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| フィルタリング | ||||||||||||
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RFIDミドルウェアの内部で行われている特徴的な動作としては、まず「Filter」で設定するフィルタリング動作と、「Logger」で設定するロギング動作があげられるだろう。これらは機能だけではなく性能にも大きくかかわるチューニングポイントである。ここでは代表的なフィルタリングの種類と役割について説明する。 フィルタリングではRFIDリーダ・ライタから送信されるタグデータを加工して、上位システムに対して必要な情報に変換する(データの抽象度を上げる)ロジックである。また無駄なデータをフィルタリングすることでアプリケーション側の負荷を減らす役割も持つ。代表的なものとしては、指定タグフィルタ/状態変化フィルタ/補完フィルタがある。 |
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| 指定タグフィルタ | ||||||||||||
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指定した範囲のタグIDのデータのみを取り出すフィルタである。RFIDリーダ・ライタでは電波が届く範囲にあるタグデータをすべて送信してしまうため、そのリーダ・ライタで読み取っても意味がないタグデータについてはネットワークトラフィックやアプリケーション処理を無駄に使ってしまう。指定タグフィルタはこのような場合に適したフィルタである。 ![]() 図2:指定タグフィルタ |
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| 状態変化フィルタ | ||||||||||||
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RFIDリーダ・ライタがタグデータを読み取りはじめたときと読み取りをしなくなったときのみタグデータを取り出すフィルタである。RFIDリーダ・ライタは通常読み取り動作を周期的に行っている。もしRFIDタグがRFIDリーダ・ライタの読み取り範囲に入ってい続ければ、RFIDリーダ・ライタの周期的な読み取りで毎周期そのタグデータを送信することになる。 しかしアプリケーションによってはそのすべてのタグデータを必要としない場合が多い。例えばRFIDの仕組みを応用したスマートシェルフを例にとってみる。スマートシェルフではRFIDタグを貼り付けたモノが置かれたこととモノが取り出されたことを検知する。 したがって置かれた瞬間(タグデータを読み取りはじめた瞬間)と取り出された瞬間(タグデータを読み取れなくなった瞬間)のタグデータのみが有効なデータとなる。状態変化フィルタはこのような場合に適したフィルタである。 ![]() 図3:状態変化フィルタ |
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| 補完フィルタ | ||||||||||||
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読みこぼしたタグデータを補完するフィルタである。RFIDタグがRFIDリーダ・ライタの読取範囲に入っていれば理論上はデータを読み取れるが、実際には常にデータを読み取れるわけではない。通信路として電波を利用している以上は、常に外的要因により電波の妨害・反射・干渉・強度などの状況が瞬間的に変化し、RFIDリーダ・ライタとRFIDタグの間の電波のやり取りがうまくいかず、結果として瞬間的にデータを読み取れなくなる場合がある。 これは先述の差分フィルタで触れたスマートシェルフのようなアプリケーションでは不都合を生じる。 スマートシェルフではモノが置かれた・取り出されたという状況を、タグデータを読み取りはじめた・読み取れなくなったということで判断している。そのため読み取りタイミングのときに電波状況によって瞬間的に読み取りができないと、瞬間的にモノが取り出されて戻されたかのように判定されてしまう。 これを防ぐために、補完フィルタでは瞬間的にタグデータを読めなくても読めたものとして、あたかも読み取りができたかのようにデータを生成して補完する役割を持つ。 ![]() 図4:保管フィルタ |
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