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| ECMとは | ||||||||||
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皆さんはECMという言葉をご存じでしょうか。ECMとは「Enterprise Content Management(企業向けコンテンツ管理システム)」の略で、そのまま解釈すれば「企業内のコンテンツの管理精度を向上させる仕組み」ということになります。 ではここでいう「コンテンツ」とは何でしょうか。ECMの世界でコンテンツというと「非定型のデータのすべて」という定義が一般的です。基幹システムのデータベースに格納されているような定型的なデータではなく、WordやExcelなどのフォーマットで企業内に蓄積されている情報のすべてがECMの対象となり得ます。 ECMはもともとPCで作成されるデータ・文書の管理精度を向上させるためのシステムという位置づけにあり、以前は「文書管理システム」や「電子的文書管理システム(Electric Document Management System)」と呼ばれていました。 現在のECM製品は、細やかに設定できるアクセス権限、自動的なバージョン管理、承認行為を電子化するワークフローなどの文書管理の基本機能に加えて、扱えるデータ形式の幅の広がり、ミッションクリティカルな要件に向けて可用性の強化もはかられています。 こうしたシステムを取り入れることで、ユーザ企業は紙文化からの脱却をはかり、紙保管のコスト(物理的な保管スペース)や検索時の非効率性などの問題を解決することができます。 さらにワークフローを電子化することで業務の流れを合理化しつつ、過去の同様の作業の結果を手軽に参照できる環境を用意することで、業務の効率性も向上します。また、内部統制の確立が強く求められる昨今、強力なアクセス管理機構により権限のコントロールを徹底することや、閲覧・編集などの各作業の詳細ログの記録によって事後的な監査に耐える環境を実現することもできます。 ![]() 図1:ECMの幅広い応用領域 出展:2005-2007 Alfresco Software, Inc., All Rights Reserved. このようにECMは応用範囲の広いツールですが、一般に高価であるため、実際には書類の管理手法に対する要求レベルが高い金融業界や製薬業界などの一部の分野でのみ採用されている、というのが現状です。 ECM製品は具体的なUIを持ったパッケージアプリケーションであると同時に、管理精度の向上を実現するインフラ・ミドルウェア的な性格も持っています。そのため投資意欲のある顧客により種々の追加開発を行った上で導入される、というケースが一般的でした。 具体的な製品としては、Documentum、FileNet、OpenText、Stellentなどの製品がよく知られています。しかし近年では、DocumentumはEMCに、FileNetはIBMに、StellentはOracleに買収され、OpenTextも同業のHummingbirdを買収するなど、急激に業界の再編成が進んでいます。 このことはILM(Information Lifecycle Management:情報ライフサイクル管理)という大きなコンセプトの中でビジネスを行っている大手ベンダにとっても、高性能なECMが必須の要素と考えられていることのあらわれといえます。また、ECM単体でのビジネスが難しいことの証左であるとも捉えることができるでしょう。 |
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