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調査レポート
> CRMパッケージのライセンス売上高シェア
2004〜2006年のCRM市場の実態
顧客ニーズとCRMパッケージの乖離
著者:
矢野経済研究所 赤城 知子
2006/12/8
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CRMパッケージのライセンス売上高シェア
2005年のCRMパッケージのエンドユーザ渡し価格ベースによるライセンス売上高シェアは、SAPが23.9%で首位。ソフトブレーンは22.4%で2位、3位は100%オンデマンド型のオンラインサービスでビジネスを展開するセールスフォース・ドットコムで11.3%であった。4位は日本オラクルで10.6%、5位は日本ピープルソフトで8.7%の見込み。
図4:CRMパッケージのライセンス売上高シェア
(ユーザ渡し価格ベース)
CRMパッケージのライセンス売上高(エンドユーザ渡し価格ベース)のソリューション別構成比を算出した。最も比率の高いソリューションはSFAソリューションで全体の35.7%、次いで高いのはコールセンターで24.6%、3番目に比率が高いのはマーケティングで17.9%、4番目に比率が高いのはフィールドサポートで12.6%であった。
図5:CRMパッケージのソリューション別構成比
(ライセンス売上高・エンドユーザ渡し価格ベース、2005年実績見込み値)
CRMのコアソリューションは、SFAとコールセンターである事は、上記の比率を見ても明白である。SFAソリューションにおけるシェアの上位3社はソフトブレーン(33.2%)、SAPジャパン(23.6%)、セールスフォース・ドットコム(23.4%)となっており、上位3社による市場牽引が大きい。
また、コールセンターにおけるシェアの上位3社はSAPジャパン(48.0%)、オニックスソフトウェア(16.4%)、日本ピープルソフト(15.0%)といったベンダが市場を牽引している。特に2005年のコールセンターソリューションにおけるSAPジャパンのシェアは48.0%と2位のオニックスソフトウェア(16.4%)以下ベンダを大きく引き離している。加えて、マーケティングやフィールドサポートといったソリューションの比率が伸びており、CRMパッケージの顧客ニーズへの適用範囲も広がっている。
マーケティングソリューションでは、エピファニーソリューションズが29.1%で首位、2位はSAP Japanの25.8%となっており、エピファニーソリューションズによる他ベンダとの差別化したソリューションがCRMパッケージ市場でシェアトップのSAPを押さえる形となっている。
フィールドサポートソリューションでは、日本オラクルが23.7%で首位、2位はセールスフォース・ドットコムで20.1%、3位はソフトブレーンで20.0%となっており、上位3社でフィールドサポートソリューション市場の約64%を占めている。s
CRMパッケージ市場は、顧客企業のニーズの多様化にどこまで機能が適応するか、といった課題を抱えているが、一方で顧客ニーズに合わせてCRMパッケージを柔軟に提案していくコンサルティング&ソリューションスキルが充実したSIが少ない点もネックとなっている。
また、パッケージ間の競合よりも、顧客による自社開発型のCRM案件との競合が激しく、パッケージを活用するメリットや、パッケージだからこそ実現出来る統合的なCRMの構築と拡張をアピールしていく事が重要である。
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著者プロフィール
株式会社矢野経済研究所 赤城 知子
1989年矢野経済研究所入社。半導体・電子デバイスのマーケット担当から、1996年より「クライアントサーバを中心とした企業のコンピュータシステム導入実態調査」を手がける。1998年よりリサーチのフィールドをソフトウェア業界へと移し、主にERPやCRM、SCMといった企業向けアプリケーションパッケージのマーケットを専門に調査・分析を行う。
INDEX
顧客ニーズとCRMパッケージの乖離
はじめに
CRMパッケージのライセンス販売形態
CRMパッケージのライセンス売上高シェア