャリア計画、マーケットの給与水準と照らした現行の報酬などといった従業員の保有する価値を様々なデータから可視化、すなわち「見える」状態にすることである。 1人1人の能力を見える状態にすれば、本人に求められる能力と現有の能力のギャップを埋めるための能力開発も可能になる。企業戦略を遂行する上で、企業の資本としての人材価値の可視化により、適材適所が可能になる。 人材価値の可視化は、無形資産である「人材能力」を社内にストックすることも可能にする。有能はどのような手順で仕事を進めていけば業務を処理できるかを経験則で知っている。ベテラン社員の経験則のような暗黙知と呼ばれる「無形財産」は、本人の頭の中だけに存在する。 これらの無形資産は従業員の退職と同時に社内から消えうせてしまう。マイクロソフト社の例を見るまでもなく、企業価値の源泉は従業員の人材価値による「知識資産」から成り立っている。プロセスがマニュアル化されていない「知識資産」の損失は、これからの企業活動に当って大変な損失になる。 人材価値の可視化は、従業員が行っている業務の可視化にも繋がるり、「仕事を見える」状態にする。どのようなプロセスを経れば上手く処理できるかをマニュアル化することにより暗黙知の「知識資産」をストックすることが可能になる。また、「仕事が見える」状態になれば、業務の見直しや効率化にも繋がる。 では、可視化した人材情報を基にした企業戦略を遂行するためには、どのように人事情報システムを使っていけばよいのだろうか。人事情報システムの役割は大きく分けて3つある。1つ目は人事業務プロセスの合理化である。これによって、人事部の定型業務を減らし、人材マネジメント施策にシフトさせる。2つ目は企業戦略に結びついた人事施策を現場に浸透さる役割である。3つ目は、従業員の目標を経営戦略に結びつけ、人事施策の浸透状況をモニタリングする役割である(図2)。 ![]() 図2:戦略的人事情報システム では、戦略的人事情報システムを導入することによって、人事部の役割はどのように変わっていくのだろうか。 |
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