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| RFIDのメリットを再考する | ||||||||||
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ここで改めて、RFIDの可能性について再考したい。RFIDタグの技術的本質とは「無線」と「ID」であると説明してきた。その適用先は、バーコードの代替として利用可能なだけではなく、子供の安心・安全を見守る仕組みや歩行者支援など、バーコードでは利用がされなかった場所での適用が実現できるなど、アプリケーションは多種多様にわたる(図2)。 このように、RFIDが実現するアプリケーションの多様性に比べて、発展途上(性能向上の余地があるという意味で)のRFIDタグ技術、技術標準の取り組みなど、現段階でRFIDの利用を躊躇させる様々な要素がある。RFIDという市場全体でみた場合には、技術仕様の検討と検証、そして大小での導入が同時進行していることも相まって、ユーザ側からみれば導入の判断に迷う状態にあるともいえよう。 |
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| ブームを越えて〜いかに新しいツールを使いこなすか? | ||||||||||
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とはいうのもの、RFIDの利用事例はクローズド領域を中心に増えており、米国に続いて日本でもオープン領域での利用がこれからはじまろうとしている。本連載ではウォルマートのRFIDの取り組みを強調してきたが、ウォルマートですら、一部の店舗、一部の物流センターでRFIDシステムを導入したという段階であり、決して本格導入している状況ではなく、米国がRFID先進国であると断言するのは間違いである。 ただし、RFIDを用いた物流改革を推進している事実は間違いなく、業務改革という視点で今後の取り組みを注視すべきであろう。 技術的には、まずは無線ならではの特性の違いを把握することが重要である。具体的には、導入前のフィールド調査などを通じて、果たしてRFIDタグを利用可能な環境なのか、「第1回:RFIDとは」で紹介した4つの周波数帯に対応したRFIDタグのうちどの周波数帯のものが最適なのかを事前に検証する必要がある。 そして更に、オープン領域でのRFID利用を想定した場合には、RFIDタグに搭載するコードのほか、今後の拡張性を考慮したRFIDミドルウェアの採用とEPCグローバルやユビキタスIDセンターなどが提唱するシステムアーキテクチャの採用の要否などなど、様々な角度からの検討が求められる(図3)。 RFIDを取り巻く環境は目まぐるしく変化している。現在は、2003年にウォルマートがRFID導入を表明した際に騒がれたような、一時のブームは峠を越しており、技術的には第二世代に突入したこのツールをいかに自社の業務プロセス、新サービスに適用するかどうかという検討の時期に来たのではないかと思う。 本格普及に至るまで待ち続けるのか、あるいはRFIDの波に乗って自ら市場を作るかは、自社ビジネスとの発展と見比べつつ、見極める時期に来ているといえよう。 |
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