|
||||||||||
| 前のページ 1 2 3 次のページ | ||||||||||
| 情報の三様態:定型・半定型・非定型 | ||||||||||
|
問題はドキュメントがデータベースに格納されない結果、「情報が探し出せない」ことに起因する訳ではない。作成されるドキュメントそのものにも、容易な検索/再利用を阻む大きな問題が存在する。つまり、既存のドキュメントは、再利用されることを前提にした形式で作成/保存されていないのである。 そこで、ドキュメント/情報の再利用を行うために必要な要素を説明するために、ここでは企業内部における情報の存在様態を大まかに「定型・半定型・非定型」の三様態に分類してみたい。
表1:企業情報の三様態 表1からは、ドキュメントと呼ばれる情報が基本的には「非定型」と「半定型」のどれかに分類されること、積極的に「再利用を行う」ためには意味構造と書式定義を分離管理可能な「半定型」のフォーマットでの作成/管理が必要なことの2点が読み取れるだろう。 ところが既存のドキュメントの大半は「潜在的には半定型」として作成/管理されるべきでありながら、斯様な「半定型」のフォーマットにてドキュメントを作成するツールおよびファイル形式が普及していないために「非定型」の状態で作成され、結果的にそれらのドキュメントは再利用されることなく「死蔵/放置」されているのである。 このように情報が再利用されない問題の原因として、情報の管理に関する先述の「グレート・デバイド」とは別に、ドキュメントのフォーマットに起因する新たな問題が存在するのである。 ところで、斯様な「半定型」のフォーマットにてドキュメントを作成するツールおよびファイル形式は、今後も一般的にならないのかといえば、その答えは「否」である。何故ならば、斯様な目的のためにはXMLというドキュメントフォーマットが存在し、このXMLを作成/管理するためのツールとして「the 2007 Microsoft Office system(Office 2007)」が登場しようとしているのである。 そこで次項からは、XMLとOffice 2007がドキュメント管理にもたらす効果について説明したい。 |
||||||||||
| the 2007 Microsoft Office system(Office 2007)によりXMLドキュメントを容易に作成 | ||||||||||
|
XMLとはそもそも「汎用的なデータ記述のための仕様」としてW3C(Webで利用される技術の標準化をすすめるグローバルな団体)で策定されたデータフォーマットである。XMLには、ドキュメント自身に「情報としての意味構造」と「コンテクスト」が内包されているために、人間と機械の双方が理解可能な状態にて「情報」を保持/流通することが可能である。 ところで、XMLを利用することで「一体何が実現でき、どのようなブレイクスルーがあるのか」という点について「具体的なイメージがわかない」、という声を一般的によく耳にする。特に情報生産の現場であるデスクトップアプリケーションの世界では、具体的な活用イメージがなかなか見出されていないのが現状ではないだろうか。 そうした流れの中で、マイクロソフト社はMicrosoft Office 2003にてまず部分的にXMLをサポートし、さらに2006年末に発売が予定されている次期バージョンOffice 2007にて、Officeの標準ファイルフォーマットとしてXMLをフルサポートすることを明らかにしている。 Microsoft Officeはビジネスや一般用途でのドキュメント作成用デスクトップアプリケーションとして、既にゆるぎない地位を獲得している。そうしたメインストリームのデスクトップアプリケーションがXMLをフルサポートしたことの意味はとてつもなく大きいといえる。 つまり先述した「ドキュメントの再利用」に必要な「半定型」フォーマットのドキュメントが、使い慣れたMicrosoft Officeで簡単に作成できるようになるからである。 |
||||||||||
|
前のページ 1 2 3 次のページ |
||||||||||
|
|
||||||||||
|
|
||||||||||
|
||||||||||
|
|
||||||||||
|
||||||||||
|
|
||||||||||
|
||||||||||

