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| コスト削減を目的とした人事情報システム | ||||||||||||
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長期雇用を前提とした終身雇用と年功序列の人事制度のもとで、人事部は従業員を定着させるため、会社独自の福利厚生の充実をはかってきた。そのために住宅融資制度や財形貯蓄、持ち株奨励制度などの様々な福利厚生制度を従業員に提供してきた。それらの制度運用は人事部の定型的業務の手間を増やしていった。そしてこの福利厚生制度によって、給与計算の仕組みはより複雑になっていった。 福利厚生と給与関係の事務処理に人事業務の時間の多くが費やされた結果、給与計算システムを中心とした人事部の定型業務の効率化とコスト削減を目的として、人事情報システムが構築されていった。 |
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| 閉鎖的な人事情報 | ||||||||||||
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人事情報の閉鎖性として、個人のプライバシーに深くかかわっていることが、理由の1つとしてあげられる。ただ、本人の個人情報と従業員に求められる能力や社内での職歴、保有能力や資格情報などは、本来切り離されて考えられるべきである。しかし、能力や昇進の決定的な差があまりにも早い段階で判明してしまうと、終身雇用制度そのものが機能しなくなってしまう。 そのため、個人のスキルや人事考課、所属の履歴情報は人事部が独占してしまい、本来現場のマネージャーが主体で行わなければいけない昇給・昇格や異動などを人事部主導で行ってきた。人事情報は「聖域」であり、人事部のみで取り扱う「特権」が与えられていた。 この状況下では、人事業務に関連することはすべて人事部の中央集権の下で行われるようになった。現場のマネージャーこそが従業員の現状を最も把握しているはずであるにもかかわらず、本来は現場主導で行なわれる人事考課のプロセスや従業員教育などが人事部主導で行なわれるようになった。 会社独自の複雑な福利厚生制度と個人情報の秘匿性により、従来型の人事情報システムは人事部内のみで使うために作られたシステムとなった。具体的には、給与計算や勤怠管理、官公庁からの労働統計資料への回答、人事異動や昇給昇格など、人事部門の業務を遂行するために必要な要件に従って構築された情報システムである。 従業員に関するすべての人事情報は人事部内のみで使用され、人材開発のデータとして現場のマネージャーや従業員に利用されることのない閉鎖された情報システムとなってしまった。 では、企業戦略を遂行するために策定された人材マネジメントを支援する意思決定支援システムとは、いったいどのようなことが求められるのか。 |
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