|
||||||||||
| 前のページ 1 2 3 | ||||||||||
| 管理知識に対する心構え | ||||||||||
|
さて、進捗管理を取り上げてみましたが、他の一般的なプロジェクト管理項目についてはどうでしょうか。 品質管理はどうでしょうか。また、スコープ管理はどうでしょうか。 例えば、問題の予防策や問題発生時の回復策が具体的にイメージできる知識、現場に適用できる知識であれば役に立ちます。予防策という点では、多くの知識は実践的なノウハウを提供しているといえるでしょう。しかし問題発生時の回復策という点では、進捗管理同様、その効果はケースバイケースではないかと思います。 あるプロジェクト管理の知識が使えるものか、それとも使えないものか。その有効性は、実際の現場で目にみえる効果を生みだすことができるかどうかで判断しなければなりません。つまりそこでは論理的な整合性や合理性といったものは、有効性を保証しない限り重要度は低下してしまいます。現場で結果をだせるかどうかが重要な判断基準です。知識や策の有効性は、現場の結果が判断します。 ![]() 図2:マネージャーにとっては結果がすべてである プロジェクト管理という言葉には、その知識さえ身につければ、プロジェクトを管理できる気にさせる響きがあります。しかしそれは大きな間違いです。知識体系に則った「進捗管理」さえ行っていれば進捗を管理できるわけではありません。 知識体系というものはどうしても「論理的な整合性」が重視される宿命にあります。その性質を理解した上で、貴重な知識を「現場での有効性」につなげるべく、うまく付き合っていくことが大切です。 |
||||||||||
| 知識の力を有効化するために | ||||||||||
|
一流の頭脳が結集してまとめられたはずの知識が、プロジェクト管理の現場ではなかなか目にみえる結果をだしてくれません。 「権威とも言うべきこの膨大な知識体系が役に立たないなんて信じられない」という声が聞こえてくるようです。 確かにその通り!役に立たないはずがありません。では、どこで何が違ってしまったのでしょうか。それは、これらの知識をいつでも誰でも使える魔法の杖のように考えてしまったところに根本の原因があります。知識体系はその性質を理解した上で活用しなければなりません。 つまり、この知識が有効に活用されるためには、前提条件があるのです。その前提条件が整備されてはじめて、これらの膨大でテクニカルな知識が有効性を発揮するようになります。 F1などの自動車レースでは、優勝するためには何はともあれ速いクルマを手に入れなければはじまりません。どんなに優秀なドライバーであっても遅いクルマでレースに勝つことはできません。優勝の要素としてドライビングテクニックの話が出てくるのは、速いクルマという前提条件があってのものです。 また野球チームがペナントレースで優勝するかどうかは、そのチームに優秀な選手が揃っているかどうかが大きな問題となります。どんなに優秀な監督でも、高校野球のチームでプロ野球のチームに勝つことはできません。優れた監督采配は、チームに優秀な選手が揃っているという前提条件があってはじめて輝くものなのです。 既存の一般的な手法や知識に頼って、プロジェクトを進めていこうとする場合にも、同様の前提条件が存在します。見事に体系化されたプロジェクト管理の様々な知識も、そもそもの前提条件が崩れているプロジェクトでは、どれだけ役に立つかはケースバイケースということです。 というよりもそれらの知識は前提条件が満たされてはじめて効果を発揮するものと考えるべきでしょう。あまり意識されることはありませんが、プロジェクトがスタートする前にこの前提条件をしっかりと整備しておくことが肝要なのです。 ではプロジェクト管理において、その前提条件とは何でしょうか。問題は極めて単純です。次回以降の連載でみていきましょう。 |
||||||||||
|
前のページ 1 2 3 |
||||||||||
|
|
||||||||||
|
|
||||||||||
|
||||||||||
|
|
||||||||||
|
||||||||||
|
|
||||||||||
|
||||||||||


