第12回:Symantec Mail Security for Exchangeの設定概要 (2/2)

シマンテックイエローブック
電子メール環境を効果的に管理するための総合的アプローチ

第12回:Symantec Mail Security for Exchangeの設定概要

著者:シマンテック   2007/3/19
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設定の概要

   1,000人から2,000人の電子メールユーザーを抱える組織では、ゲートウェイ、メールサーバー、デスクトップの各層に電子メール保護機能を実装することが推奨されます。大量の電子メールがやり取りされる環境では、さらにネットワーク境界層の保護機能も実装することが望まれます。ネットワークの各層に実装できる電子メールセキュリティソリューションと可用性ソリューションを、次に示します。
メールサーバー層 Symantec Mail Security for Microsoft Exchange
ゲートウェイ層 次のゲートウェイ保護製品のいずれか
・Symantec Mail Security 8260アプライアンス
・Symantec BrightMail AntiSpamソフトウェア
ネットワーク境界層 (オプション)Symantec Mail Security 8160アプライアンス

表1:各層における電子メールセキュリティソリューションと可用性ソリューション

   図2に、1,000人から数千人規模の企業における、ネットワーク各層での推奨サーバー構成を示します。

シマンテックの電子メールセキュリティソリューションのサーバーアーキテクチャ
図2:シマンテックの電子メールセキュリティソリューションのサーバーアーキテクチャ
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

   このアーキテクチャでは、ネットワーク境界に2台のSymantec Mail Security 8260アプライアンスを使用することが推奨されています。8260アプライアンスを使用する代わりに、2台のゲートウェイサーバーにSymantec BrightMail AntiSpamをインストールすることも可能です。いずれの製品の機能も、このアーキテクチャでは同等です。

   また、内部ネットワークと外部ネットワークを分離するサブネットワーク内の2つのファイアウォール間に、8260アプライアンスまたはBrightMail AntiSpamサーバーをインストールすることも推奨されます。このサブネットワークは、一般には非武装地帯(DMZ)または境界ネットワークと呼ばれています。

   Microsoft Exchangeメールサーバーは、企業のグループウェアサーバーまたはダウンストリームサーバーです。これは、企業のファイアウォールの内側に設置され、ゲートウェイアプライアンスまたはサーバーによって保護されます。

   詳しくは第14回の「ゲートウェイサーバー層でネットワーク境界を保護するためのベストプラクティス」の項を参照してください。

   企業ネットワークにトラフィックが流入する前にSMTP層でその量を削減する必要がある企業では、オプションとしてSymantec Mail Security 8160プライアンスを使用できます。8160アプライアンスは、ネットワーク境界のDMZの内側の、ゲートウェイアプライアンスまたはサーバーの前に配置されます。


メールサーバー層でExchangeサーバーを保護するためのベストプラクティス

   Symantec Mail Security 4.6 for Microsoft Exchange(Mail Security for Exchange)は、1,000人から数千人規模の組織でMicrosoft Exchangeサーバーを保護するためのシマンテックソリューションです。

   Mail Security for Exchange製品は、ウイルス、スパム、セキュリティリスクから保護し、企業ポリシーの遵守を実現する統合セキュリティソリューションを提供します。Mail Security for Exchangeを使用すれば、複数の基準を作成して保存し、脅威や違反を識別できます。

   脅威や違反が検出された場合には、Mail Security for Exchangeによって自動的に通知や警告が発行されるとともに、事前に設定された管理措置が実行されます。


一般的な設定

   一般的な設定では、それぞれのExchangeサーバーにSymantec Mail Security for Microsoft Exchangeをインストールして、インバウンドとアウトバウンドのすべての電子メールをスキャンします。

   Mail Security for Exchangeは、メッセージのヘッダー、本文、添付ファイルを含む、電子メールのすべてのコンテンツをスキャンします。Mail Security for Exchangeは、パブリックフォルダと個人の電子メールボックスに送信されたすべての電子メールをスキャンします。

   統合電子メールセキュリティソリューションであるMail Security for Exchangeは、サーバーレベルで電子メールメッセージをスキャンし、セキュリティを確保します。この統合機能によって、Exchangeの電子メールをセキュリティリスク、スパム、ウイルスから確実に保護します。


インストールと展開の前に

   Symantec Mail Security for Exchangeをインストールする前に、インストール前の必要条件とシステムの必要条件がすべて満たされていることを確認する必要があります。

必要条件 説明
オペレーティング
システム
・Windows 2000 ServerまたはAdvanced Server SP4
・Windows Server 2003、Standard EditionまたはEnterprise Edition、SP1
Exchange
プラットフォーム
・Exchange 2000 Server(SP3)またはEnterprise Server
・Exchange Server 2003またはEnterprise Server
プロセッサ Intelサーバークラス32ビット
メモリ 1GBのRAM
ディスク領域 190MB(ローカルインストール)、260MB(リモートインストール)
Webブラウザ Microsoft Internet Explorer 6.0

表2:Symantec Mail Security 4.6 for Microsoft Exchangeの必要条件

   「Symantec Mail Security for Microsoft Exchange実装ガイド」には、Symantec Mail Security for Exchangeを展開するための推奨手順と必要な手順が記載されています。管理者はこのガイドを熟読してからソフトウェアをインストールしてください。

   表3に、従業員3,000人未満の企業を対象とした、一般的なSymantec Mail Security for Exchangeの展開手順を示します。

Symantec Mail Security for Microsoft Exchangeの一般的な展開手順
表3:Symantec Mail Security for Microsoft Exchangeの一般的な展開手順
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

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株式会社シマンテック
著者プロフィール
株式会社シマンテック
シマンテックは、情報のセキュリティ、アベイラビリティ、整合性の確保に役立つソリューションを個人や企業のお客様に提供する世界的なリーダーです。米国カリフォルニア州クパティーノに本社を置くシマンテック コーポレーションは、現在、世界40ヶ国以上で事業を展開しています。
http://www.symantec.com/jp


INDEX
第12回:Symantec Mail Security for Exchangeの設定概要
  シマンテックのグローバルインテリジェンスネットワーク
設定の概要
電子メール環境を効果的に管理するための総合的アプローチ
第1回 電子メールのセキュリティと可用性
第2回 電子メールシステム強化の取り組み(前編)
第3回 電子メールシステム強化の取り組み(後編)
第4回 電子メール管理の重層的アプローチ
第5回 電子メールのセキュリティのポイント
第6回 電子メールのアーカイブ化と耐性基盤の構築
第7回 電子メールセキュリティの強化
第8回 電子メールのアーカイブ化
第9回 耐性システムを構築する
第10回 電子メールセキュリティと電子メールアーカイブソリューションのまとめ
第11回 迷惑メールの遮断
第12回 Symantec Mail Security for Exchangeの設定概要
第13回 Symantec Mail Security for Exchangeを設定する際の注意事項
第14回 ゲートウェイサーバー層におけるネットワーク境界の保護
第15回 電子メールのコンプライアンス
第16回 コンプライアンスにおけるITの役割

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