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| 終わらない電話会議 | ||||||||||||||||||||||
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ようやく日本に帰国し、1週間日本のプロジェクトルームで作業をすることになりました。しかし、そこでも緊張から開放されることはありません。いつ中国のユーザから電話がかかってくるかわからないためです。 そのようなある日、ある問題が発生しました。そしてその問題を解決するために中国と電話会議を行うことになりました。中国側は現地の日本人社員と中国滞在中のプロジェクトメンバーで、日本側は日本の社員と筆者たちのプロジェクトメンバーで行いました。 ![]() 図1:電話会議 まず音声だけの会議ということで、ただでさえいらいらしている中国のユーザのフラストレーションが増大しました。テレビ会議の設備が使用できればよかったのですが、この時は空きがなく使用することができませんでした。 会議ははかどらず、ユーザのいらいらは増すばかりです。これまでにたまっていた本社への不信もあり日本側の社員に対しても怒りを爆発させました。 「てめえ!ふざけるな!」 ユーザの語気も荒くなります。 結局この会議は3日間に及び、なんとか問題を解決することはできました。会議では1つ1つ言葉を慎重に選び、ユーザの怒りを解きほぐすことに集中したため、会議が終わると参加者はへとへとになっていました。 |
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| カットオーバーと工場でのサポート | ||||||||||||||||||||||
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様々な問題を抱えたまま、工場の稼動開始を迎え、それとともにシステムもカットオーバーしました。 筆者は管理会計を担当しており、工場のユーザが行う原価計算処理をサポートするために工場に滞在することになりました。財務会計担当は上海の本社でサポートすることになりました。 ![]() 図2:サポート体制 道端では人々が屋外麻雀に興じています。常々「麻雀は人生の縮図である」といっている麻雀好きなコンサルタントはその風景に興味津々でした。 工場内に設けられたプロジェクトルームにはハエが飛び交い、夜になると明かりにつられて色々な虫が入ってきます。 ユーザサポートの中で、工場経理担当者への教育というタスクがありました。管理会計機能についての教育なので、単なるシステムの操作方法だけではなく、仕訳の流れ、財務会計との関係、データの分析方法などを説明する必要があります。 ERPの会計処理はユーザにとってはなじみのないものでした。しかも、工場経理担当者は中国人であったため、説明は通訳経由となりました。細かいニュアンスをお互いに伝えることができず、自分が話した内容を相手が理解しているのかを判断することは難しいものでした。そのため、教育には非常に時間がかかりました。 しかし、通訳の方の根気強い努力のおかげもあり、最終的には中国人担当者に理解してもらうことができました。食堂で会ったときなどには笑顔で話しかけてもらえる程に打ち解けることができましが、残念ながら話しかけられた内容は理解できませんでした。 |
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| 続発するトラブル | ||||||||||||||||||||||
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カットオーバー後はトラブルが続発しました。まず、検討されていなかった業務や、様々な例外ケースが発生しました。 例えば、製品を得意先へ納品するフローでは、検収をすぐに受けることができるという前提でした。しかし実際には、1ヶ月経っても検収を受けることができませんでした。納品のフローは、すぐに納品を受けられるという前提で自動化されていたため、自動で検収済みとされたデータのリカバリ作業が発生しました。 ERPパッケージでは各業務のデータが統合されています。そのために、ロジスティクスでの動きがリアルタイムに会計で把握することができるなどのメリットがあります。 それゆえにロジスティクスで誤ったデータが登録されると、それが会計にも反映されてしまいます。ロジスティクスでリカバリを行うということは会計でもリカバリが必要になりました。 また、実装が完全に行われていない部分もあり、走りながら開発するという状態でした。 |
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