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| IT技術導入「そのものの」リスク | ||||||||||||
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多種多様な技術を選択できるということは、従来のベンダー1社が保証していた技術の組み合わせなどをユーザが担うということにほかならない。これは、技術導入そのもののリスクが大きくなってきているということだ。 技術導入のリスクを抑えるためには枯れた技術を導入することがもっとも安全である。しかし、枯れた技術ばかりを使っていてはユーザが求める先進的なシステムを構築することができないし、技術の進化の恩恵を受けることができない。 そのため、先進的な技術導入を行うためには入念な準備が必要となる。例えば、海外からの先進的な技術を導入する際には、その技術を開発している海外の開発者が「どのハードウェア上でテストを実施しているのか」という情報も収集し、選定の指標とする必要があるかもしれない。これは、検証の際と異なるハードウェアでは正常に稼働しない可能性があるためだ。このような状況を見据えて、技術導入リスクを理解しておくべきである。 そのような背景から、今IT技術者に強く求められているのは、情報システム開発プロジェクトをプロデュースする力である。 |
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| プロデュースするとはどういうことか | ||||||||||||
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「最新の技術を使って、今までできなかった情報システムを開発したい」や「まだ、稼働実績の少ないプロダクトであるが、開発効率の向上効果を期待できるので、このプロダクトをベースにアプリケーションを大量開発してみたい」といった挑戦すべきテーマは常に存在する。 このようなケースは技術導入リスクがかなり高い。例えば、開発着手前に本物のアプリケーションと同等の複雑性を保有したプロトタイプアプリケーションを開発し、徹底した耐久テストをし、先行して導入を行いバグ出し作業をすべきである。また、開発プロジェクトチームを組成する際も、この技術導入を専属でフォローできるチームを確保するなどの対応が求められる。 つまり、このような開発スケジュールの骨格をプロデュースすることが重要なのである。 また、テスト段階で本番よりも過酷な条件を与えてテストを行うことは、その技術と向かい合う技術者の育成につながる。さらに、導入した技術のバグ出し作業によって技術を提供するベンダーとの技術人脈を形成することができる。 現在ではシステムの複雑化によって、1人の技術者ではクリアすることが難しい問題や課題が増加している。外部の技術者集団の援軍を組成し、緊急時には彼らを巻き込んで対応できるような緊急体制の確保も視野に入れておくことが必要である。 |
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| 必要な技術者の確保は問題ないか | ||||||||||||
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大型開発プロジェクトにおいては挑戦的な技術導入をともなうことが多い。何故ならそのようなプロジェクトほど、困難な課題を持っており、先進的な技術を取り入れないと解決できないケースが多いからだ。 また開発期間が長いことから、着手時期に先進的な技術を取り入れておかないと、開発が完了した時点で導入した技術が陳腐化してしまうというリスクも存在するからである。 このような背景から、大型プロジェクトにおいては先進的な技術を導入するケースが多いのだが、当然のことながら、技術者の確保が大きなテーマとなる。IT業界の技術者はともすれば技術知識先行の「物知り」タイプが多い。 彼らは技術動向に詳しく、流行の3文字を詳しく解説してくれる。しかし、大半の時間が勉強に費やされているため、開発の実体験が乏しい。この「物知り」を何人集めても、挑戦的な技術導入に取り組むことはできない。ではどのような人材が必要となるのか。 |
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| 匠は存在しているか | ||||||||||||
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挑戦的な技術導入をともなうプロジェクトにおいては、黙々とコード生成を行い、自発的な行動力を持っていて、技術のカリスマ的な存在の「匠」が必要である。 「匠」は開発の実体験が豊富で、技術導入を行うための必要な段取りを描くことができる。そして「匠」を中心にしてカリスマ性を持った集団を組成することができる。先進的な技術導入を行うためには、「物知り」ではなく、このような「匠」の精神を持った技術者集団の確保が必要なのである(図2)。 |
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