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| 開発プロセスにおけるナレッジの再利用 | ||||||||||
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開発効率を向上させる上で重要なのは、埋もれたナレッジをいかに可視化して再利用するかという観点だ。ナレッジは資産と共に開発手順の中にも含まれている。つまり「何に重点を置いて、どういう手順で開発をするべきか」ということにも重要なナレッジが隠されているのである。 例えばコマースサイトを開発する場合には、スケーラビリティを確保するという観点が非常に重要であり、ビジネスロジックはさほど複雑ではない。逆に「BtoB」アプリケーションは経年変化とともにビジネスロジックが複雑化する傾向があり、この観点を忘れてはならない。このように対象とするドメインによって重点を置くポイントは異なるのである。 スケーラビリティを確保するという観点から、必要となる成果物とそれを構築するための手順を洗い出し、それらをテンプレート化しておくことで、開発チームは形式知化されたナレッジを再利用することが可能となるのである。 |
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| イノベーションとコモディティ化 | ||||||||||
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連載の最後に、ソフトウェア開発に関わる普遍的な法則を1つ紹介しよう。世の中はこの概念によって構成されているという事実を意識すれば見つかる答えも多いからだ。 開発作業にはイノベーティブなものと、そこで得られた成果物をコモディティ化していく作業の2つに分類される。どちらがよいというのではなくフェーズの問題である。 イノベーティブな開発作業とは、まだベストプラクティスが存在しない時期に試行錯誤を経て成果物を構築する段階のことを指す。一方でコモディティ化とは、試行錯誤の末に得られた成果物と同じものをより効率的に開発するための工程である。 ソフトウェア産業が真の意味で工業化を果たすには、早期にコモディティ化を実現することが求められる。今回紹介したソフトウェア資産の再利用性、特に可変性への対処とはコモディティ化を実現するためのキーとなる概念である。 また開発プロセスも本来は開発作業に関わる蓄積されたナレッジを再利用し、継続的に改善していくためのものである。 これらの要素に焦点をあてて活動していくことがこの産業を発展させるために必須であることを強調しておきたい。 |
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